■プレイ環境

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■プレイ環境

どのような環境でプレイするのかによっても、ゲームシステムの適性が変わる。

そのゲームシステムでの遊びがどのようなコミュニケーションによって行われ、そこにはどのような環境要素が必要になるのか。また必要な小道具があるならどのような環境であることが望ましいのか、などについて考える必要がある。

コミュニケーション技術と環境
テーブルトークRPGとは、ゲームの参加者たちが、ゲームの世界で起こっている出来事について、より具体的な状況を想像し、物語る遊びである。そしてその方法として、テーブルトークの名の通り、発話かそれに類する意思表示――すなわちコミュニケーションの技術――が使用される。
発話、会話という伝達手段は、しかし実際にはそれ以外のコミュニケーション技法と併用して行われる。たとえば姿勢や身振り手振り、表情、視線、言葉の抑揚に至るまで、非言語コミュニケーションで伝達される情報は多い。こうした情報をどのように扱うのかによって、セッションの楽しみ方、感じ方にも違いがでてくる。
非言語コミュニケーションの扱いについては、現在テーブルトークRPGがよく遊ばれている環境で、大きく三種類に分けることができる。
ひとつはオフラインセッションと呼ばれるもの。参加者がひとつところに同席し、対面で行われるセッションである。古典的な遊び方であり、またあらゆる非言語コミュニケーションを使用することができる。反面、対面という環境から羞恥心が働きやすいこともあり、PCを演じるように遊ぶことに抵抗を感じるユーザも存在する。また、セッションを遊ぶための数時間を集中して過ごせる環境を確保できるかどうか、またその環境をどのように感じるかは個人差が大きい。たとえば個人宅で遊ぶ際、果たしてその家の住人について意識せずにいられるかどうか。どういった発言にストレスがかかるのか、またはやりやすいのか。そうした環境による影響も、ゲームシステムを選ぶ判断基準のひとつになりうる。
それからインターネットを通じて遊ぶ、オンラインセッションと呼ばれるもの。これには大きく分けて、音声通話ソフトを使用して音声によってプレイされるボイスチャットと、音声を使用せず文字によってプレイされるテキストチャットの二種類がある。どちらも自宅やそれに類するリラックスできる空間でのゲームプレイが一般的であるため、環境による影響はオンラインセッションよりは小さなものになりやすい。
ボイスチャットの場合、非言語コミュニケーションは音声に関する要素のみ可能となる。またライブカメラを使用すれば、それ以外の非言語コミュニケーションも、制限はあるものの、ある程度は可能となる。ただしボイスチャットによるセッションは、インターネットへの接続環境によって遅延が発生したり、肉声と異なり音源の地点によるナチュラルな聞き分けが使えなくなったり、ライブカメラの撮影範囲にも制限があるため、通常の発話による非言語コミュニケーションがすべて使えるわけではない。
テキストチャットの場合、非言語コミュニケーションはほぼ皆無となる。ただし発言もすべてモニタ上にしか表示されないため、モニタを注視されなければ、他人の目を気にする必要もない。そのためプレイ内容についてはもっとも制限なく遊びやすい。ただし文章(文字列)による表現力の個人差が出やすいこと、また文章の入力にかかる時間などから、遊ぶためには相応の工夫が必要となる。
小道具と環境
テーブルトークRPGを遊ぶとき、小道具の存在を忘れてはならない。まずはサイコロであったり、キャラクターシートと筆記用具であったり。それからマップやフィギュアを使用するものもあれば、カードなどが必要となるものもある。こうした小道具を効果的に使用できる環境であるかどうかということも、ゲームシステムを選ぶ上での基準として忘れてはならない。
オフラインセッションであれば、テーブルの大きさは重要な要素だ。全員分のキャラクターシートを置いて、あとどれくらいの余裕があるのか。それによって使える小道具は限られてくる。それから座席の間隔についても注意しよう。なにかメモをとる度に、隣の席の人に肘があたってしまうようなら、頻繁にメモをとらなければならないゲームシステムは不向きだろう。逆にカードやチットなどのやりとりがあるゲームで、座席の間隔が広すぎても不都合が多い。そして忘れてはならないのが照明である。薄暗い部屋では、読み書きに不具合があったり、数字の読み間違えなども起こりやすい。またフィギュアやカードの扱いにも注意が必要となり、ややストレスとなりうる。しかしたとえばホラーものを遊ぶときの雰囲気付けにはもってこいだという人もいる。それぞれの環境によって、マスタリングの手法にも違いが出やすい。ゲームマスターはデリケートなのだ。
オンラインセッションの場合、使用するソフトの適性がそのまま環境の適性となる。必要な小道具の代わりになるものがあるのかどうか。またそれを使ってどのような遊び方ができるのか。現在は「どどんとふ」が主要なオンラインセッション用の環境となっている。これらの適性については、色々と試してみながら自分の手法を考えてみるといいだろう。