■敵としてのNPC

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■敵としてのNPC

一口に「敵」と言ってもさまざまな種類がある。キャラクターの七つの役割におい
ては主に対抗者と敵対者が該当する。それらのおおまかな傾向と、それぞれにどのよ
うなゲームデータが必要となるかについて確認しておこう。

敵としてのNPCの種類

悪意ある者
PCの属する社会の構成員、または社会全体に対して悪意を持って危害を加えたり、活動を妨害したりする。悪意ある者たちには悪魔や怪物、悪霊、異種族、社会的な敵対者などといった知恵ある種族がほとんどだろう。
彼らに必要なゲームデータは、PCたちを害する方法と、PCたちが彼らを排除するために必要な情報ということになる。交渉や説得が可能な相手であるなら、彼らがなぜPCたちに危害を加えようとするのか、その事情についての情報もあったほうが良いだろう。なお、戦闘データは最初から戦闘による解決が企図されていない場合も、解決案が見つからなかった際に使用することになるケースはあるので、必要がないと思っても念のため用意しておくに越したことはない。
競合者
競合者はPC自身ではなく、PCが必要とするものと同じ資源(食料、水、その他さまざまな物資)を必要とし、それらを確保するために戦うことを辞さない。競合者は野生動物のようなものから、PCたちと同じ、または類する文明を持った種族など、さまざまである。
競合者が敵対するのはあくまで資源の保護と奪取を目的としている。そのため交渉もまた可能となる。戦闘用だけでなく、交渉に使用されるゲームデータも準備しておいた方がよいだろう。たとえば意思疎通のための言語やその他の手段、経済観念や価値観(主に資源の優先順位)、そして敵対する理由などだ。
ただし争っている資源が稀少であれば、交渉の余地はないかもしれない。そうしたシナリオの都合があれば、これらのデータは不要となる。
捕食者
PCやPCの同族、友好種族を食料や資源とみなし、襲い掛かってくる。捕食者は猛獣、あるいはモンスターと呼ばれる生物であることがほとんどだ。
捕食者は基本的に純粋な敵対者となる。意思の疎通をはかる必要もないため、ゲームデータも純粋な戦闘用のデータだけで十分だろう。ゲームシステムがサンプルデータを用意している場合は、それを参考にすれば良い。
ただしPCとPCの属する社会に、捕食者に代わりの食料を提供し、彼らを別のエリアへと移動させるなどの代案が出せる(そしてそれが認められる)のであれば、戦闘以外のデータが必要となる可能性もありうる。