朝、床屋にいったら休みだった。
曜日感覚が薄いとコレだから困る。
仕方がないので読みかけの『少年時代』(ロバート・R・マキャモン)を読んで時間を潰す。
そろそろ開店時間だので、子供の頃に通ってた美容院まで足を伸ばした。
(当時は近所に床屋がなかったのだ)
で、入るなり笑われた。
小学校時分の同級生が、ハサミ持ってやがった。
こないだ病院で会ったばかりだったので、バレてしまったのだ。
「なにお前、美容師だったの?」
「前にカリスマ付けろよ。使命はナンバーワンだから」
「じゃあ忙しいな。他の人にやってもらうよ」
「魔に受けるなよ、嘘だよ。いいから座れ。整えればいい?」
「もちょっと短くしちゃって」
結局、全部短くすることになった。
一房だけ短くなってた前髪のお陰である。
ホントに切った記憶ないんだけど。
あとアレだ、言葉遣いに気をつけろ M 江。評判落ちたら困るだろう。
それなりに綺麗に整ったので、満足してレジへ。
「お会計、3,800万円になりまァす」
「ゴゴイチのオバチャンか、おのれは」
5,000円札を出して、置いてあるガム一つもらって帰った。
近所の床屋なら散髪+シャンプー髭剃りで 1,800円だ。
駅前の QB なら 1,000円である。
やっぱ美容院は高い。
営業回りしてた頃には必要経費と思ったけど、今は外出ないしなァ。
帰ってなんとなく原稿用紙を見る気分ではなかったので、本を読むことにする。
リストにしてみる。
- 『生きる』 乙川優三郎
- 時代小説を読みなれてないと分からない言葉が多い。まあでもそれは好きなら勉強するし、面倒なら読まないし、それくらいでいい。普通に面白かった。
- 『いま、会いにゆきます』 市川拓司
- 小説として上手いのかもしれない。でもキャラクターを理解しようとすると、途端に恐ろしく拒絶反応が。純真さも善し悪しではないかと。
- 『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』 米原万里
- 読物的にはイマイチだけど、個々にズシリと重い言葉がある。元々ノンフィクションだから、別に読物性は二の次でいい。深くて重い。
- 『泥棒日記』 ジャン・ジュネ
- ジュネですね。ものすごくジュネです。それ以上、言いようがない(笑)
- 『二十歳の原点』 高野悦子
- 勿体無い、という言葉は失礼かもしれないけど、これホントに本人の執筆か? と思うくらい濃くて重い。疲れるけど響く。
- 『人形の旅立ち』 長谷川摂子
- 著者を知らなかった不明を許してもらいたい。これはものすごい良質なファンタジーではないかと。本邦の児童書では小川未明以来のツボ。
- 『バイブを買いに』 夏石鈴子
- なんかまあ男が読むモンじゃねえのかな、とか思いつつも通読。ひどい言い様だが、うっとうしさが面白い。直球だし。
- 『ビーチ・サンダルで告白した』 喜多嶋隆
- 喜多嶋隆は軽さが心地良いと思う。誰にでも「読んでみ」と言える軽さは、貴重じゃないか。それにしても、まっすぐだ。羨ましい。
改めて見返すと、ジャンルにまとまりがない。
僕は本読みとしては速読派で、代わりに何度も復読するタイプなんですが。
今日読んだものは、ほとんど近日中に読み返すんじゃないかと。
面白い本が多くて良かった。