[memo] ロールプレイ支援/評価の話

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Twitterでロールプレイ支援システムの話が出たのでちょろりと。

「ロールプレイ支援システムと呼ばれているもの」の方がいいですかね?

ロールプレイを支援する構造そのものは(T)RPGのゲームシステムには内包されているので、後は読み込むダケ……だと思ってるんですが。
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**ロールプレイを支援する

+ロールプレイを支援するって、どういうことなんでしょう?
+なぜ支援しなければならないんでしょう?

基本的な問いはこの二つですね。

これについては、[1]に対しては

-「何をすればいいのか分からない、その行動をとっていいのか分からない」という悩みを解消する

と考えていいと思います。

で、問題の[2]なんですが、これについては

-内的な問題:「ゲームの状況に対してどんな行動を取ればいいのか分からない」
-外的な問題:「自分の考えた小芝居/演出が、セッションの場を乱すことにならないか」

という二つの要件があるわけですね。

***内的な問題の解決

で、前者の「内的な問題」に対する支援はさまざまなゲームシステムが持っています。キャラクターシートに書かれた情報がソレですし、多くのゲームにおけるHP/LPや『CoC』のSAN値のようなリソースマネジメント、あるいはキャラクターの行動規範としてのアライメントや信仰、属する社会集団、性別、身長、外見その他の要因など様々です。

更にはそのタイトルに関連する他メディアの情報などもあります。またゲームによっては取りうる行動をルールで制限する、カードやサイコロ等によって推奨行動をガイドするなどの方法で、これを支援するものもあります。

そして昨今「ぶっちゃけ」や「メタトーク」などといった形でプレイングについて「相談する」ことで、こうした内的な問題をダイレクトに解消するアプローチも肯定されるようになり、内的な問題については概ね解消されたものと考えてもいいと思います。

***外的な問題へのアプローチ

これに対して後者である「外的な問題」に対するアプローチが、いわゆる「ロールプレイ支援システム」というやつで。

「自分のやりたいことが場を荒らしてしまわないか」、もっといえば「スベらないか」というのは、多くのゲームに不慣れなユーザの悩みだろうと思います。「演じる」「語る」といった行為はゲーム外――日常生活の中――では稀で、そこに羞恥心が加わることで、こうしたプレイングに対して二の足を踏んだ経験がある人は多いのではないでしょうか?

そこに「ロールプレイするとボーナスポイントがもらえるよ」と筋道をつけることで、「ポイントが欲しい(≒ゲーム的に正しい)からやります」という形で背中を押してるわけですね。またそれによって互いに褒め合う構造が出来ていって、「自分ももらったから相手にもお返しで」と投げ合いながらロールプレイが加速していく……Win-Winの関係が構築されるわけです。

***不公平感

とはいえ、このボーナスポイントがゲームの結果に影響するようになると、不公平感につながったり、またゲームバランスを難しくしちゃったりもするわけで。

不公平感に対する課題は、実はずっと昔、『ファイティングファンタジー』の経験点の決定ルールや、『ダブルムーン伝説 コンパニオン』の「討ち取りポイント」の頃から既にありました。((あるいはもっと前から有ったかもしれませんが、僕の経験ではアレがたぶん初めてでした。))

ファイティングファンタジーの経験点の決定ルールには「そのセッションにおけるロールプレイを参加者間で評価する」という項目があって、それによって獲得できる経験点にバラ付きが出たりしました――もっともこれは計算式の関係で、よほど極端な結果でなければ結局は全員同じポイントになってしまうものでしたが。(これについて「設計ミス」と考えるか「感想戦で互いのプレイングについて語る機会を設ける仕掛け」と考えるかは自由です)

ダブルムーンの討ち取りポイントは「敵に止めを刺したPCが余分に経験点をもらえる」ってルールなんですが、それによって当然、獲得経験点にバラ付きが出るわけです。このバラ付きを均すために、後半ヒマになるマジックユーザー系のPCが、ちょこんと殴って討ち取りポイントを狙っていく。そうした「ヒマの解消」といった側面のある良いルールだと思うんですが、ここに「他のPCに目もくれないプレイヤー」や「討ち取りポイントを無視して効率的に敵を弱らせるプレイヤー」がいると、不公平感が生じるわけです。特に後者のタイプは、本人は気にしてないんだけど、他のプレイヤーが何となく悪い気がする……という困った状況になったりして、変に遊びづらくなっちゃうコトがあったりして。

***評価の毒

また他方で、「果たして自分のロールプレイと相手のロールプレイは同じ値で評価されるものだったか?」みたいな感覚に陥るプレイヤーも出てきたりします。これがプレイヤー間の切磋琢磨につながればいいんですが、自分の「努力」が軽んぜられているように感じて興が冷めてしまう……というケースもあるわけです。

これは旧来の「行動宣言の内容によって難易度を調節するマスタリング」と同じ、評価の毒とでもいうべきモンでして、偏ってもダメ、さりとて無評価もいただけない……みたいな七面倒な事態を巻き起こしたりもします。だからこそロール後に行動を記述するスタイルが普及したわけですが、取り扱いを間違えるとロールプレイ支援システムも同じような顛末になっちゃったりして。

そんな次第で、いわゆるロールプレイ支援システム、相互にプレイングを評価するシステムも、一長一短だったりするよね! とか。

なにより相性の問題が大きいと思うんですけどねー。

**改めてロールプレイを支援するもの

改めて、ロールプレイ支援について。

先ほどの「内的な問題」と「外的な問題」において、実はロールプレイのニュアンスに違いが有ったりします。前者はシンプルな「行動宣言」を含みますが、後者は小芝居や演技などといった形の「ロールプレイ」へのウェイトが大きい。つまり前者の解決策では、必ずしも後者の問題に対して根本治療とはなっていない部分があります。

で、それに対して最近では「行動宣言そのもので小芝居を促す」といったアプローチが表面化してきた感があります。具体的には、たとえばスキル名を単なる技名ではなく、セリフなモノローグのような形態にする。そうすることで、使用するスキルを宣言するだけでちょっとした演技になる、という方法です。後はそこから掛け合いが生じれば、ロールプレイは自然と展開されるようになります。

これは元をたどれば『T&T』の呪文〈Take That, You Fiend !〉あたりまで遡れるかと思います。日本語版では「これでもくらえ!」と訳され、『T&anp;T』の代名詞にもなりました。

あるいはチャート(表)によってある程度の状況描写をすることで、想像力を刺激するようなアプローチも昔から健在です。こちらはPCの行動を自分から選べないという部分でネックがありますが、逆に「ランダマイザの結果だから」と責任転嫁することで演出を肯定する機能があります。

どちらも「ゲーム的な正しさ」を背景に「きっかけを作る」アプローチで、これらは共に「評価の毒に侵されずに済む」といった強みがあります。ただし、あまり大仰なロールプレイには対応しきれないという点ではロールプレイ支援システムに一歩譲るようにも思います。

たぶん他にも色んなアプローチがあると思いますし、まだ発見されていなかったり、技術化されていないアプローチもあると思います。それぞれユーザ毎に相性の合う合わないがあるもんですが、だからこそ多彩なアプローチで、より多くのユーザがそれぞれに楽しみを見出していけたらいいなァ……とか無難なコトを書いておいて、この話はオシマイ。

なんか途中で面倒くさくなったった(苦笑)
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