[note] 書き忘れてたけど

　週頭に退院しました。
　ほぼ毎日、リハビリに通うようなんで、あんまし変わらんのですが。
　まあ、ここまで回復したらベッド空けろって話ですわな。
　入院費もバカにならんし(笑)

　以下、ちょっとマジ話になりますが、基本スルーの方向で(何)

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こっからちょっとマジ話

　まあのんびり歩いて電車乗ってとやってると、色々と刺激があって面白いですね。
　目に入ったものをひとつずつ言葉にしてみるとか、言葉にできない（思い出せない）ものがあったらその場でイラストにしといて、後で「これなんだっけ？」と聞いたりする。実は倒れる前から知らなかったこととかも混じってそうなんだけど、まあ賢くなる分には困ることもないわけで(笑)
　そんなわけで、通院自体がリハビリになってたりします。無駄がありません。

　手術後、当初ろれつが回ってないとか、特定の子音が作れないとか、ちょっと回復しても「J」が「Y」に、「Y」が「L」に置き換わってるとか、それが一時的なものなのかよく分からんかったんですが。意識がはっきりしてくるとその辺いくらか戻っていって、でも一部ちょっと続いてたりして……どうも失語症をやってたようなんですな。まあ早い段階で「なんか変だ」と気付いてくれて、えらい早い段階で発覚しまして。

　なんかでもアレだ。
　失語症になった人が、揃って言葉少なになっちゃう感覚を実感しました。
　発話の回復を目指したワークショップなんかもあるそうですが、周囲にそういう理解のある環境でないと、状態回復させるのも大変そうだとか思います。理解がないのか心無いのか、いわゆるゴリッパな大人の方々は、容赦なく間違いを指摘しまくったり笑ったり、そうあからさまに態度に表さなくても微妙な顔で応えたりしてくれますんで、話してるとどんどん気分が沈んでいって、なんかもう声に出して話すのがイヤになったりして。

　僕自身は早い段階で気付いたお陰で治療プログラムをすぐ実施に移せたし、そのお陰で前以上に引っ込み思案にならんで済んだんだろうなァ……とか思ってます。元々どっちかってと引っ込み思案(笑)な性分でしたが、これで話すらしなくなったら本気でヤバかったろうなァと思うし。
　環境を限定して発話を始めて、少しずつ環境を拡張していくようにして、なんとか普通に喋れる心境に回復したっていうのがあって。
　……この辺はまあ、なんか妙な経験の蓄積^*1[妙な経験の蓄積] = 具体的には「演劇とゲームに端を発する教育とコミュニケーションの諸学」とかそんな感じ。まさか自分で作った仮想プログラムが本当にちゃんと機能するとは思ってなかった。まあ自分の体感で作ったモンだから、誰に効かなくても自分には効くだろうとは思ったけど。ってやつが役に立ちました(何)

　日頃からメチャクチャ言葉の多い環境にいたお陰か、抜け落ちた言葉についても迂遠ながら情報が伝えられるので、「“何が分からないのか”が伝えられる」っていうアドバンテージがあったんだけど、それでもいちいち迂遠な表現をバッサリ要約されたり、錯音を指摘されたりすると、喋るの恥ずかしい気がしてどんどん内向的になっていっちゃうというか。
　あと、「いい大人がそんなことも知らんのか」っていう気恥ずかしさから、分からなくても聞けないっていう状況もたぶん有って。その辺は『今さら聞けない○○』なんて本が出版されるくらいには、一般的な感覚なんだと思うんですが。
　そういうのを辛抱強く聞いたり答えたりしてくれないと、嫌になっていきます。
　で、そうして辛抱強く応対してもらってる、ということが気になっても、やっぱり話をしない方が楽なんじゃないか？　とか考えちゃったりもして。

　まあでも長期的に考えると、それってマイナスが大きいわけで。
　普段、仕事馬鹿な生活を送ってたお陰で、話をする時間が足りなかったようで、まあ怪我の功名というか、この期にあれこれ話せたんですが。話してみて分かったのは、まあ当然のことなんだけど「話さなきゃ分からんことって多いよね」ということで。それ考えると自分の言葉を封じちゃうってのは、やっぱし NG ですよ。短期的には良くっても、中長期で考えるとストレスが溜まる一方だし、そうすりゃいつかは大地震ですわ。
　今年中に死ぬとかってんならまあ、「秘するが花」で上手いこと誤魔化せるかもしれんけど、そんなすぐに死ぬわけにもいかんみたいなんで(笑)