[chat] 20090506-18

2009/05/06 [18]

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玄兎
「だから気楽に構えていいって。TRPGのマスタリングなんて、基本的には宴会芸なんだから」
シノフサさん(仮)
「宴会芸って(笑)」
玄兎
「またこんなこと言うと、真面目に研究してる人に怒られそうだけど、狭いコミュニティの中で楽しませる技術、って意味では共通点多いと思う。関西の芸人さんてとさ、まず学生の頃に学校でおもろいやつ、って評判だったケースがけっこうあるのね。実際は毎年そういう人が何百人とかいると思うんだけど、そういう人が、じゃあステージに上がって誰の笑いでも取れるかっていったら、そういう人間は本当に一握りでね。あとはまあ、その学校の中で面白いってタイプなわけ」
シノフサさん(仮)
「物真似の名人とか?」
玄兎
「そうそう。学校の先生の物真似とか、ローカル環境でしか通じない笑い。微妙すぎて分からない物真似とか(笑)。でもまあそれでも確実にその人を楽しませられるなら、それでいいっしょ。小説にせよ漫画にせよ映像にせよ音楽にせよ、それ以外でも表現活動ってのはまず、最初は自分が興味のあるものをコピーするとこからだし」
シノフサさん(仮)
「ああ思い出したくない(笑)」
玄兎
「どんなの書いてた?」
シノフサさん(仮)
「黒歴史(笑)」
玄兎
「(笑)まあ俺も最初はそんなんだった。で、それを他人に読ませることを考えて書くようになると、読ませる相手の好みとかも考えて書くようになるっしょ?」
シノフサさん(仮)
「今でもやっぱり、最初に読んでもらう担当さんのことは考えるし」
玄兎
「うん。まあその担当編集が、ちゃんとターゲットユーザの視点で読んでれば、それで問題ないっす。んでまあとにかく、そうして少しずつターゲットユーザの範囲を広げていく。宴会芸ってのは、その範囲が身近なところとか、特定コミュニティに収まってる芸のことね」
シノフサさん(仮)
「うん」
玄兎
「で、そこから更に範囲を広げて、不特定多数を対象にするあたりで、ようやくパターンとかナラトロジーとか、そういう一般化技術の話が出てくると思うんよ。でもTRPGのGMって、実際には不特定多数を相手に遊ぶことなんて、まあ滅多にないっしょ」
シノフサさん(仮)
「大きいサークルとかだったら?」
玄兎
「確かに。オンラインのセッションサイトなんかで、えらい数の人間の中から集めるときなんかも、確かにある程度の一般化ってのは必要なんだろうけど。ただまあ突発セッションでもなかったら、対策できる。事前のミーティングとかで、相手の好みとか聞いておけばいいんだから」
シノフサさん(仮)
「不特定じゃなくするんだ。それでコミュニケーション」
玄兎
「うん。あとは適当にセッション中に、参加者の好きなネタを織り交ぜてたり置換したりすれば、シナリオの内容なんかは特にひねらんでも、オーソドックスなものでも、十分楽しめるもんだから。マスタリングスキルとかシナリオデザインの技術とか、構造論で語ることはもちろん出来るんだけど、それは不特定多数向けの無難なものを作るための方法論だし。ハリウッドだわ」
シノフサさん(仮)
「だったら参加する人たちの好みとかを聞き出すみたいな、ありきたりのコミュニケーションの方が大事ってことね。だからワークショップでも、シナリオ作る話はしなかったんだ」
玄兎
「ご名答。シナリオは、出来合いのものを適当に加工できればとりあえず十分だと思うんで。ソードワールドならシナリオ集も多いし、オーソドックスからトリッキーから、大体のネタが揃ってるから、あとはそれを実際に使うシステムにコンバートできれば、あっという間に何十本ものストックが(笑)」
シノフサさん(仮)
「なんでソードワールド選んだの? システムちょっと癖がない?」
玄兎
「確かに。ただあれだよ、今でも古本とかで探しやすいのと、繰り返すけど本数が多いってのが、強みだと思った。あと単純に僕が古本屋で見つけるたびにサルベージしてるから、貸すならなんぼでも、ものによってはあげちゃっても問題ないってのも大きい(笑)」
シノフサさん(仮)
「何冊買ってんのよ(笑)」
玄兎
「わかんない。数えたことないけど、たしかそこの棚2段分、シナリオ集並べて一杯になったから、50冊以上はあると思う(笑)」
シノフサさん(仮)
「あほだこの男(笑)。そうそう。それでその、宴会芸を極めるとしてね、グループがクローズドになっても構わないの?」
玄兎
「構わないんじゃない? コンベとカジュアルで、TRPGって別物だと思うし。開放的にビギナーを勧誘できるような環境ってのも、限られてるからねえ。もちろんオープン環境っていうのも大事なんだけど、それで変にプレッシャーを感じて人が減るくらいなら、環境自体はクローズドでも構わないと思う。とりあえず楽しく遊んでるよ、ってムードだけでも外に出してくれれば。ブログ書くとかさ」
シノフサさん(仮)
「でも旦那はその手の記事あんまり書いてなくない?(笑)」
玄兎
「(笑)言われちった。ぶっちゃけ書き方がよくわからん(笑)」
シノフサさん(仮)
「駄目じゃん(笑)」
玄兎
「(笑)面目ない。楽しそうな記事が読みたいのう。書きたいのう」
シノフサさん(仮)
「それでオリハタ先生と話してたような話に?」
玄兎
「そ。まあ今はどうやらブログとかより、ミクシィとかTRPGSNSとかの、限定環境の方が活発みたいで、なんかその辺でもクローズドのベクトル持ってるんだなあ、とか思うんだけど。とりあえずはどこでも適当に、パブリックな環境で発信してくれれば良いんじゃないかな」
シノフサさん(仮)
「それって遠まわしのPRってこと?」
玄兎
「そういうこと。関心持って検索したときに、偶然いいエントリに当たるかもしんないっしょ。はずれに当たるかもしれないけど、どんなのがその人の琴線に触れるかなんて、それこそ人それぞれなんだから、色んな言葉がある方がいい。あとは研究してる人たちとか、プロのクリエイターの人たちが見て、何かの参考にしてくれるかもしれないっしょ」
シノフサさん(仮)
「受身だねえ。らしくない」
玄兎
「いやいや、どっちにしろ活字ってのは受け手がどう読み取るかの違いだから。それにもちろん能動的に活動してくれたら、それはそれで拍手ものだけどね。そこまでは望まない。自分が楽しめる範囲で楽しんでくれれば、それが一番大事。ああ、そろそろ時間か」
シノフサさん(仮)
「あ、もう? おつかれさま」
玄兎
「シノこそ、今日はいつも以上にありがとう。あとはオペが成功して、回復したらってことで。ああ、よかったら夕飯食べてく?」
シノフサさん(仮)
「(笑)ゴチです」
玄兎
「じゃあこんなところで」

⇒End.

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