[chat] 20090506-13

2009/05/06 [13]

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玄兎
「システムを作るときにね、何を支援するのかっていうのが大事で」
シノフサさん(仮)
「支援?」
玄兎
「たとえば今の話で言うと、楽しさを支援したり、まとまりを支援したり」
シノフサさん(仮)
「ふんふん」
玄兎
「TRPGってまあ、システム使って遊ぶと自分だけの物語が作れますよー、ってのが定番だけど、なにげにこの物語の定義がよく分かってない。まあ一般的にはラノベかマンガかアニメか、その辺をエミュレートできるって方向性だけど、システム側でTRPGで作れる物語はこういうものですとかって定義をしてないものがほとんどで、まあとりあえず殴り合いが出来ますよ、くらいのものでもTRPGを名乗ったりしてる。殴り合えば物語なのかって言うと、そんなことは無いと思うんだけど」
シノフサさん(仮)
「戦闘は大事だけどね」
玄兎
「(笑)プレイヤーが戦いたいのを咎めるほど、シナリオ押し付けないから大丈夫だって」
シノフサさん(仮)
「ならいいけど(笑)」
玄兎
「ウォーモンガーめ。えーと、それでまあTRPGがドラマティックな物語を作るためのものだとするなら、ほぼ全てのシステムはそれを支援できてない。何でかって言うとドラマティックな物語を作るためのセッションの展開がGM任せだから。たまにプレイヤーがやってる場合もあるけど(笑)」
シノフサさん(仮)
「テンプレイとか」
玄兎
「アルシャードガイアのリプレイでもNPCの台詞をプレイヤーが決め打ちしてたりしてるんで、もしかすると普及してきてるか普及させようとしてるか、なんかあるのかもしれない。個人的には結構好きなアプローチなんだけどね。マスターが楽できる(笑)」
シノフサさん(仮)
「とことんだらけてるなあ(笑)」
玄兎
「PCのモチベーション管理をマスターがやんなきゃいけないってのは、結構大変なんだよ。そういう意味ではプレイヤーからNPCをコントロールしてPCのモチベーションを管理しようとしてくれるのはありがたい。ストーリーテリングを考えた場合も、場面ごとの演出が一貫するんでやりやすいし。そういう意味では、あれはシナリオクラフトと同じGM不要セッションの一里塚じゃないかと思ってる」
シノフサさん(仮)
「あれってそんなに大きいことなんだ」
玄兎
「大きいよ。旧来型の常識で見るとネガティブな意見しか出てこないし、僕もまあ従来の遊び方をしてるときにやられるのは嫌なんだけど。具体的なゲームの状況をマスターが厳しく管理しないような、抽象的な数理ゲームとして遊ぶ場合は全然構わない。ソリティアになる可能性も高いんで、扱いには十分注意が必要だけど。んでまあそれはいいとして、そういう意味ではシナリオクラフトって、ドラマ性が少ないとかボードゲームっぽいって言われてそうだけど、少なくともドラマティックな物語を描くための基盤作りには寄与してる。ハンドアウトテンプレートとかも悪くない」
シノフサさん(仮)
「シナリオクラフト面白いよねえ。最近よくやってる」
玄兎
「リレーGMで?」
シノフサさん(仮)
「やってるやってる。時計回りでGMとシーンプレイヤーが対面になるようにぐるぐる」
玄兎
「いいなあ。あとでデータくれる?」
シノフサさん(仮)
「まとめてからでいい?」
玄兎
「ありがと」
シノフサさん(仮)
「うん。でもあれマスタリング上手い人とそうじゃない人がいるじゃん?」
玄兎
「苦手だって人は無理にやらせなくてもいいと思うよ。ま、でも最初から苦手苦手で逃げちゃうと、一生GMできなくなるからなあ。できたら最初の何回かは判定基準出しと、テンプレテキストの読み上げだけやってもらって感覚をつかんでもらうとか、まあステップ考えて」
シノフサさん(仮)
「オッケー了解。あ、そだ。勧誘に使うからパールシード貸してよ」
玄兎
「ああ、はいはい。私家版がそっちの引き出しに入ってるから」
シノフサさん(仮)
「どれ? ここ? あ、こっち?」
玄兎
「そう」
シノフサさん(仮)
「開けるよー。これ?」
玄兎
「違う違う。それはモンスターメーカーだ。その下」
シノフサさん(仮)
「あ、これね。製本してあんじゃん」
玄兎
「A5版に編集しなおした(笑)」
シノフサさん(仮)
「馬鹿だ(笑)」
玄兎
「(笑)いやでもそれ馬鹿にならねえのよ。数理上の結果とコンクリテキストが併記してあるから、演出の仕方が分からない初心者さんはとりあえず、それアンチョコにするといいと思う」
シノフサさん(仮)
「てかなんで製本までしたの?」
玄兎
「いやあ、DTPの練習材料に色んなルールブックの私家版作ってたことがあってね。ボックスゲームはルールブックが大きくてちょっと取り回しが不便だから、日本の土地事情も考えてA5サイズくらいが丁度いいんじゃないかっつって色々試してて。んでまあ印刷したら折角だから製本しちゃえって(笑)」
シノフサさん(仮)
「(笑)それでこれ。暇人だねえ旦那」
玄兎
「学生時分は暇だったからねえ」
シノフサさん(仮)
「んじゃ借ります。売れそうなのに」
玄兎
「そりゃ違法だ。そうでなかったらとっくに売ってる(笑)」
シノフサさん(仮)
「海賊版になっちゃうか」
玄兎
「そゆこと。でなんだっけ、また脱線した(笑)」
シノフサさん(仮)
「(笑)なんだっけ? リレーマスターとか?」
玄兎
「シナリオクラフトだ。ああそうだストーリー支援の話だった」
シノフサさん(仮)
「そうだった(笑)。でも旦那、ハンドアウトとか評価してるみたいな口ぶりだけど、そのわりに滅多に使わないじゃん?」
玄兎
「ああ、そりゃ君んとこのグループには必要ないからだ。放っといたってみんな自分で作って来るっしょ。設定とか」
シノフサさん(仮)
「でもシナリオ作りこんだら有った方がいいんじゃない?」
玄兎
「どうだろうねえ。設定データを先にもらってれば、口頭でコンセンサスとっちゃえば足りるし。TRPGはセッションだけで楽しむもんでもないしさ。そういうの作ったり打ち合わせたりする時間からもう楽しめる。それが出来るのに捨てるのはもったいなくて。あとあれね、ハンドアウトって僕にとっては心理抵抗が高いんよ」
シノフサさん(仮)
「そう?」
玄兎
「ハンドアウトってまあ色んな見方があるけど、プレイヤーとマスターの関係だけで考えると、マスターから俺今日こんなシナリオやりたいんでよろしくって提案でしょ。なんかそれがリスク高くて嫌。おもろくならなかったら全部自分のせいになっちゃうし」
シノフサさん(仮)
「チキンだ(笑)」
玄兎
「チキン上等(笑)。なんかこう孤軍奮闘させられるようなイメージがあって、あんまり好きじゃないんよ。だったら設定はプレイヤーに組んでもらった方が、みんなでてんやわんや出来て好きっつか。それにほら、俺あれだよ設定マニアだから、ハンドアウト組んでシナリオと関連付けていくと、プレイヤーの要求に応えたときシナリオが崩壊しちゃうケースがあって」
シノフサさん(仮)
「そこは加減しなよ(笑)」
玄兎
「いや登場人物から全部決めていいってことになるとさ、脚本書いてる気分になっちゃうんよ。だったら最初から相談しながら作った方が、自分もコントロールしやすいし、コンセンサスもとれるからマスタリングするときも楽だし。あと僕はほら、プレイヤーの提案をわりと無制限に受け入れちゃうところがあって」
シノフサさん(仮)
「それはあるかも(笑)。よそで嫌がられる設定とかも平気でオッケーするし。サービスしすぎなんじゃん?(笑)」
玄兎
「否定はしない(笑)。ただマスターやってるときって独断で判定していくわけで、そうすっと最初っからこっちの要求をプッシュするのは、なんかバランスが取れない気がするわけ。先にプレイヤーから要求出してもらって、こっちが対応できない部分だけ削っていくような方法のが、少なくとも僕にとっては気兼ねなくマスタリングできるっつか」
シノフサさん(仮)
「そこで心のバランスとってるわけね。気にしすぎな気もするけど」
玄兎
「そうかもねえ。それとは別にあれもあるんだけどね、あのマスター側から一方的にプレイヤーを楽しませるっていうのが気に入らない。プレイヤーもマスターを楽しませて欲しいっつか(笑)」
シノフサさん(仮)
「もしかして旦那、プレイヤーが勝手に考えた設定とか出されて楽しんでる?」
玄兎
「うん。あれ楽しくない?」
シノフサさん(仮)
「(笑)たぶんそこ普通楽しむとかより困るとかの方が多いと思うんだけど」
玄兎
「そんな馬鹿な。好き勝手に散らかった設定をセッションの中でまとめあげていくのが楽しいんじゃないか」
シノフサさん(仮)
「それが旦那のマスター観? ワークショップのときの話ともちょっと違うみたいだけど」
玄兎
「あんときは設定のいじり方はちゃんと扱わなかったからね。ネタ方向でいじるのは意識しなくてもみんなできるみたいだったし。だからとりあえず場数を踏むための自信をつけてもらうのを第一目的に組んだんだけど。でも言葉にはしてなかったけど狙ってはいたんよ。なにやったか覚えてる?」
シノフサさん(仮)
「ルールの自習の方法でしょ。売ってるシナリオの読み方でしょ。あとはシナリオを読んで準備する方法と、あとあれ。ソードワールドのシナリオを他のゲームに書き換えるやつ」
玄兎
「ああ、シナリオコンバートもやったっけ。あとは?」
シノフサさん(仮)
「1シーンだけのセッション?」
玄兎
「そうそう。んでその最後のやつ、1シーンセッションで導入シーンばっかり何回もやったっしょ? あれ」
シノフサさん(仮)
「どういうこと?」
玄兎
「だからさ、導入って一番難しいんよ。キャラごとにモチベーションとかオピニオンとか違うから。で、そこんとこって大概キャラ設定に端を発してるから、導入でマスターの言い分を聞いてもらえるようにネゴれれば、散らかったものをまとめるってのの基本的な部分はクリアしてるって話」
シノフサさん(仮)
「言葉にしなかったのは何で?」
玄兎
「言葉にしなくても脳味噌が勝手に処理してくれるっしょ。それに場数を踏んで覚えることってのは、最初から意識してると出来ない分からないが先行して凹む人もいるから、まず何度か動いてみて、それでも何が出来てないのか分からなかった人にだけ教えれば十分だと思うんよ」
シノフサさん(仮)
「でもそれシナリオの準備段階から意識するのって難しくない?」
玄兎
「そのための導入の練習とダンジョンシナリオっすよ。問題を単純化してね、導入とダンジョン攻略の二つにしちゃうわけ。そうすりゃ考えることはどうやって導入するかと、どんなダンジョンにするかの二つだけでいいから、導入についても掘り下げて考える余裕ができるし、自然とキャラをどうやって導くかに頭を使うようになるし」
シノフサさん(仮)
「なるほど」
玄兎
「つっても実際わかんないけどね。マスタリングスキルについてワークショップ開いたのは初めてだったし、今まで課題だと思ってたことの答えとしてやってはみたけど、結果がどうなったかっていうのは今月のアンケートで聞いてみる予定」
シノフサさん(仮)
「また開く予定は?」
玄兎
「もう無理だろうねえ。うちの業界もかなり切羽詰って自転車操業もいいとこだし、そっちを先に解決してからでないとゲームもおちおちやってらんない。水平飛行に種まきもしなくちゃいかんから、ほとんど掛かりっきりになると思うし」
シノフサさん(仮)
「そういや新作は月末?」
玄兎
「あれ? あれは下旬。って駄目だこの話題は」
シノフサさん(仮)
「(笑)ほーい。じゃあ戻そ。えっとね、これだ。システム作りに大事なこと」
玄兎
「おお、真面目に戻った」

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