[chat] 20090506-7

2009/05/06 [7]

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玄兎
「そうなんだよなあ。ブランドイメージを落とすのは、致命傷になりかねないし。狭い市場だからネガティブキャンペーンに弱いし」
シノフサさん(仮)
「やっぱりそこに行き着いちゃうんだ」
玄兎
「行き着くねえ。色んなバリエーションのコンテンツを扱うには、それだけ裾野が広がらないと始まらない。市場が狭いとどうしても偏りが出るから冒険ができなくなる。新しい視点から新しい価値が作り出されるまでの間、パターンを使いまわして属性編集をかけたキャラ売りで凌ぐしかなさそうな感じ」
シノフサさん(仮)
「なんか悲観的」
玄兎
「広告戦略なんですよ。要は。誰の言葉か忘れたけど、大衆はあらすじを知ってから映画館に足を運ぶっつー話があって、エンジェルなんかもそうだけど、要するに事前情報がまったくないところに投機的な行動が出来る人間っつーのは好き者に限られると」
シノフサさん(仮)
「第一印象が大事ってことでいい?」
玄兎
「そんな感じ。もっと言っちゃえば先入観かな。TRPGもさ、事前情報なしに新作ゲームを買うってことは滅多になくて。まあ買う人もいるんだけど(笑)」
シノフサさん(仮)
「買うよね?(笑)」
玄兎
「あい(笑)」
シノフサさん(仮)
「買うじゃん(笑)」
玄兎
「だからそういう人もいるんだって。いるけどまあ、全体的には少数なんよ。元々あれだ、高額のルールブックはグループで1冊あれば足りちゃうケースも少なくないわけで、そうするとグループで何を買うか相談するわけだけど、その相談材料として前情報が必要になる」
シノフサさん(仮)
「うん」
玄兎
「もちろん前情報なしに買ってる人もいるし、うちでも僕とかケイさんあたりは放っておいても買うものは買っちゃうんだけど、僕らは研究資料として必要な時にすぐ調べられる環境にするために買ってるんでね。そういうクリエイターサイドにいる人間と、あとはコレクターを除くとまあ滅多には買わないでしょ」
シノフサさん(仮)
「それでも時々買う人いるじゃん?」
玄兎
「いるねえ。こないだも遊びたいっつーてルールブック持ってきた子がいた(笑)」
シノフサさん(仮)
「あ、本当にお供えされてんだ」
玄兎
「なんじゃそりゃ」
シノフサさん(仮)
「旦那にルールブックをお供えするとGMやってくれるっていう噂。知らない?」
玄兎
「知るか(笑)。誰だそんなデタラメ言ったの」
シノフサさん(仮)
「知んない。私はタクさんから聞いたけど」
玄兎
「タク、さん? あー、あんの馬鹿娘。ったく」
シノフサさん(仮)
「うそ情報?」
玄兎
「ガセですよそんなの。十年前ならまだしも、今はルールブック読み込む時間だって作るの大変だし。前にブルフォレやったときの話だと思うけど、ありゃ旧版を遊びこんでたから出来たんであって。予定も組んでない状態でルールブック渡されたって、睡眠時間を潰しながら読まないといけないから。しかも今、ほとんど右手使えないし」
シノフサさん(仮)
「でも旦那、タクさんに頼まれたら断らなさそう(笑)」
玄兎
「そりゃあーた、可愛い子に頼まれたら断らないでしょ」
シノフサさん(仮)
「男として?」
玄兎
「人間として(笑)」
シノフサさん(仮)
「(笑)馬鹿だよねえ」
玄兎
「いやでももしこれ文字起こしすんならこの辺はカットしといてもらわないと俺がやばい(笑)」
シノフサさん(仮)
「大丈夫。後でちゃんとショウコさんに伝えとく(笑)」
玄兎
「お前ね、あいつ怒ると怖いんよ?」
シノフサさん(仮)
「話を戻そう」
玄兎
「おい」
シノフサさん(仮)
「どこまで戻そっか?」
玄兎
「勘弁してくれさい。えーと、結局なんの話だっけ?」
シノフサさん(仮)
「落語の話は大岡越前を見てみるから。ルールブックとか前情報とか」
玄兎
「ああ、それね。要は前情報が少ないほど投機的になるってことですよ。んでね、投機的ってことは一般的に、初期投資の額が多ければ多いほどリスクが大きくなるってことだから、高額商品になるほど事前情報がものを言うようになるってこと」
シノフサさん(仮)
「だから逆に初期投資の額が少ないほどリスクが少ないから、事前情報が少ないものは要求する初期投資額も抑えていかなくちゃいけないってことでしょ?」
玄兎
「そうそう」
シノフサさん(仮)
「先に見せられる情報の量を増やせれば、その分だけ初期投資額を上げられる」
玄兎
「ゲームの体験版の配布、最近のコンテンツビジネスの、さわりだけ再放送、無料配信なんてな、まさにそれだよね。ただ、これをコンテンツビジネスでやる場合、二つの要件がある」
シノフサさん(仮)
「どういう要件?」
玄兎
「えーと、事前情報の」
シノフサさん(仮)
「ちょっと待って。考える」
玄兎
「どうぞ」
シノフサさん(仮)
「ひとつは、情報が魅力的でないと駄目ってことでしょ」
玄兎
「うん」
シノフサさん(仮)
「もう一つは?」
玄兎
「魅力的な情報ってのと根は同じなんだけど。全部は見せない」
シノフサさん(仮)
「(笑)体験版だもんね」
玄兎
「そうそう。投機はあくまで投機なんで、あくまで先物買いでしょう。アミューズメントパークの入場料なんかもそうだけど、初期投資に見合ったもんが得られるかどうかっていうのは常に未知数でさ。だからイメージ戦略がものを言うわけで」
シノフサさん(仮)
「ディズニーとか」
玄兎
「ディズニーとか」
シノフサさん(仮)
「はい質問」
玄兎
「どうぞ」
シノフサさん(仮)
「事前情報って完全にコントロールできる?」
玄兎
「そりゃ出来るでしょ。機密漏洩の可能性はあるけど」
シノフサさん(仮)
「そうじゃなくって」
玄兎
「違うのか。えー」
シノフサさん(仮)
「群盲、象を撫でるとか言うじゃん?」
玄兎
「ああ、お客さんの方か」
シノフサさん(仮)
「そうそう」
玄兎
「そのコントロールは難しいんじゃない?」
シノフサさん(仮)
「だよねえ」
玄兎
「うん。だから逆に、情報に込めた内容が読み取れる人がターゲットユーザになって、えーと、つまりこう読み取り能力の高い人は、そこに魅力を見出せる率が高いから、価格が高くてもリスクよりリターンを期待して投資できる。そうでない人は、価格が安くてもなおリターンよりリスクの方が高いと感じて手が出ない」
シノフサさん(仮)
「だからコアユーザーは何でも買っちゃうんでしょ(笑)」
玄兎
「だね」
シノフサさん(仮)
「だからTRPGってオタク向けなのかな?」

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