■はじめに
年若いゲーム仲間たちから「ゲームマスターとは何なのか」、「どのようなことをしなければならないのか」といった質問を受けることが少なくない。一緒にテーブルトークRPGを遊んでいても、プレイヤーたちにはゲームマスターがどんなことをしているのか、分かりにくかったり伝わりにくかったりする部分があるようだ。それはきっとゲームマスターという役割の仕事が、あまり目につかない水面下で行われることが多いからだろう。
本書は筆者個人の経験をもとに、ゲームマスターという役割に求められる仕事について、またそのための基礎知識について、質問されることの多い事柄を中心にまとめたものである。あくまで筆者の経験をもととしたものであるため、疑問の全てを網羅しているとも言いがたい。本書の内容にはそうした限界があることをご理解いただきたい。その上で本書が、ゲームマスターという役割について、そしてなによりテーブルトークRPGという遊びについて考えを深めるための一助となれば幸いである。