タイトルに「(笑)」が付いている時点で“なんちゃって”論ですのでご容赦を。
唐突ですが、強固なテンプレートを保有する第三世代 TRPG が関東圏を基盤にする F.E.A.R. から生まれたというのは、笑いの文化から考えるとこれは当然のことだったということに私、気づいてしまいました!
ページの内容
お笑いの分析
関東と関西では、同じ「お笑い」でも大きな差があるように思います。
というのは、「スベる」ことに対するアプローチです。
関東のお笑い
関東の「お笑い」は、テレビ芸として発展しました。
関東圏の日常の中にはお笑いの含有率が低く、たとえばステージを観に行くような人は、一部のファンだけだったりします。多くの人々にとって、お笑いはもっぱらテレビで見るものになっています。関東ではお笑いはテレビ放送を中心に消費されています。
そしてテレビでは録画されたビデオが流されることが普通です。ですから客席の反応が分かりません。となると、堅実な最大公約数の芸が求められる傾向にあります。台本があり、リハーサルを行い、何度も何度もチェックされながら一つの形を作り上げます。それは「スベらないための形」を勉強し、構築し、鉄板の芸を作り上げるプロセスです。
これに適した笑いの芸に、たとえばコントがあります。
コントは舞台設定を整え、芸人は配役になりきって良く練った台本通りに進めます。
台本どおりの進めるのでイレギュラーは起こりません。
ですから重要になるのは台本の出来、そして芸の型をきっちり付けることになります。
関西のお笑い
対する関西の「お笑い」は、ライブ芸として発展しました。
関西圏の日常の中にはお笑いのステージがあり、また日常会話の中でもプロ・アマ問わず、笑いを取りに行きます。あまつさえ出来の悪い笑いには、ダメ出しをすることまで日常化している風がある。お笑いが日常的に、場所を問わず消費されています。その分、芸の摩滅する速度も速い。
そしてライブでは当然、客席で生の反応を前にしながらステージを行います。録画ではありませんし、ステージ回数も関東のテレビ放送ほど少なくは無い。しかも何度も来てくれるお客さんもいる。どんどん新しいことをやらなければ、すぐに飽きられてしまう厳しい環境です。そのため同じ台本であっても、客席に合わせてアドリブを織り交ぜていくことは、むしろ必須条件となります。
これに適した笑いの芸に、たとえば漫才があります。
コントのように舞台設定や配役の縛りはなく、あるいはとても緩いため、いつでもアドリブが可能になります。
アドリブは、言い換えればイレギュラーです。
そしてアドリブは良く練られたものではありませんから、もちろんスベることもありえます。
むしろそれは日常的に起こります。
ですから重要になるのは、客席に応えるアドリブの技術と、それがスベったときにフォローする「いじくり」の芸ということになります。
コンベンション志向とカジュアル志向
さて、なにか気付きませんか、両者の形。
そう。これはコンベンション志向の F.E.A.R. デザインと、カジュアル志向の SNE デザインの関係そのものなのです!(笑)
関東と関西では、そもそも「面白いもの」「面白さ」の認識そのものにズレがあることについては、ウケているお笑いの性質を比べても一目瞭然です。
もちろん最近は吉本の関東進出によって、関東圏でも関西風のお笑い芸が好きだという人も増えてきました。しかしまだ、お笑いが日常生活に溶け込むまでには至っていませんし、日常会話の中でのいじくり芸やネタへのダメ出しなども、アレルギー反応を示す人がすくなくありません。そういう意味では、関東と関西の間にはまだまだ無視できない差があると言えます。
関東 – F.E.A.R.- コンベンション
テレビ芸の性質は、頻度の少ないコンベンションでのゲームの性質に良く似ています。コンベンションのスパンは長く、また準備期間もそれなりにあるため、シナリオはよく練られたモノが持ち込まれます。そして参加者同士の間にも日常的な交流は無い、または薄いケースがほとんどなので、何を「面白い」と思っているか、何がやりたいのかといったコンセンサスも取れていない。
ですからコンベンションでは、録画番組のように最大公約数の、鉄板のシナリオが適しているといえます。
関西 – SNE – カジュアル
対するライブ芸の性質は、頻度の多いカジュアルでのゲームの性質に至近しています。回数が多かったり、そうでなかったとしても準備期間が短かったりして、シナリオはあまり練られていないことが往々にしてあります。そして参加者間の日常的な交流によって、ちょっとしたネタはコモンセンスになり、また好みの傾向や、遊びたいゲームの傾向についてのコンセンサスも容易に取れるわけです。逆に頻度が多いことで、コンベンションで鉄板の最大公約数的なシナリオには、すぐに飽きられてしまう傾向もあります。
ですからカジュアルでは、漫才のように局地的な、アドリブを利かせたシナリオが適しているといえるわけです。
あーもーホントごめんなさい
アホで済みません。
あ、石投げないで!