先月から今月にかけて行ったショートキャンペーンの最終話*1三部構成のシナリオで使った舞台設定&シナリオ下書き。何度か使おうと思ってたので、普段よりちょっとだけちゃんと情報化してます。(そして実際、同じシナリオを短期間に 5回もやるハメに)
ラクシアの設定はよくわかんないので、かなり勝手にやってます。
改めて見なおしても趣味丸出しです(笑)
不足していたデータは旧版からコンバートしたり自作したり。
かなり急いで作ったモンだから、設定考証がかなり甘い気がしますが。
(「である、だ」と「です、ます」が混在している部分はあとで時間が有るときに直します)
ページの内容
基本設定
混沌都市ゴダン*2[ゴダン] = クトゥルー神話の海神ダゴンのアナグラム、ではなく英語の「GOD damn」より。の住人は、蛮族たちである。
だが彼らの生活は、不思議なことに人族のそれとさほど違いがない。
大きな違いは“力比べ”のルールと、種族による明確なヒエラルキー、それだけである。
この都市では純粋に、“力”の強いものが全てを手にする。
日常的に行われる“力比べ”によって細かな上下関係を決する。
故にこそ歴然とした力の差として現れる、種族がそのまま階級化している。
“力比べ”
力比べのルールは、このゴダンで生活するためには必ず知っておかなければならないことである。
とはいえそのルールは至って単純。とにかく勝った方が強い。それだけのこと。
ただし「何で勝つのか」という点が問題になる。
勝負の内容については、まず最初にジャンケンをして、勝った方が決める。
能力値対決でも、もちろん戦闘でもいい。
中には実にくだらない勝負もあるが、一度決められた勝負であれば、従わなければならない。
そして勝負に勝った側は、負けた側に対して一つの命令をすることができる。
本来ならこの命令に従う義理はないが、従わない場合は“立会人”による制裁が加えられることになる。そのため立会人は同じ種族の実力者か、上位種族に頼むのが通例。上位種族は例外なく組織を持っているため、これに逆らうことは賢明とは言えないだろう。
ただし、ひとつだけ例外が存在する。
それは「暴力は全てに優越する」ということ。
対戦者と立会人、その両方を暴力によって打ち負かすことができれば勝負結果は取り消しとなり、命令もキャンセルされる。(安易に殺すと報復の対象になるので注意)
食糧事情
この都市で消費される食料は原則、外部からの持込となる。
収穫、狩猟、略奪などあらゆる手段で調達される食料だが、その数は常に不足気味。
収穫や狩猟の地としては、北のダーム湖、南のビキ森が優れているが、ここに都市に君臨する二人のドレイクの所有地であり、密猟は禁じられている。見つかれば非常に厳しい罰を受けることになる。
また近隣の人族領域まで遠征軍を組み、略奪を行うこともある。小規模であれば見過ごされるが、大規模な場合は略奪した食料は一度ドレイクに献上され、各ファミリーの構成員数に応じて配分されることになっている。
意外なことではあるが、この都市の支配者派、その都市の名に反してまともな統治を行っているようだ。(蛮族にしては、だが)
概略マップ
安全地帯
ここは都市に君臨する二人のドレイクが治めている。
(北の安全地帯は「とがり耳の王太子」が、南の安全地帯は「緑目の皇女」が統治する)
ここは遠方から来た蛮族のために、また食料配分のために用意されたバッファーゾーン(緩衝地帯)である。
ここでは“力比べ”の掟が通用しない。ドレイクが認めないからだ。
だがそれはみせかけの自由で、都市の中へ誘い込むアリ地獄の入り口とも言う。
客の種族や目的に合わせて、都市案内をしてくれる者がいる。
L(X) 危険地帯
ここは (X) レベル相当の PC にとっての危険地帯となる。
最大でモンスターレート*3[モンスターレート] = 略号は「MR」。モンスターの強さをむりやり直線的な数値に変換したパラメータで、元ネタはもちろん『Tunnels&Trolls』より。PC の人数によって調整できるように考えてみた。テストは不十分なので「(仮)」とする。計算式は下記参照。合計 (X+2) × (X+2) までの敵集団が現れる。
浄化の塔
理由は良く分かっていないが、登るほどに強い呪いが解けるという、おかしな伝説がある塔。
異様に高く、雲の上まで続いている。何階層あるのかも不明。
なぜか蛮族は通常の手段では中に入ることが出来ない。
(蛮族に姿を変えた人族は入れる)
頂上には魔剣があるとも噂されているが、誰も確かめたものはいない。
この塔の中ではテレポート系の魔法が通用しない。
また、5階より上の階層に窓はなく、外壁を破壊することもできない。
中には各階層ごとに番人がおり、塔を登ろうとすると妨害する。
番人は倒すことも破壊することもできるが、1日が経過すると完全に回復し、復活する。
その原理も不明。
ゴダンでの冒険 ~ 人族
あなたが人族の姿のまま、この都市を訪れたのであれば、それはとても危険です。
この都市には人族は数えるほどしかいません。
故にヒエラルキーに組み込まれていません。
あなたは常に、力の強さを証明しろと迫られることになります。
戦闘であったり、問答であったり、その他いろいろなものを比べます。
中には非常に馬鹿馬鹿しいものもありますが、彼らはマジメであり、あなたもマジメであらねばなりません。
この“力比べ”から逃げるということは、あなたは敗北を認めたことになるからです。
あなたが“力比べ”に勝ったなら、あなたは負かした相手に一つだけ命令することができます。それがこの都市で生きるものたちのルールなのです。負かした相手自身の命に関わる命令でさえなければ、彼らは(少なくともあなたの目の届く範囲では)あなたの命令に忠実に従います。
あなたが“力比べ”で負けるまで、またはあなたよりも強いと思われる相手に出会うまで、彼らはとりあえずあなたに従います。これをうまく使いましょう。
ゴダンでの冒険 ~ 蛮族
あなたが蛮族の姿をしている、あるいは蛮族であるなら、この都市での冒険はその種族によって異なります。
あなたがレッサーオーガやギルマン、またはそれ以上の力のある(L4以上の)蛮族種であれば
あなたはこの都市を自由に闊歩することができるでしょう。気の赴くままに力を誇示し、略奪でも何でもすればいいのです。
この都市の地下には「力の迷宮」と呼ばれる迷路があるといいます。そこに挑戦してみるのもいいかもしれません。力の迷宮には多くの財宝と、強力な武器が眠っているとの伝説もあります。それが手にできれば、あなたのこの都市での権勢はいや増すばかりでしょう!
あなたがボガードであるなら
あなたがやるべきことは決まっています。この都市でのファミリー(彼らはマフィアのようにナワバリを持ち支配しています)らの勢力範囲を広げるための、勢力争いをするのです。
あなたが外来のボガードやリザードマンであるなら
まず攻撃され、力が認められれば仲間になれと勧誘されます。勧誘を断るなら即座に殺し合いになります。この“力比べ”は路地裏の決闘場で行わます。もちろん、ルール無用の残虐ファイトです。
あなたがゴブリンやレッドキャップであるなら
ボガードやリザードマンに見つからないように立ち回る必要があるでしょう。
運悪く見つかってしまったときは、機嫌を損ねないよう上手く立ち回ることです。逆らってはいけません。そして万が一にも戦いになり、あまつさえ彼らに勝ってしまったら、目撃者は一人も生かしておいてはいけません。一人でも生きていれば、それが次の災いを招くことは間違いありません。彼らは面子を重んじます。
あなたが不運にもコボルトであるなら
あなたはこの都市に訪れるべきではありませんでした。が、もしあなたがやむを得ぬ事情があってこの都市に来たのであれば、仕方がありません。幸運を祈ります!
あなたがもし身の安全を第一に考えるのであれば、さっさとゴブリンの人(?)買いにでも捕まえてもらって、怠惰なリザードマンにでも買ってもらうのが一番でしょう――もっとも、身の安全を第一に考えるのであれば、まずこの都市に来るはずもないのですが。
コボルトはこのゴダンでは最下等の奴隷種族と見なされます。
レッドキャップはただの気まぐれでコボルトを殺すことがあります。
ゴブリンはもう少しマシですが、それでもコボルトに暴力を振るわないゴブリンなどいません。
ボガードはコボルトを奴隷として扱い、ゴブリンらに監督させます。気が向くと“文化的なゲーム”――もちろん残虐な見世物のことです――に興じるためにコボルトを召し出すことがあります。
リザードマンはコボルトに、有無を言わさず身の回りの世話をするよう命じます。あまり暴力を振るうことはありません。彼らにとってはこの都市の気温はやや低く、そのため体を動かすのが億劫なのだと言います。
レッサーオーガやギルマンがコボルトに関心を抱くことは滅多にありません。
シナリオ例 : 「かえるみち」
まあシナリオ例というより実際に遊んだシナリオなんですが。
実際に使ったものを誤字脱字だけ訂正しただけなんで、実用性は「?」です。
前提情報
PC 一行は前のシナリオで強力な呪いを受け、蛮族にその姿を変えてしまっている。どんな呪いも解けるという「浄化の塔」を登るため、この混沌都市まで旅をしてきた。
【READ】
きみたちは高次の呪いによって、その姿を蛮族と同じくされてしまった。
このままでは他の冒険者に見つかれば問答無用で攻撃されてしまうだろうし、疲れても町に立ち寄って休むことも出来ない。ごちそうを食べ、うまい酒に酔っては馬鹿騒ぎをし、疲れたらふかふかのベッドで惰眠をむさぼるあの生活と、このままでは一生おさらばということになってしまうだろう!
だがきみたちは幸運にも、あるひとつの伝説について知っていた。
浄化の塔。
それを登ることで、あらゆる呪いを消し去ってくれるという伝説の塔。
きみたちはその伝説に一縷の望みを託し、ここ、混沌都市ゴダンにやってきた。
GM メモ
この都市でどれくらい遊ぶのかによって、オープニングで紹介する都市情報を調節する。
今回は三部構成なので、第一部から順に「ゴダンの掟を教える」「突入準備を整える」「塔に突入」の構成でセッションを組むこと。
第一部
使うステージは「安全地帯」および「L1危険地帯」のみ。
【設定】
- 時期 : 36時間(初日正午 ~ 2日目夜)
- 舞台 : 安全地帯、L1危険地帯
- 人物 : エルフ神官(GC)、コボルトたち(宿屋の主人、案内人、奴隷頭など)
【PL】
- 目的 : 「浄化の塔」の場所と入り方を知る
- 制約 : 人族であることを隠す
- 手段 : 情報収集
- 課題 : 蛮族との対話を成立させる
【GM】
- 目的 : ゴダンの情報・“力比べ”の掟を教える
- 制約 : “力比べ”に負けた NPC しか話せない
- 手段 : 情報提供|“力比べ”に負ける
- 課題 : PC と NPC との対話を成立させる
第二部
使うステージは「L2危険地帯」および「L3危険地帯」がメイン。
【設定】
- 時期 : 24時間(3日目朝 ~ 同日夜)
- 舞台 : L2危険地帯、L3危険地帯
- 人物 : (第一部に加えて)、ゴブリン、ボガード
【PL】
- 目的 : 「浄化の塔」への突入準備を整える
- 制約 : 人族であることを隠す/制限時間つき
- 手段 : “力比べ”
- 課題 : 最高危険地帯の突破作戦を立案する
【GM】
- 目的 : 最高危険地帯の突破口を開く
- 制約 : NPC は断片的な情報しか持たない/NPC は常に“力比べ”を行う
- 手段 : 情報提供/“力比べ”に負ける
- 課題 : スリリングな“力比べ”を演出する
第三部
「最高危険地帯」を突破して「浄化の塔」に乗り込む。
PC にかけられた呪いは第 3 階層で解呪可能。
最大の課題は「人間の姿を取り戻したときの脱出方法」である。
(プレイヤーが準備していなかった場合はマジックアイテムで)
【設定】
- 時期 : 12時間(4日目朝 ~ 同日昼)
- 舞台 : L4危険地帯、最高危険地帯、浄化の塔、市外
- 人物 : (第一部、第二部に加えて)、レッサーオーガ、番人
【PL】
- 目的 : 自分たちにかけられた呪いを解く/都市を脱出する
- 制約 : なし
- 手段 : 戦闘
- 課題 : 「浄化の塔」各階層の番人を倒す
【GM】
- 目的 : キャンペーンに一つの区切りをつける
- 制約 : なし(NPC の行動は管理 AI に従う)
- 手段 : ガチンコ勝負
- 課題 : シナリオをちゃんと終わらせる
【モンスターレベル→モンスターレート換算式(仮)】
戦闘に出てくるモンスターの数とレベルの目安をつけるための計算式。かなり目が粗いので、最終チェックは怠らないように。
【使用基準】
- 適性 PC 数 : 4 ~ 6
- 適性レベル平均 : 1 ~ 6
- 適性モンスター数 : PC 数 ×(0.8~1.2)
【モンスターレート(MR)計算式】
- モンスターレベル × モンスターレベル = MR
- 範囲攻撃の手段を持っている = +(MR × 0.3)
- 「剣のかけら」を持っている = +(MR × 0.2)
- 小数点以下は切り上げ
【戦闘危険度の目安】
- MR合計 ≦ PC レベル合計 × 1 = チュートリアル(訓練用)
- MR合計 ≦ PC レベル合計 × 2 = ノーマル(それなりの戦い)
- MR合計 ≦ PC レベル合計 × 3 = コンバット(きわどい戦い)
- MR合計 ≦ PC レベル合計 × 4 = デッドリー(殺る気満々)
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