[chat] 20090506-11

2009/05/06 [11]

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シノフサさん(仮)
「あれ、あれ聞きたい。IMだっけ」
玄兎
「IM? インスタントメッセンジャー?」
シノフサさん(仮)
「ちがくて。NPCのアクションを出すやつ」
玄兎
「ああインテリジェントマテリアルか。あれでも別の意味で既に定着してるから、言葉としては使ってないんだよね。ためしにゲームに使ってみたら、魔王よばわりされたし(笑)」
シノフサさん(仮)
「そんなことが」
玄兎
「同じミスを昔にやってるんだよねえ、実は。主観的ストーリー上のキャラクターと、リアルライフのキャラクターとは根本的にロジックが違っててさ」
シノフサさん(仮)
「あれは基本的になにをやってるわけ?」
玄兎
「ん? 劇的改心のシミュレーション。人間が人格形成をするプロセスと、あるドラマティックなイニシエーションを終えた人間が、別人のように見えるからくりをコンピュータ上で再現できないか試してる」
シノフサさん(仮)
「でも人工知能って無理なんでしょ?」
玄兎
「ああ、うん。知能の認識が間違ってたんだろうな、っていう話は聞くね」
シノフサさん(仮)
「知能の認識?」
玄兎
「知能は知識じゃないんだよ。知恵の方がまだ近い。でも知恵でもなくて、知能っていうのは情報ではなく状態のこと。なんつったらいいか、反応のこと、でもいいかな。知能は合理性じゃあないってこと」
シノフサさん(仮)
「合理的な判断が知能じゃないってこと?」
玄兎
「なんつったらいいのか。理性主義だけじゃあ解明できないっつか。身体的な反応を無視することは出来ないとか、感情的、本能的な反応を見過ごせないとか、まあ理性主義の経済学の唱える経済人が実在しないようなもんかな」
シノフサさん(仮)
「それならわかる。で、そんなもんどうやってシミュレーションしてるの?」
玄兎
「別に完全な人格を作り上げようとしてるわけじゃないからさ、他の人格とコミュニケーションを取った時に、思考の海に浮上するキーワードと、選択肢の確率分布が変化するところが見られればいいんで」
シノフサさん(仮)
「で?」
玄兎
「1かける10の演算をしないで、1+1+1+1+1+1+1+1+1+1の計算をさせて、人生そのものをシミュレーションさせてんの。人格促成プログラムってか」
シノフサさん(仮)
「なんて馬鹿馬鹿しい(笑)」
玄兎
「馬鹿馬鹿しいよ。しかもむちゃくちゃ精度低いし(笑)。なんせ生育環境情報をアブストラクトして突っ込まないといけないんだけど、そこんとこは手作業だから、構成要素をちょっとでも忘れるともうまったく別の環境で育った人になっちゃう(笑)」
シノフサさん(仮)
「そんなもんに何の意味が(笑)」
玄兎
「自分を納得させるためかなあ。結局さ、ストーリー上に登場する人間ってものすごい合理的ってか、ストーリーに必要なことしかしないでしょう。でも人間ってそういうもんじゃないでしょ? なんかこう、嫌なわけですよ、自分に都合よく動いてくれちゃうキャラクターが」
シノフサさん(仮)
「なんで(笑)」
玄兎
「エゴを持たない人間って気持ち悪くない?」
シノフサさん(仮)
「わかんないでもないけど。もしかして、だから萌えキャラとか嫌いなわけ?」
玄兎
「うん。連中は昆虫にしか見えない」
シノフサさん(仮)
「そこまで言う」
玄兎
「いや別に悪いわけじゃないんだ。昆虫って生存効率を考えるとものすごくよく出来てるから。なんだろな、こう生物工学の面から考えると尊敬に値すると思う。ただ生理的に受け付けない(笑)」
シノフサさん(仮)
「ひど(笑)」
玄兎
「まあ、かといってキャラがエゴ丸出しのストーリーは、あまりにぶっ飛びすぎてて作劇アレンジを加えないと使い物にならなかったりもしたんだけど、納得できるって意味ではあっちのが納得できる」
シノフサさん(仮)
「それも作家のエゴじゃん?」
玄兎
「もちろん。お客さんのことを考えると、ちゃんと作劇にして分かりやすく作るのが正しいし、だからまあ一方通行のメディアではそうしてるんだけど。両者ともエゴが最小限に抑えられる状態ね。だけどインタラクティブなメディアでまで、作り手のエゴを抑えるのは、なんか一方的にサービスしてるみたいで好きじゃないんだよねえ」
シノフサさん(仮)
「まあそれは分かるけど(笑)」
玄兎
「ギャラの発生する仕事の時は、サービス業だと思ってるけどさ。ゲームとか趣味の範囲にまで他人に奉仕したくないぞ俺は。とかまあそんな感じ」
シノフサさん(仮)
「それでそんなもん作ったんだ」
玄兎
「そう。で、実際にTRPGで使ってみたりもしてる。そうすっとまあ意味不明な行動を取り始めたりして、実に面白い(笑)」
シノフサさん(仮)
「ときどきNPCが関係ない話をし始めるのはそのせいか(笑)」
玄兎
「たぶんそう(笑)。NPCがただの情報端末だったら、必要な情報を的確に出力するだけだけどさ、生きた人間だったらそうとは限らないでしょ。ダミー情報とかフィラーとか、いくらでも出てくるよ僕のマスタリングでは」
シノフサさん(仮)
「それでシナリオが崩壊しても構わない?」
玄兎
「構わない。まあ世間一般のゲームマスターとかマスタリング論とかとは相反しまくると思うけど、TRPGなんてシナリオの中身の美しさなんぞ知ったこっちゃない。そのとき面白かったっていう思い出作りの方が大事でしょ」
シノフサさん(仮)
「言っちゃっていいの? それ」
玄兎
「良いんじゃない? だからってシナリオ作りを疎かにしていいわけじゃないんよ。シナリオは準備する。するんだけど、それより面白そうな提案があったら率先して乗っかるってだけ。プレイヤーもマスターが提示したシナリオに乗っかるだけじゃあねえ。それが定着すると、マスターがシナリオ作るの負担になってくるんよね。純粋にシナリオの出来で評価されちゃうから」
シノフサさん(仮)
「プレイヤーからもどんどん提案しろ?」
玄兎
「そう。そしてマスターに楽をさせてください(笑)」
シノフサさん(仮)
「ぐだぐだだ(笑)」
玄兎
「(笑)まあね。ただちょっと真面目な話をすると、TRPGのマスターが増えない理由って、マスターが大変そうってのがあるわけですよ。んでその一因がシナリオ作りなわけで。心理的な負担は少しでも軽減できた方がいいわけで、そういう意味ではプレイヤーも悪い。マスターの用意してくるシナリオにおんぶに抱っこだから。TRPGのブロガーはマスター経験が豊富な人がほとんどだから、どうしても話題がそっちになりやすいんだけど、実はプレイヤー教育も重要なんじゃねーの? とか思ってんのね」
シノフサさん(仮)
「なるほど」
玄兎
「ただまあ、そうするとアドリブ能力ってのかな、こうヒューリスティクスを脳内に装備してもらわないといけなくて、そのためにはマスターに場数を踏んでもらわないといけないんだけど、その段階ではシナリオをちゃんと作ることとか、とりあえず千冊読みなさいとかも大事なんで、マスターを甘やかしていいって話でもないんだけど」
シノフサさん(仮)
「プロット100本ノックとか?」
玄兎
「いやあ、あれはプロ志望の人にしか言わない」
シノフサさん(仮)
「ええー。アマチュアの頃にやらされたじゃん」
玄兎
「いやあんたプロになりたいっつーてたでしょうがあの頃から」
シノフサさん(仮)
「まあそうだけどー(笑)」
玄兎
「なったんだからいいじゃん」
シノフサさん(仮)
「そうだけどー」
玄兎
「大事なのはアレンジ能力なのですよ。独創性は1%あれば十分」
シノフサさん(仮)
「100本書けば1本はオリジナルが出来るってこと?」
玄兎
「そんな感じ。まあ100本書くのはオリジナルを生み出すことより、ネタを上手く再利用させるためなんだけどね。昔、釣りキチ三平のフライフィッシングの話でさ、三平がフライロッドの使い方を練習するとき、魚紳さんに手紙ですっげー長いこと振れって言われるわけ。んでずっとやってると疲れてくるんだけど、実はその疲れてきたときの振り方が一番正しい振り方だって話があって」
シノフサさん(仮)
「余分な力を抜けって話?」
玄兎
「そゆこと。よくネタが尽きてからが勝負だなんていうけど、あれはそういうこと。ネタが尽きたと思ってから、死蔵されてたストックネタがどれだけ引っ張り出せるかが肝で、なんでかっていうと用意してたネタっていうのは分かりやすい関連性を持ってるから、わりと誰でも考え付くわけ。で、それが尽きると関連性の薄いところから無理矢理話を持ってくるから、あんまり考え付かない、意外性のある展開ってのが作れる。まあ化学反応に期待するギャンブルなんだけど、そこで勝てれば上にいける」
シノフサさん(仮)
「負けると?」
玄兎
「ぐだぐだになって打ち切られる(笑)」
シノフサさん(仮)
「怖っ(笑)」
玄兎
「まああれだ。無駄な知識はなるべくたくさん増やしておくことっすよ(笑)」
シノフサさん(仮)
「(笑)ラジャ」

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