[draft] ダイス運と技巧、健康、上達の道

tRPG 界隈において「ゲームプレイヤーそれぞれのダイス運(特に悪い方向で)」は、もはや挨拶レベルの話題になっていると思うのだけども。

あくまで経験則でしかないのだけど、僕の知る限り、これってベテランの、特に「上手いバイプレイヤー」ほどあまり持ちネタにはしていません。
話題になれば付き合いに出したりもするけど、自分から振ることは殆どない。
ついでに誰も彼が「ダイス運が悪い」とは思ってなかったりもします。

それはそれとして実際の話、ダイス運の実態とプレイング技術の関係性、またプレイング技術を支える大前提について、ちゃんと語られているのを目にした記憶が無いので、ちょっとメモがてら。

……もしかすると、既に書いたかもしれませんが。

まず最初に。
ダイス運の良し悪し、とはいうけど基本的に乱数は試行回数が多ければ多いほど、その分布は均一化していきます。
これは誰がやっても同じこと。

で、その上で個人レベルでの良し悪し、偏りが存在しないかと言うと、別にそんなこともない。
統計を取っていけば、なんとなーく出目の良い人、悪い人というのは確かにいます。

いるのだけど、実のところダイス運というのは、その辺のデータとはあまり関係ないんですね。
だってこれ主観だから。

運の善し悪しが評価されるのは、基本的にその試みの重要度によって変わります。
どうでもよい判定で失敗したって誰も何とも思わないけど、乾坤一擲の判定の際には誰もが評価者になるもんです。
特にこれが、強く印象に残る結果をもたらせば倍率ドン更に倍。

それが悪い結果に転べば転ぶほど、それについて「ダイス運が悪い」という印象は強化されていくわけです。

で、じゃあ何で「上手いバイプレイヤー」が持ちネタにしないかと言うと。

出目が悪くても口八丁手八丁でリカバーしちゃうから。

ダイスを振ったその瞬間は、明確な良し悪しが評価される。
されるんだけど、その後のリカバーで印象が変わっちゃうんですね。

出目は悪かったのに、意外と面白い結果になった。
そうすると「面白い結果」の方に注意が向く、記憶に残るので、ダイス目ってあんまり印象に残らない。

逆にスラップスティックコメディが得意なプレイヤーの場合、出目の方で騒ぎます。
ぶっちゃけこっちの方が簡単に場が盛り上がります。
初心者が一番シンプルに楽しめる場面もコレです。
まあそこで盛り上げ過ぎちゃって、その後の展開までエスカレーションしちゃうこともあるわけだけど(笑)

でも致命的な出目が出てしまった時、それでも上手いこと軟着陸させて、気がつけばそんなに悪くないぞ? という流れを作っちゃうプレイヤーたちがいます。
彼らにとってはダイス目の良し悪しなんて、あんまり関係がない。
だって上手いことやれちゃうから。

で。

それでも上手いことリカバーできない、ケアできないパターンもあります。
これはもちろん、個々人の能力にも依存するわけだけど、それを下支えするものがあるわけです。

それが判断力。
ゲームの状況からして、どうすれば軟着陸できるか。
致命的な失敗をキャンセルできるか。
それを脳みそから絞り出すだけの力が求められます。

で、その判断力を正常に発揮するために必要なものが、集中力。
もっと言えば体力。
究極的には「健康」です。

若い頃は徹夜自慢とかありましたけどね。
今考えるとアレって「俺は下手だぞー」って自己紹介してたダケなんですよね。
(無意識に「下手だけど勘弁してね」という予防線を張ってたんだろうなァ)

上手い人ほど体力的に余力を残している。

逆に、体力のない人は上手くやれる可能性がそれだけ少なくなる。

故に健康第一

もちろん徹夜厳禁

上手くやりたければ、睡眠不足でセッションに参加するようなことは避けましょう。
体調不良なんて以ての外です。
ちょっとでも悪い方に天秤が傾けば、他の参加者の足を引っ張るだけになってしまいます。

そしてセッション中も、上手いことメリハリをつけて息抜きをし、必要な時に集中力が発揮できるようにしましょう。
その方が記憶もはっきりしますからね。経験値も溜まりやすいってもんで。

つまりはそれが、上達への近道です。