[GMHB] 『化石的GM読本』の読み方.3 「自分の技術を考える」

そんなんこんなんで一ヶ月以上空いちゃいましたが、『化石的ゲームマスター読本1』を「こういう風に読んでくれたらいいなー」という与太話の第三回。

今回は「様々なゲームシステムに対応する」ということで、マスタリング技術分析のお話。

どんな風にマスタリングしてる?

自分が普段どんな風に遊んでいるか、考えたことは有るでしょうか?

遊んでいるゲームシステムそれぞれについて、イチから合わせて何度も遊び、時間をかけて慣れていく。昔は大体そうやって遊んでいました。

しかし時間かかるんですよね、コレ。

で、それに対する回答として、かつて「よくわかる本」があり、今は公式リプレイでってことになると思います。

それらを真似しながら遊んでいくことで、「どんなゲームなのか」「どういう風にマスタリングすればいいのか」の見当をつけて、ショートカットしていくわけです。しかしまあリプレイが出ていないようなマイナー、あるいは同人などのゲームシステムについては、こうした方法が執れません。そんな時にどうするのか?

そこで旧来的な(化石的な)方法論が生きてくる……って話になります。

自分の経験/技術を分類する

本書を使った方法は、ショートカットを自分で作成することです。

それは基本的には自己解析を繰り返し、マッチングを行うことになります。

このとき――

  1. 第一章 テーブルトークRPG
  2. 第二章 ゲームシステムの基礎知識
  3. 第五章 シナリオの基礎知識
  4. 第七章 キャラクターを作る

――以上、四つの章が参考になるでしょう。

第一章では自分がどのような仲間たちと遊んでいるのかについて考えます。これは特に【役割分担 ― ゲーム中の役割】が重要です。この後で考えるゲームシステムの違いその他もありますが、「自分がどの役割を負っているのか」ということは、マスタリング技術を考える上で極めて重要な要素だと私は考えます。それはゲームシステムのジャンルや運用時のシステムタイプ適性に大きく影響しているように思います。

第二章では自分が普段どのようなゲームシステムを遊んでいるのかについて解析していきます。それぞれの分類が同じであるなら、これまでの経験を流用することで対応できます。遊び慣れていないゲームシステムについては、これまでの経験が流用できない点についてだけ入れ替えれば、ひとまず対応は可能でしょう。

第五章でも同じように差異の抽出をしていきます。ただしゲームシステムに比べ、シナリオの構成要素にはそれほど大きな違いがないものがほとんど――ただルール処理やフレーバーテキスト上といった“表現”が違うだけ――です。慣れ親しんだゲームシステムと同じシナリオ構成にしたとき、【導入】【中盤】【山場】【結末】それぞれについてどのように“表現”が変わるのかを考えてみましょう。

第七章では、NPCをどのように扱っているかについて解析します。自分が好きな(日常的に鑑賞している)物語やキャラクターを理解すること、それが【NPCの行動規則】【NPCの性格設定】にどう影響しているのかについて把握すること。そして何より【敵としてのNPC】【障害としてのNPC】【ガイドとしてのNPC】の三項目について考えることです。

どこから手を付けても構いません。そうやって自分の技術を見つめた時、自分の持っている〈世界観〉を理解することにもつながるかと思います。それはゲームマスターとしての武器(アピールポイント)になります。

それぞれの項目を自分がどのように処理しているのか理解することで、「同じように処理しない」という選択肢が生まれます。それが新しい遊び、新しい楽しみを見つけることにつながる……かもしれません。色々と試しているうちに、自分にマッチしたゲームシステム、自分にマッチした遊び方を見つけることもできるでしょう。

せっかく様々なゲームシステムがあり、それぞれに面白さ、楽しみ方を追求してるのですから、どれもこれも同じように遊んでしまうというのは勿体無いと思いますし。