データの精査もしないまま『シルバーレイン』のランニングテスト。
レジュメも作ってる余裕がなかったんで、ルールブック身ながらあーでもないこーでもないやって。
シナリオも「訓練場で腕試し」*1[訓練場で腕試し] = 新しいゲームのランニングテストに使う簡易シナリオ。元は自作のシステムの運用テストのために用意した。本来は 18 パターンの状況処理と 3 回の戦闘を行うが、今回は時間の都合で 6 パターンの状況処理と 1 回の戦闘のみ。というだけの超シンプルゲーム。
とりあえず判定まわりと基本運用だけ追えれば十分ということで。
テストにつきあってくれたのは SW2.0 で「払暁の子ら」をやった面子。
ありがとうございました。
ページの内容
感想
面白いです。慣れるとかなりの速度が出せるシステムですね。
元々「心・技・体」能力値ゲームには慣れていることもあったんで、判定にどの能力値を使うのかを悩むこともなく。
ルールブックの解説コミック内で「同じ目的の行動でもアプローチ次第で使う能力値が変わる」という重要なポイントについて簡単に書かれていたのが功を奏し、みんな「どうすれば有利な能力値で判定できるか」を考えてプレーしてました。
その辺も面白い。
チャプターの概念
FEAR ブランドの各種タイトルで「フェイズ」とされているものに相当します。
ただ、これが面白いのは「チャプター開始時に、チャプターの終了条件を明示する」という点。
これがこのシステムの核であるロールカードと緊密な関係を持つことになります。
ロールカード補充はチャプター単位
通常、ロールカードを使用してもカードは補充されません。
カード補充は「運命の糸」というポイントを消費するか、さもなくば各チャプターが終了した時の「インターバル」でのみ行われます。
そしてこのゲーム、だらだら無駄な行動にカードを使ってると、どんどんジリ貧になる傾向があります。
ちょっと見てみましょう。
解析 : 行為判定におけるロールカード
行為判定について見てみます。
このシステムではキャラクターの能力値から算出される「判定値」と、ロールカードごとの「カードパワー」の合計によって、行為の達成値が求められます。
作成時のキャラクターの判定値は、だいたい 1 ~ 2 と非常に少なく、また幅も狭い。
行為判定はロールカード頼みということになります。
で、問題のロールカードですが。
とりあえずカードパワーごとの枚数と比率を調べてみますと……
- カードパワー「1」 = 18 ( 45.0% )
- カードパワー「2」 = 12 ( 30.0% )
- カードパワー「3」 = 9 ( 22.5% )
- カードパワー「4」 = 1 ( 2.5% )
こうなります。
あー、比率は余計だったかな。まあいいや。
とりあえず以下の
- カードパワー「4」のカードは万能の 1 枚だけ。
- それ以外のカードは 1 ~ 3 となっている。
これらを前提として覚えておいてください。
次に目標値ですが。
このシステムの、行為判定の目標値の例は以下の通りです。
- 適正な能力値 かつ 簡単な行為 = 3
- 適正な能力値 かつ 普通の行為 = 5
- 適正な能力値 かつ 難しい行為 = 8
- 不適切な能力値 かつ 簡単な行為 = 8
- 不適正な能力値 かつ 普通の行為 = 10
- 不適正な能力値 かつ 難しい行為 = 13
そして初期のキャラクターの判定値は 1 ~ 2 の非常にゆれの少ない幅。
おわかりでしょう。
判定値が 1 のキャラクターが「普通の行動」をとるためには、万能カードでもない限り 2 枚のカードが必要になってしまうのです。そして判定値が 2 でも、1 枚で目標値 5 をクリアするには「3」のカードが必要になります。
解析 : 「運命の糸」でカード補充
ロールカードは「運命の糸」というポイントを消費することで、1 点あたり 1 枚のロールカードを補充できます。
で、「運命の糸」ポイントの獲得方法ですが、それは使ったロールカードに書かれた「アクトワード」に準じたアクションを演出するか、カードにかかれたセリフを声に出して読むことで獲得します。
このとき獲得できるのは 1 回の判定あたり 1 ポイントだけです!
つまり、毎回 2 枚カードを使っていると、必ずジリ貧になるのです(笑)
あー長かった(ペキポキ)
チャプターの戦略性
以上の理由から、このゲームではあまり無駄なことをタラタラやってる余裕はありません。なるべく最短ルートを突っ切って、カードが切れる前にチャプターを終わらせることが、勝利への道になります。
このとき「チャプターの終了条件」が明示されているか否かというのは大きい。
それが明示されているのであれば、プレイヤーはカード枚数に応じて行動計画を立てることができます。「手札の中から必ず使うことになるだろうカードや切り札になるカードは残し、それ以外のカードでできることは何かと考えてみる」とか、「これさえ実行すればチャプターを終わらせることができるから、残りのカードでできるだけ調査を進めておこう」とかいった具合に。
もちろんそこまで考えなくても問題なく遊べますが、かつかつに遊びたいプレイヤーにはそんな遊び方もオススメです。
また、チャプター終了条件の例として挙げられている「タイムリミット」という発想も面白い。
ホラーの定番である「夜になると現れる」なんてパターンにマッチしてますね。
それに、なるべく情報を集めてみて、「もうカードが残ってないからあとは休憩してチャプター終了の時間まで進める」という行動を、この「チャプター終了条件:特定の時間」ではプレイヤー側から提案できるわけで。
シナリオ一本道じゃね?
チャプター終了条件が設定されていて、それが明示されるということは、シナリオが一本道なのではないかという意見も出るかと思います。
元々このゲーム、かなり表現範囲は狭いんですが(苦笑)
これについては一つの課題になりますが、今のところ僕がゲームマスターを務める際には「チャプター終了条件は〔運命予報士〕が語った可能性未来」と定義したらどうかと考えています。
可能性未来ですから、もちろん変わる可能性もあるわけです。
〔運命予報士〕について
〔運命予報士〕は、運命の糸と未来に起こりうる事件、そしてそれを解決する人材までもを見通すようです。で、その見通した運命に沿って人材(まあ PC ですわな)を派遣して、事件解決に当たらせる。そういう、いわゆる“Mr.Johnson”*2[“Mr.Johnson”] = ミスター・ジョンソン。『Shadowrun』に登場するコネクションの一つ。ランナーたちに“世の中の真実――つまり情報と厄介事”を持ち込むスペシャリスト。です(笑)
が、現実的には解決できるはずの人材が、失敗してしまう可能性もある。
つまり〔運命予報士〕も万能ではないわけです。
そういう存在からの「可能性としてのターニングポイント」として告知されたことにすれば、まあ間違っちゃっても構わないかなー(笑)、とか。
まとめ ~ 初プレーを終えて
アクトワードによるロールプレイ支援に注目が集まってますが、それ以外にも見処はあるシステムだと思います。
超伝奇モノと言うには地味なカラーが混じっていて、オールカラーで正直ちょっと読みづらいルールブック(笑)と相反して、案外落ち着いたゲームが遊べるなーといった感じです。
戦闘はなかなか派手ですが(笑)
まあ、僕自身が学園ホラーって結構好きで、昔から『真・女神転生RPG』だの『ゴーストハンターRPG』だの『放課後奇譚』だの遊びまくってたモンだから、久しぶりにこういうのが出てきてちょっとテンション上がっちゃってる部分もあります。
そして――『りゅうたま』のときもそうでしたが――総じてプラス要素ばっかり見てしまうクセがあります。別にセールスマンでもなんでもないんですが、「面白そう」とか「使ってみたい」と思った部分に集中してしまうので、色々と穴があっても気付かないことが多々あります。(穴なんか避けるか埋めるかすればいいんです。文句言う前に(何))
ですからまあ、話半分くらいに思ってもらった方がいいかもしれません。
そもそも徹夜明けだし。
もしコレ読んで面白そうと思って買って、やっぱりダメでしたーってコトになっても恨まないで下さい(笑)
あ、でもとりあえず自分は最低 30 回くらいは遊ぶ予定です。