[Manual] オンラインのコミュニティ維持

 オンラインセッションを、遊び続けて10年目くらい。
 たらたらやってきたことを振り返って、なんで続けられたのかを考えてみる話。

秘訣は「気楽さ」

 突き詰めれば「気楽に遊ぶ」ってのが長続きの秘訣ですわな。
 「TRPGだから」「ゲームだから」と考えて体裁を整えて長続きした例がない(笑)
 経験上、TRPG ユーザからは一段低く見られがちな PBC*1[PBC] = Play By Chat の略。チャット上でキャラクターとして行動するため「なりきりチャット」(略して「なり茶」)なんて言うことも。本来は TRPG と上下関係にあるわけではない。、その延長線上でたまに TRPG っぽく遊んでたコミュニティが、結局一番長続きしています。

テキトーに遊ぶ。

 もちろん、ちゃんと TRPG の体裁を整えて遊ぶこともあるんだけど、あんまり「シナリオを進めよう」とか「ちゃんと終わらせよう」といったことは考えず、とりあえず状況設定だけをして、あとは好きなように遊んでもらう。
 一番よく使ったパターンとしては、最初にシナリオ進行役の NPC を出しておいて、話を進めたくなったら NPC に絡んでください、ってな感じで。

テキトーに終わる。

 シナリオ途中でも、面子が抜けていって構わない。残ってる面子のモチベーションが高くて、ちゃんとシナリオを進めて終わらせられそうなときだけ、そうする。
 何らかの事情でセッションが続けられなくなったら、クイックセーブって形で保留しておいて、次に機会があったら続きを遊ぶ。
 で、面子が集まっても保留中のシナリオに対するモチベーションが無くなってたら、それは忘れて別のシナリオを遊ぶ。

面白かったシナリオの話をする。

 で、一番大事なのはコレ。
 面白かったシナリオの話をする。

 これはまあオンセに関わらずの話なんだけど、プレイグループがモチベーションを維持するには、いいゲームをすることが大事。で、いいゲームっていうのは「プレー中に楽しかったもの」と「後で思い出すと面白かったもの」の二つがある。後者の方は、意外とみんな気付いてないことがあって、忘れられがちなんだけど、ちょっと「あのときのアレは面白かった」とかネタを振ってみると、どんどんそのセッションの思い出話が出てきて、いつの間にか「面白いセッションだった」ことになってたりするのです。
 そうなると大体「またやりたいなぁ」になって、「んじゃやろうか」につながる。

 そのために「セッション以外でも話をする」ってのが重要になります。
 ダラダラ話す、座談会みたいなモンですね。
 そういうことがポンスカ出来てたプレイグループは、だいたい息が長かった。

少しずつちゃんと遊ぶ。

 テキトーに遊んでテキトーに終わりながら、たまにちゃんと遊んでちゃんと終わったゲームを混ぜていきます。
 で、ちゃんと遊んだゲームについて、後で「面白かったねー」って話をすると、ちゃんと遊んでなかった人も「自分もちゃんとやってみたいー」となることがあります。まあ、ならなかったらその人はテキトーに遊んでもらうか、テキトーに遊ぶフリをしてちゃんと遊んでみたりすればいいんで、一度や二度でダメでも諦めない(笑)

 そんな具合で少しずつ「ちゃんと遊ぶ」率を上げていくわけです。

疲れたらテキトーに。

 で、まあちゃんと遊び続けてると、やっぱし疲れちゃうってこともあるわけで。
 そしたらまたテキトーな遊び方に戻してリハビリする。
 んでまた徐々に「ちゃんと」率を上げていく。
 そんな感じ。

 実はこのリハビリが意外と重要なんじゃないかなーとか思ってます。
 ってのは、「たまに気の抜けたゲームを遊ぶ」ってのを習慣付けておくと、新規開拓したときの受け皿にしやすいと思うんですね。
 普段からガッツリ遊んでいて、新人さんが来たときだけヌルく遊ぶってのをやってると、「新人が来るとヌルくなるからなぁ」と、ちゃんと遊びたい古参の人と、新人さんとの間にイヤな溝が出来ちゃう。
 なんで習慣的に「たまにヌルくなる」ってのを入れておくと、その辺の抵抗がちょっとは和らぐんじゃないかと。
 いや、まあ経験的なモンに理屈をつけただけなんで、実際どーだかは分かりませんが(笑)

つまるところ、ハードルを下げる。

 オンセってのは、他のプレイヤーの表情が分からない。なのでノンバーバル・コミュニケーション(非言語対話)が難しい。顔を合わせていれば空気を読んで遊べる人も、それが難しい分だけ、実はけっこう神経を使うんじゃないかと思うわけで。
 だから、それ以外の部分でハードルを下げる。気楽にする。
 それが大事なんじなんじゃないかな、とか。

 そんな話。

 うーん。真面目な人に怒られるかもしんない(笑)

References

References
1 [PBC] = Play By Chat の略。チャット上でキャラクターとして行動するため「なりきりチャット」(略して「なり茶」)なんて言うことも。本来は TRPG と上下関係にあるわけではない。