[memo] 大きな2つの遊び方

 (T)RPG (最近は “tRPG” の方がスマートかなーと思ったりしてる)においてゲームマスターが提案する遊びには、大きく分けて以下の2つのスタイルが有る。

  1. 穴埋め問題
  2. 連想ゲーム

 ザックリ説明すると、

1. 穴埋め問題
提示されたゲームの「課題」に対してゲームデータによる「解法」を回答する遊び。プレイヤーは用意された課題に対して解法を提案することを第一目標とする。参加者は容易に物語に参加できる点が優れている反面、自分で物語の展開を記述することはできない。tRPGという遊びが誕生して以来、ほとんどのゲームシステムがこちらのスタイルで遊ぶことを前提に設計されてきた。
2. 連想ゲーム
提示されたゲームの「現状」に対して「展開」を記述する遊び。プレイヤーは参加者同士のやり取りの中で物語の展開を生成することを第一目標とする。「現状」をゲームマスターが、「展開」をプレイヤーが記述することで穴埋め問題に近似するが、ゲームマスターを介さずプレイヤーのみで連歌のように記述し続けることもできる。こうした遊びを主眼に据えたゲームシステムは「ナラティブゲーム」として別カテゴリとみなす場合もある。

 以下はこれらに関するメモ書き。

  • これらはゲームシステムが提案する「遊び方」として厳密にルール化されている場合もあれば、セッション中のやり取りの中で曖昧に運用されることもある。
  • 近年のナラティブゲームの台頭によって連想ゲームを新しい遊びと認識している人もいるようだが、個人的な印象としては黎明期はむしろ連想ゲームの方が多かったように思う。これはゲームシナリオの設計論が無かったためでもあり、また「一幅の(筋書きの決まった)物語に参加する」遊びが指向されるようになっていく中で衰退していったためでもある。なにより連想ゲームはプレイヤー個々人の能力に大きく依存するため、遊びへの参加の敷居を下げようとした際に切り離されてきた面もある。
  • 「問題に回答して正解を得ること」と「自由に物語を記述すること」は常にバッティングするわけではないが、筋書きを用意した遊び方において後者は脱線する確率が小さくない点で忌避されやすい。
  • ゲームセッションのデザインにおいて「時間」という制限を課し、その中で安定的に楽しみを得ようとするならば、ゲームシナリオという形で筋書きの決まった遊びを指向するのは一つの解として理解できる。
  • だからこそナラティブゲーム(含ソロジャーナル)はゲームの終了を促すため「終わりのある物語」を題材にしやすい。(滅んだ世界、約束された死、破滅を呼び込むランダマイザなど)