[Game] 『勇者ヤマダくん』を遊んでみた

ラブデリックの木村祥朗氏*1僕らの世代だと「『moon』のゲームデザイナーの一人」といえば通じるかな?Onion Games)の新作RPGが出たというので、そりゃもうやらねばなるまいと早速ダウンロードして遊んでいるのですが。

それが『勇者ヤマダくん』という、スマホのゲームであります。

これがまた、往時のSEの妙味に懐かしみと心地よさを思い出させてくれたりするんですが、ゲームとしても良く出来たモンでして。

ちょっとそのゲームについて、特に意思決定まわりの話をチョロっと書いてみようかなと。

なお、当初Twitterに連投しようとしたんで各段100字ちょっとくらいになってます(笑)


『勇者ヤマダくん』プチレビュー

基本はハッスラ(シレン系ローグライク)

このゲーム、基本となるのはハック&スラッシュ。で、その方法は“ダンジョンの各フロアを、スタートからゴールまで一筆書きでルート予約する”というもの。その過程にある「アイテム入手」「敵との戦闘」「障害物の除去」「トラップ」は原則自動的に処理される。

準備は大事

ダンジョンはランダム生成だがマップの大きさ、フロア数、およびボスフロアの形状は決まっているため、装備やアイテムなどの準備(ビルド)は非常に重要な要素となっている。

ルート設定

戦闘によって経験値を得、それによってレベルアップもする。レベルアップによってHPリソースは満タンに回復する。これはある程度慣れれば、ルート設定の段階で想定しておくことも可能となる。そのため高レベルダンジョンに挑む際には疎かにできない要素となる。

一筆書きのルート設定にも妙味がある。フロアの全タイルを歩けばボーナスとして金やアイテム、合成素材などが手に入る(ランダム)。しかしルートによって不都合、不利もある。支援役はいち早く倒したいが、そうするとパーフェクトボーナスが狙えない、などだ。

アイテム

ダンジョンには5個までアイテムが持ち込める。これは進行中どのタイミングでも使用できるため、自動進行中も判断の必要がある。アイテムにはチャージタイムが存在し、一度使用すると数ターン(多くは10ターン以上)同一アイテムは使用できなくなる。

もちろん同種のアイテムを二つ以上持ち込むことは可能なので、多用するアイテム(敵を一網打尽にする飛び道具や攻撃魔法、攻撃を回避する防御魔法など)を複数持ち込むことはある。なおアイテムは使用する毎にチャージタイムが増え、一定回数使用すると破損する。

装備スキル

装備に依存するスキルによっても戦術は変化する。たとえば「ノックバック」は確率で攻撃した敵を一歩後退させるスキルだが、これで敵を穴に落とせばHPに関係なく倒すことができる。自分が通過したタイルは全て落とし穴になるため、マップ次第ではボスすら落とせる。

補記

その他、トラップや敵スキル(HP回復や状態変化、強攻撃、敵召喚、入れ替わりetc…)などによりゲームの状況は様々に変化する。またフロア開始時に限り、一部リソースと引き換えに撤退もできる。死ねば拾った新装備などを全て失うため、この判断も小さくない。

他にも拾ったアイテムを合成して装備を強化し育てる要素、一度しか入れないスペシャルダンジョン(発生後24時間以内にパスワードを入力すれば他プレイヤーも挑戦できる)などの要素もあるが、その辺りについては今回は割愛する。

まとめ

まとめると「準備(武装&アイテム)」「ルート設定(一筆書き)」「意思決定(アイテム使用)」の三要素を軸に、ローグライクゲームの発展形のひとつとして洗練されたゲームデザインになっている。(ただしローグライクの「開拓*2見えない領域を想定して行動する」要素は薄い*3マップ内に隠されたエリアはあるので無いわけではない。


……とまあ、こんな感じです。

他にも有料アイテムの話だったり、最初に触れたSEをはじめとする音の話だったり、ユニークで謎めいたキャラ立てだったり、色々と面白い要素がありますので、AndroidまたはiOSの端末がある方は、是非。

References

References
1 僕らの世代だと「『moon』のゲームデザイナーの一人」といえば通じるかな?
2 見えない領域を想定して行動する
3 マップ内に隠されたエリアはあるので無いわけではない。