■判定の取り扱い

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■判定の取り扱い

ここまでは文芸的なアプローチによるシナリオの構造論に触れてきた。しかしそれだけではテーブルトークRPGのシナリオを作ることはできない。ここでゲームシステム上からのシナリオ作成について考えていくことにしよう。

判定のタイプごとに適切なイベントは異なる

シナリオを作る際、ゲームシステム面から失敗しやすいのが、判定の取り扱いである。これについてはまずルールブックを良く読み、ルールを把握することから始めることが必要だ。

判定のタイプは第二章で解説したとおり、それぞれ得意とする表現、不得手とする表現がある。またゲームシステムのタイプによって異なる〈世界観〉も、判定による表現に一役買っている。そうしたルールの表現力に合わせて判定の機会を設定していくことで、そうした失敗を解消してくことができるだろう。

これは判定の意味を考える上で重要な要素だ。そのゲームシステムの〈世界観〉において、判定は何故行われなければならないのか。たとえば次のように区分する方法がある。

T1型
判定はゲームを楽しみ、勝敗を決するために行われる。
T2型
判定はその世界で起こりうる出来事を確認するために行われる。
T3型
判定は物語における出来事を演出し、また必要に応じて展開を左右するために行われる。

こうした基準を持つことで、判定を設定すべきタイミングも見えてくるだろう。

失敗されては困る判定の処理

シナリオを作る際、見落としがちなミスというものもある。特に、設定した判定にPCが失敗した際のケアを忘れ、シナリオの進展上、大きな問題となってしまうケースがそれだ。判定は乱数であるため、まず成功するだろうという判定でも失敗する可能性は常に存在するのだ。

シナリオの展開上、失敗されては困るような判定については、いくつかの対処法がある。まずはこれについて理解しておくことが、そうしたトラブルを回避する上で重要となる。

判定は自動成功とする
判定を行わず、その行為は自動的に成功したものと扱えば、こうしたトラブルは無くなる。根本的な対処法である。ただしゲームシステム上、どうしても判定しなければならない場合がある。そうした場合は次の方法を検討することになる。
判定の趣旨を「ダメージ管理」とする

判定は行うが、その成否に関わらず行為は成功したものとして扱う。ただし判定に失敗すると、相応のダメージを被るものとする方法だ。ダメージはPCの管理する資源や、あるいはゲームの状況そのものが悪化するかたちで与えられる。
こうした処理は、ゲームシステムごとに決められている場合があるため、よくルールブックを確認した上で決定しなければならない。

成功されては困る判定の処理

判定は、失敗されては困る場合もあれば、成功されては困る場合もある。絶対成功しないだろうというレベルの大きな修正を加えて判定を行ったら、クリティカルなどの偶然や、判定の成功率に関係するPCの特殊なデータなどによって成功されてしまい、シナリオの予定が狂ってしまうことがあるのだ。

こうした場合、判定自体を許可しないか、自動失敗するものとして処理する他ない。ゲーマーの間で冗談交じりに語られる「データがあるなら神でも倒せる」という言葉を忘れてはならない。

資源管理に関係する判定の重要度

判定の際に、PCのデータを把握しておくことは大事だ。それは成功率やその後の演出を決める上でも重要な要素となる。特にPCの資源管理に関係する判定には注意が必要だ。

たとえば使用回数に限りのあるスキルの使用を前提に難易度や修正値を設定した際、プレイヤーはその制限を重視し、スキルを使用しない可能性は十分にある。そうした資源管理に影響する判定の際は、判定の重要度をいかにして伝えるかに気を配らなければならないだろう。