去る 7月17日、長男のグループに学校の先生を加えて、合同で遊んできました。
ちょっと人数が多くなったんで、会場を借りての大掛かりなものになっちゃったんですが、色々と成果があったかなーとか思ったんでメモ的に。
ページの内容
午前の部:オリエンテーション
施設を借りたんだけど、まあ申請と用途が違ってる「不正使用」ってのが増えてるんですかね。あるいはマスコミの槍玉に揚げられるのが嫌で神経質になってるのか。どっちなのか、あるいは別の理由があるのか知りませんが、ワークショップとして申請したら、立会いが入るってことになったんで、ちゃんとガイダンスプログラムを組んで運営することに。
立会いは午前中って話だったんで、それに合わせてプログラムを組んでみたんですが。
プログラム
- 10:00
- …集合
- 10:05~
- …開始の挨拶
- …マナー講座
- …会場について(撤収時のゴミ捨て場、緊急避難路など)
- 10:15~
- …オリエンテーション(ゴミ捨て場、緊急避難路の確認)
- …オリエンテーション(呼びかけ)
- …オリエンテーション(呼吸法)
- …オリエンテーション(文章つなぎ)
- 11:30~
- …テーブルトークRPGの遊び方ガイダンス
- 11:45~
- …卓分け(以降、卓ごとに進行)
- 11:50~
- …遊ぶゲームの基本的な解説
- 12:00~
- …食事休憩
- 12:30~
- …キャラクターメイキング
- …質疑応答
- …順次ゲーム開始
- 17:15~
- …会場の清掃
- ~17:30
- …会場撤収
「なんかコンベンションみたいだなぁ」とは、雇われマスターしてくれたゲーム仲間の言だけど、コンベでこんなオリエンテーションは行わないと思う(笑)。やってもいい気がするんだけど、たぶん参加者サイドは「そんな時間あったらセッションやらせろ」だろうしなァ。参加者が不特定多数だと、やりづらいところもあるし。
ガイダンスの意図とか
プログラムの内容は、どちらかというと「先生方にゲーム環境のコミュニケーションを理解してもらうこと」とか「生徒と教師がお互いに物怖じせず話せる環境を作ること」、あと「生徒が教師に教える環境づくり」に主眼が置かれていて、ちょっとした賭けでもあったんですが、まあ休日のこんな集まりにわざわざ顔出してくれる面々なんで、その辺は大丈夫でした。
子供らにしても「学校の先生が来る」なんつったら嫌がると思ってたのに、あんまり気にして無かったみたいだし。日頃から社会人混じりのセッションで遊んでるツワモノどもだしなァ(笑)
子供はさっさと遊びたがるんですが、さすがに会場が広くて綺麗な分、ちょっとした緊張感もあったのか騒ぎにくかったようで、しばらく大人しくしててくれました。
オリエンテーションで崩壊しましたが(笑)
おおよそ見当が付いてると思いますが、オリエンテーションは TRPG に必要な属人技術を順に追ってます。
呼びかけは「話をする」ことの前提だし、呼吸法は「落ち着く/冷静になる」こと、文章つなぎは「連想する/創作する」こと。
それから、その後にTRPGの遊び方のガイダンスが来て、流れを理解してもらおうという次第。「呼びかけ」でコミュニケーションのハードルを下げ、プレイガイダンスの際には子供たちの方から説明をしてもらう。まあ先生役に立って偉そうにするのはいいんだけど、度が過ぎないようにマナー講座の楔を使う。まあ、そんな感じでやってました。
午後の部:セッション
セッションは 3卓立ったんで、僕は『迷宮デイズ』の卓を担当。
さすがに学校の先生らを前にして『シノビガミ』とか『ハンターズ・ムーン』は出来ない。『ハンターズ・ムーン』と同じ理由で『ガンドッグ・ゼロ』や『シャドウラン』も無理。こういう場でデッドリーなのはダメだと思います(笑)。また個人的には一番好きな『GURPS』は、キャラ作って説明してるだけで一日終わっちゃうし。
あと『ピーカーブー』は中学生には不人気なんで、選択肢からは除外。やっぱり小学生時分って、大して時間経ってないし、恥ずかしかったり「ガキっぽい」って印象が強いんでしょうね。ノスタルジー無しで遊ぶのは難しいタイトルです、あれ。
最初は「新・王国ブック」が出たばっかりで熱の上がってる『迷宮キングダム』をやろうと思ってたんですが、同席した先生がソード&ソーサリー適性が低かったんで。
ところで先生、あなたなんで「守護の剣」*1[守護の剣] = 状況設定に合わせてサンプルキャラクター「恐るべき子供」のREADをちょっとだけ改変したもの。データは「恐るべき子供」のまま。 を選択したんですか(笑)
READ「守護の剣」
あなたは旧い時代から人々を守るため、妖しの技を伝えてきた一族だ。その技量は若くして一流。先輩たちを次々に追い抜き、羨望と嫉妬を浴びながら、その技が役立つ日を待ちわびている。あなたの進歩の速さは目的あってのことだが、誰にもそれを話したことはない。子供が言い出したら笑われてしまうような、大それたことだから。
……先生は『天空戦記シュラト』世代でした(笑)
おっかしいなぁ。「善意の第三者」でそのまま先生役だか近所のオネーサン役だか、やってもらおうと思ってたんだけど。
なんか先生の封印(厨二病の)を解いてしまったよーな気がする。
キャラメイクの時とか、超ノリノリなんだもんなぁ。
大丈夫か、この人(笑)
シナリオは「現実の中学校の周辺で迷宮化現象が発生! 遅刻した生徒(病弱・友人)が迷宮に迷い込んだ」ってシンプルな話なんですが、そもそも『迷宮デイズ』を知らない子も混じってたんで、まだ「迷宮屋」が一般的でないってことにして、先生をはじめとする『迷宮デイズ』未経験者は「初仕事」ポジってことにして。
ありがちな「巻き込まれ型ヒーロー」ってやつ(笑)
ガイド役のベテラン迷宮屋を NPC に一人つけて、経験者ぶる PC 迷宮屋を見守りつつ、初仕事のメンツにあれこれ話しつつ、って感じで、えらい懐かしい雰囲気で遊んでました。
シナリオの意図
「現実の中学校の周辺」で、実際の地図も利用したのにも一応、狙いがあって。
それは「話題を作る」ってこと。
TRPG 初体験だとどうしても「お地蔵さん」になっちゃう人が多いんだけど、それでもまあ自分の知ってることで、それなりの確信を持てることなら発言してくれます。そして……まあこれは経験則なんで確かなこととは言えませんが、人間、「分からないことを分からないと表明して質問する」より「疑問に思ったことを尋ねる」とか「間違っていることを訂正する」方が発言しやすい傾向がありますんで。
子供の学校の周辺環境なんて、生徒や先生のほうが詳しくて当然なわけで。だからまあ、地図を使いながら「ここって何が有ります?」と聞いたり、地図記号から適当にでっち上げたものを訂正してもらったりしながら「発言/質問する」ことに慣れてもらうわけです。
それからもうひとつ、この質疑応答のプロセスを通じて、ゲームマスターの「情報を確定する権利」を自然な形で理解してもらう……なんて狙いもあったり。
ゲームマスターが参加者の発言を拾って「じゃあここには○○があるって事で」とか、逆に「まあこのゲームの世界では、この家では犬を飼ってるってことで」なんて具合にやってけば、自然と「質疑応答」から「前提変換」までのプロセスが定着してきますんで。
ゲームの性質そのもので言ったら、『迷宮キングダム』も『迷宮デイズ』も近似値にあるわけだけど、舞台設定の違いってのはそういうところで大きいと思うんですよ。
よく語られてるシナリオデザインとはスタンスが違いますが、「よくできたおはなし」なんぞより、よっぽど「みんながワイワイ話し合える」シナリオの方が、デザインとしては重要なんじゃねーかとか。いや、あんだけシナリオのフレーム化の話とか書いといてなんですが。
後記
今回は、あくまで自分の卓に限定すれば、反省点らしい反省点は思い当たらなかったり。
むしろ「反省点が思い当たらない」ということが最大の反省点というか。
要するに「冒険をしなかった」ってことなんで、失敗しなかったからいい、ということでもないんですが。自信にはなったけど経験の蓄積にはなっとらんし。
基本的な遊びについては体験してもらったから、あとは「もっとざっくばらんな環境で遊んでます」って様子を見せないとなー、なんてことは考えてます。
普段からこんだけキッチリやって遊んでますって思われたら面倒だ(笑)
ああ、そうそう。迷宮デイズを選んだ理由がもう一つ有ります。
それは「女子の評判がいい」ということ(笑)
男子は『シノビガミ』とか『ハンターズ・ムーン』とかでガチバトルやるのが好きみたいなんだけど、その辺の残虐ファイトっぷりに馴染めない子なんかには、あの辺のタイトルは評判が悪いので。
そういや昔も『ファー・ローズ・トゥ・ロード』が恐ろしく女子ウケが良くて、そのせいで総プレイ回数が 200オーバーとかの記録を樹立したりしました。「ソード・ワールドもクリスタニアもルナルも嫌だけど、Fローズだったらやる」という女子グループがあったので(笑)
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References
↩1 | [守護の剣] = 状況設定に合わせてサンプルキャラクター「恐るべき子供」のREADをちょっとだけ改変したもの。データは「恐るべき子供」のまま。 |
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「[report] 先生と生徒で迷宮デイズ(20100717)」への1件のフィードバック
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