[掌篇] 08 : あかずの間

 幼いころ、仲の良かった子がいた。
 あの子と遊ぶのは楽しかった。
 それが全てだった。
 大人になるにつれ、薄れていった記憶。
 誰もがそんな子はいなかったと言う、あの子。
 ぎゅっと目を塞いだ柔らかな岩戸、その向こう。
 ほら、後ろから声がするよ。
 だぁーれだ

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