小学生の三年次の担任、恩師のカメさんが亡くなっていたそうです。
ここ三年ばかり、時節の挨拶もしていなかった不精が恨めしい。
師事を受けたのが二十年前で、最後に直接お会いしたのが十二年前。
考えてみれば子供にゲーム(RPG)教えたり、児童会をクラブ活動化したりと、えらく尖がった先生でしたが、なにしろ人間が面白かった。
僕みたいな人間が、一時は教師になろうと思ったのも先生の影響で。
まあ「人間の練りが足りない」と言われて諦めましたが。
それはさておき。
現在の環境では出来なさそうな、実験的な授業の進め方をする先生でした。
ゲーム感覚だったんです、何をするにも。
勝てれば嬉しい。
負ければ悔しい。
シンプルだけど大事な、自然な心の働き。
たぶん今やったら PTA がうるさそうな「班対抗陣奪り合戦」とか、面白かった。
小テストの点数を班ごとに合計したものが「勢力」で、それを「守備」と「攻撃」に分配しての陣取り合戦。
考えようによってはものすごくデンジャラスなゲームです。
なんだかんだ理屈つけて叩かれまくりそう。
でも面白かったし、みんな教科によって得意不得意があったから、国語で奪られても算数で奪り返したり、意外とデッドヒートしました。
バランスが崩れすぎないように、グループ間のトレード制度とかあったし。
まあアレも、たぶん当時ドラクエと FF が流行ってたってのがあるんだろうけど。
現場感覚なのか、何らかの研究レポートでも読んでたのかは知りませんが、今考えると要綱そっちのけのアプローチをしていたようです。
歌って踊って理科社会。アレは面白かった。
あんまし煩いと、隣のクラスの担任の……誰だっけ、通称「三角眼鏡」が怒鳴り込んできたモンですが(笑)
何につけてもやることが常識外れで、保護者の(特に教育ママたちの)評判はあんまし良くなかったようですが、生徒からは慕われてました。
面白い先生。
人間が面白かった。
もう一度、呑みたかった。
ああ、そうそう。そうだそうだ言い忘れてた。
最後に会ったのが十二年前って話はしましたね。
で、気付いた人もいるかも知れませんが、そんとき僕はまだ二十歳になってません。
ところが僕は懐古して「もう一度」呑みたかったと言ってます。
要するにまあ、十二年前に呑んだんですが。
……イカンだろう、教職(笑)