[chat] 20090506-17

2009/05/06 [17]

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シノフサさん(仮)
「トラブルを吸収する関係が作れればいいってことでいい?」
玄兎
「そうだね。それでいいと思う」
シノフサさん(仮)
「それと旦那のプレースタイルって、何か関係ある?」
玄兎
「ていうと?」
シノフサさん(仮)
「レトロな、シミュレーション志向、だっけ? のマスタリング。レフェリング?」
玄兎
「ああ、あるある。関係大有り」
シノフサさん(仮)
「どんな?」
玄兎
「話題増やしとか? やりたいことを相談するとか、どんどん自己主張するとか、たまには他の人のガス抜きに付き合ってあげるとか」
シノフサさん(仮)
「ガス抜きね(笑)」
玄兎
「そう。なんつか、万年かっこいい正義の味方プレーばっかりしてたら、飽きねえかなあとか思っちゃうんよ。僕はマスターで色んなNPC出せるからいいけど、PCってパターン狭いしょ。あんまり酷いこと出来ないようなイメージあるし」
シノフサさん(仮)
「それでダーティキャンペーンとかやってるわけ?」
玄兎
「いやまあ普通のセッションで悪事を働いても、僕は咎めないけど(笑)。淡々と処理して、頭の中で統治機構をフルに動かして、警察やら兵隊やら民衆やらを出動させるだけだし(笑)」
シノフサさん(仮)
「もしかしてそれで民衆暴動とか起こる?(笑)」
玄兎
「起こるよ。ほら、たまに旅先の村でものすごい冷遇されるイベントとかあるでしょ」
シノフサさん(仮)
「あるある」
玄兎
「あれ前に他のPCが悪事働いた村(笑)」
シノフサさん(仮)
「(笑)なんかあったねそんなシナリオ」
玄兎
「そ。ちゃんと情報収集すると、村は確かに救われたけど、その後の宴会でひどいことしたやつがいたとか、ゴブリンとの戦闘で畑荒らされたとか、そういう話がごろごろしてる(笑)」
シノフサさん(仮)
「ひど(笑)」
玄兎
「後で仲間内で話のネタになるっしょ」
シノフサさん(仮)
「あれシゲさんだっけ。おれおれって。お前かーって(笑)」
玄兎
「単発でいい話をする、っていうのもいいかもしんないけど、僕はそれよかセッション後に馬鹿話のネタになるようなシナリオの方が好きで。それに過去のセッションのネタを使えば、シナリオ考えるのも、プレイヤーのテンション上げるのも楽だし(笑)」
シノフサさん(仮)
「途中までいい話だったのに、最後でぐだぐだ(笑)」
玄兎
「あと、そうしておくとセッションの参加率も上がるし、あるいはゲーム外でもゲームの話になったりして二度美味しい。過去のセッションのイベントを小ネタに使って、それに参加者した何人かだけが分かると、他の人は気になるっしょ? んでまあ、プレイヤー間でも面白かったセッションの話が広がって、参加してればってことで引っ張る(笑)」
シノフサさん(仮)
「なるほど」
玄兎
「やりすぎは排他的になるんで、ほんと小ネタ程度で十分だけどね。これはあれね、コモさんが得意にしてたテクニックなんで、僕よかコモさんに聞いた方がいいかも」
シノフサさん(仮)
「はい質問。そのマスタリングの欠点は?」
玄兎
「ひとつは、社会をシミュレーションしないといけないのが大変。アドリブでどんどんシナリオを書き換えていかなくちゃいかんし。プレイヤーの思いつきで、あっさりシナリオ180度回頭するし。この辺は僕はトラベラーとガープスやりこんで鍛えられた(笑)」
シノフサさん(仮)
「好きだねえ(笑)」
玄兎
「(笑)大好物です。あとはそうだな、なんせイベントをアドリブでどんどん精製していくから、演出力とか物語構造とかの理解が必要。これについてはめんどくさいプロップなんてレベルじゃなくて、もっと単純に色んな作品からパクれれば十分だと思うけど」
シノフサさん(仮)
「ふんふん」
玄兎
「あとはまあ、一番大きい欠点だけど、シナリオが起承転結整ったものになるとは限らないってこと。シナリオ準備してドラマカーブ作っておけば、そりゃあライン上にいる限りは綺麗な話になるけど、アドリブの色が強いとドラマカーブを書くのも一苦労なんで、その辺はまあ相対的に成功率が下がる。ハンドリングのスキルが必要」
シノフサさん(仮)
「つまりマスターのスキル次第ってこと?」
玄兎
「マスターってか、プランナーかなあ。ほら、うちはプレイヤーからシナリオの要望出してもらうっしょ」
シノフサさん(仮)
「よそではあんまりやんないみたいな?」
玄兎
「らしいね。なんでマスターが1人でシナリオ作らにゃならんのかとか、毎度思うんだけど。プレイヤーからオーダーもらった方が、最初からモチベーション高めにいけて良いと思うんだけどねえ。あと譲り合いじゃないけど、その日に目立てなかった人を次にプッシュするとか、そこでフラストレーション溜まった人のガス抜きとか、そういう話をセッション外とかで出来れば、はまり度も増してなお良しとか(笑)」
シノフサさん(仮)
「ガス抜きにこだわるじゃん」
玄兎
「まあガス抜きそのものにこだわってるっていうより、ガス抜きを認められる関係とか環境の方が大きいかな。何でも許されるって言うのはまあ、逆に弛緩しちゃうけど、なんでもかんでも縛られてるとこう、自由に遊べなくなるからさ。出来ることが限られると、天井も低くなるし」
シノフサさん(仮)
「プレイヤーの無茶振りを断らないのも、それ?」
玄兎
「まあ、そうかなあ。マスターの拒絶っていうのは決定事項だから、その先が無いでしょ。それじゃあそこから先はなにも生まれないわけでさ。プレイヤーがピカレスクプレーをやろうとして、それを制止するのもプレイヤーであって欲しい。他のプレイヤーからの評価が変わるリスクを負ってもやりたいか、とかの判断は自分でするべきだし、頭っから押さえつけられて平気な顔できる人ってのも、まあ多くは無いし。それでもまあフラストレーション溜まることはあるから、そういうときはガス抜きセッションやるし、プレイヤーも自分が好き勝手なことやらせてもらったら、次は迷惑かけた他の面子を立てるセッションを、とか気遣いが出来ればトラブルも回避しやすいっしょ」
シノフサさん(仮)
「性善説? ほどじゃないか。悲観的なところもあるし」
玄兎
「悲観的なのは性分だから(笑)。コンベンションみたいな環境では通じないし、1回のセッションだけで一切合財決着をつけなかったり、とにかく今の流れからは逆向きの、古臭くて説教くさい話なんだけどね。まあ気の長い人間の考えることだから(笑)」
シノフサさん(仮)
「(笑)」
玄兎
「マスタリングっても、そんなに難しく考えないでいいと思うんよ。最初はほんとに市販のシナリオとか使って、GM初心者のラベルを最大限に利用して、経験を積んで。トラブルを吸収できる環境ってのと同じで、マスターの失敗を許してくれる環境で遊べばいいだけでさ」
シノフサさん(仮)
「そういう旦那はどれくらい失敗した?(笑)」
玄兎
「100回じゃきかないくらい(笑)」
シノフサさん(仮)
「そんなに(笑)」
玄兎
「駄目出しされた回数がね。自分で失敗したなあと思ったのは、セッション回数では500回とか、もっとあるかな? 未だに3回に1回は失敗したなあと思うし。でもマスターの責任なんて、いいとこテーブルの3割くらいのもんで、残りはプレイヤー側の責任が6割、システムが1割だとも思ってる(笑)」
シノフサさん(仮)
「ひど(笑)」
玄兎
「プレイヤーの方が人数多いんだし、それに成功に寄与する比率も同じだと思ってるから。マスターの力なんて、いいとこそんなもんだと思うし。立場上あんまし公言しちゃいかんことのような気もするけど、マスター1人で盛り上げなきゃいけないとか、正直ふざけんなと思うし、普通に遊んでたらそれなりの確率で失敗はするよ(笑)」
シノフサさん(仮)
「それでいいのか(笑)」
玄兎
「それでいいのだ(笑)。あのね、マスターの最大の責任はセッションの場を設けることそのものっすよ。TRPGを遊びたい人のために場を提供する、環境装置としてのゲームマスター。楽しませるってのは二の次三の次、四の次くらいの話。人が楽しめるかもしれないチャンスを提供する、っていうのはすごい大きい仕事だと思うのね」
シノフサさん(仮)
「そういえば、小道具使いっていうのは?」
玄兎
「ああ、前にちょっと話したっけ。システムデザインの抽象軸、即興的な楽しみに関係することで、そこがシステムの責任1割の部分なんだけど、たとえばクリティカルとかファンブルの楽しみってあるでしょう」
シノフサさん(仮)
「ドキドキ感ってやつ?」
玄兎
「そうそう。一発逆転を狙って賭けに出るとか、予想外にファンブルしたり、あるっしょ。可能性はゼロじゃない」
シノフサさん(仮)
「ストップウォッチとか、タロットカードとか、おみくじとかも」
玄兎
「全部そう。ドキドキ感を演出する小道具。まあストップウォッチはそれだけじゃないけどね」
シノフサさん(仮)
「て?」
玄兎
「タイムリミットを設定して、緊張感と、クリア出来たときの達成感を大きくする」
シノフサさん(仮)
「サワさん、心臓止まるかと思ったって(笑)」
玄兎
「ああ、デスゲームの時か。作戦会議のカード2枚切って、ぎりぎりだったんだけどね。クリアしたときガッツポーズしてた(笑)」
シノフサさん(仮)
「サワさんが?」
玄兎
「そう。あいつが。あれで結構熱いんよ、あの子(笑)」
シノフサさん(仮)
「見たーい」
玄兎
「一緒に遊んでれば、いつか見れるよ」
シノフサさん(仮)
「うん。マスターやんなきゃなあ」
玄兎
「だから気楽に構えていいって。TRPGのマスタリングなんて、基本的には宴会芸なんだから」

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