[memo] マナーガイドの存在

 対数システム周りで、うちのローカルルールの「CLD」のテキストを出す必要が出て。
 んでまあ昔のキャンペーン・ログブックを丸ごと InDesign で作り直してるんですが。
 ……いやー、12年前からコレか自分! といった感じ(笑)
 ゲームのあれこれに本格的に首つっこむ前から、ゲームの主題はまるで変わってないのね。

 ま、それはそれとして、当時のテキストを読み返してて考えたことをメモっておく。

マナーについて

 Twitter でもチョロっと書いたんだけど。

 今でこそマナーガイドがルールブックに書かれるようになったけど、1999年当時ってまだそういうのは珍しかった……と、思う。
 そういうのは「よく分かる本」とかリプレイとか、あるいは汎用ハンドブック系にまとめられてて。
 この辺がルールブックに吸収されたのって、リプレイが読物としてブラッシュアップされていった事とも関係あると思うんだけど。(この辺は他にも理由が考えられるんだけど)

 リプレイにせよハンドブックにせよ、あるいはルールブックでもそうなんだけど……当時はカジュアルプレイがメインだったせいもあって、あんまり居丈高に「マナー」とか「礼儀」とかって言葉は使えない部分が有ったのね。あとまあデザイナーが若くて、そういう言葉を嫌ってた部分もあるのかな?
 だから抑止の言葉としては弱くて、「まあ楽しく遊ぼうよ」くらいのコトしか言ってなかったりすんのね。そこで生まれたのが「困ったちゃん」って言葉じゃないかなーとかも、ちょっと思ってる。たとえば『T&Tがよく分かる本』の、困ったプレイヤーの分類とか。
 この辺は関東関西の文化の違いっちゅーか、関西系を発信源にした「ゲーマーのコモンセンス」が、一旦テキスト化されて関東に輸入されたことで、笑いの質の違いやなんかで変質しちゃったんじゃねーか? とかそんな気がしないでもないんだけど。

 ……いかん脱線した。
 ということで閑話休題。

 とにかく TRPG のテキストはあんまり参考にならなかった。
 そこで代わりに参考にしたのが、PBM*1[PBM] = 「Play by Mail」の略で、郵便で行うゲーム。他に「メイルゲーム」等とも言う。のプレイングマニュアル。
 やっぱ「赤の他人同士で遊ぶ」ことが多い分その辺の蓄積があったのか、プレイングマニュアルや月報なんかで「マナー」やら「手紙の書き方」やら色々と注意が促されてたんよね。*2[赤の他人同士で遊ぶことが多い] = 「赤の他人同士で遊ぶ」機会の多いコンベンションを意識するデザインに舵を取った F.E.A.R. 系のタイトル各種が、ルールブックにマナーガイドを掲載するようになったのは、そう考えると必然なんだろーなぁ、とか。これもまたルールブックにマナーガイドが吸収された理由のひとつだと思う。
 ただまあ TRPG とマスターとプレイヤーの関係性が違う分、そのまま使えるモノでもなかったんだけど。

 そうそう。
 ルールブックに記載されるようになった理由と考えてるコトが、もうひとつあって。
 最初から仲間同士で遊ぶとき、また初対面の同席者であっても、自分の意見として「礼儀をわきまえろ」なんてことは口にしにくいんよね。そのときルールブックにその手のテキストがあれば「ルールブックに書いてある」って言えるわけで。
 この辺は年齢層やら世代やらの兼ね合いもあるのかしらねー、とか。

 あとまあ PBM の話になると。
 なんか最近は逆に、PBM では最初から友だち同士でまとまってゲームに参加するから「赤の他人と遊ぶ」なんてことは珍しい……なんて話も聞きます。
 あと一人でキャラたくさん登録してソロ無双するとか。
 まあ PBM には「数の暴力」な性質があるんで、その方が効果的に参加できるんだけども。
 MMO とかソーシャルゲームとかも、そんな感じがするけど。
 そう考えると一日でゲームを終われる TRPG の方が、一期一会でパッとオシマイにできるから「赤の他人とのゲーム」がし易いってのもあるんでしょう。
 そう考えると時間を経て、よりマッチングが進んでいると言えるのかもしれません。

 ……あ、また脱線した(笑)

 まあなんかアレだ。
 ついでに当時のログブックに自分の書いたマナーガイドを転載してみよう。

1.1.4.マナーガイド

 「千年記」には人と人との関わり合いの中で楽しむゲームです。そこには欠くことのできない大切なマナーや礼儀があります。「親しき仲にも礼儀あり」という言葉もあるとおり、これは相手との関係に限らず求められることです。
 マナーを欠いた行動は、容易にトラブルを招きます。そしてトラブルの渦中に陥れば、相手にも、そして貴方自身にも、ゲームが楽しくないものに変わってしまうでしょう。
 TRPGは、決して一人だけでは成立しないゲームです。貴方の他にも大勢の参加者がいて、初めてこの贅沢なゲームを楽しむことが出来るのです。他の誰かが楽しくゲームを遊んでいるということが、ひいてはあなた自身のゲームを楽しいものにしてくれるでしょう。
 マナーについては書き切れないほどありますが、ひとまず4つの言葉にまとめてみました。

1.親しき仲にも礼儀あり
2.言葉にしなければ伝わらないものがある
3.大事な時こそ冷静に
4.情けは人の為ならず

 マナーを守って、全員でこの贅沢な楽しみを満喫しましょう。

 紙面の関係で一段分に苦労してまとめた痕跡が……誰にも分からないと思うけど(笑)

References

References
1 [PBM] = 「Play by Mail」の略で、郵便で行うゲーム。他に「メイルゲーム」等とも言う。
2 [赤の他人同士で遊ぶことが多い] = 「赤の他人同士で遊ぶ」機会の多いコンベンションを意識するデザインに舵を取った F.E.A.R. 系のタイトル各種が、ルールブックにマナーガイドを掲載するようになったのは、そう考えると必然なんだろーなぁ、とか。これもまたルールブックにマナーガイドが吸収された理由のひとつだと思う。