†〈世界観〉について
テーブルトークRPGで使われる用語に、よく混同される「世界設定」と「世界観」というものがある。本書ではこれらは異なるものとし、特に世界観については再定義している。
世界設定とは、ゲームの舞台となる世界において、具体的に認識されている設定情報のことを指す。こちらは一般的な用例と変わらない。
対する〈世界観〉は、よりマクロなテーマやコンセプトを指している。ルールやデータ、世界設定などの土台となった理念は、必ずしも「設定」として明記されているわけではないが、そのゲーム世界における現実を理解するための基準となる。
ゲームシステムの〈世界観〉は、遊びの体験の中から漠然とした理解として認識されることが多い。こうした認識は過去のゲーム体験との比較から生まれ、その過程で得た情動によって評価がなされていく。だが体験による嫌悪を、〈世界観〉に由来するものと誤認してしまい、ゲームシステムの正しい評価を見失わせることがある。それはあなたにも、そのゲームシステムをデザインしたデザイナーにとっても不幸なことだろう。
新たな体験、新たな楽しみの機会を失わないためにも〈世界観〉の評価は冷静に、フェアであるよう心がけたい。その上であなたのプレイスタイル、マスタリング手法との相性を考えることは有用である。