[掌篇] 17 : ゆびきりげんまん

「忘れたらいやや」
「忘れへんよ」
「いやや。わすれたら」
「ゆびきりしよか。おまじない」
「なあに?」
「死んでも忘れんで、一緒におれるんや」
「うん。しよ」
「ゆびきりげんまん・・・」
「・・・のーます!」
「これでもう大丈夫やよ」
「うん!」

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[短編] 16 : 遺言と嘘

 そのものは、死は全てを終わらせると言った。
 だがそれは嘘だ。
 父が、母が、夫が、妻が、男が、女が。
 有史以来、大人たちが吐き続けた虚言がある。
 無力にして最強の魔法が。
 ボロボロに傷んだ紙に、それはこうあった。
「これからは、ずっと見守っている」

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[掌篇] 10 : 桜の木の下で

 桜の木の下に、一人の女とメッセンジャー。
「あいつ、手が離せない用事があって」
「うそ。あの人に来る気なんてない」
 美しい哀切は、うす紅のカーテンの彼方。
「メッセンジャーは嘘をつかないものさ」
「一度聞いてみたかったの」
「なにをだい?」
「あなたは誰のメッセンジャー?」

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[掌篇] 09 : マッチ箱の店

 商品がうずたかく積まれている。
 皆が皆、赤い帽子をかぶってる。
 薄暗くて狭い店。
 あまりに狭すぎて、お客が思わず頭をゴチン。
 目から火花が出た。
 それ見て誰かが笑った。
 いつしか皆で笑ってた。
 明るくて温かい店。
 すぐに無くなってしまったけれど。

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[掌篇] 08 : あかずの間

 幼いころ、仲の良かった子がいた。
 あの子と遊ぶのは楽しかった。
 それが全てだった。
 大人になるにつれ、薄れていった記憶。
 誰もがそんな子はいなかったと言う、あの子。
 ぎゅっと目を塞いだ柔らかな岩戸、その向こう。
 ほら、後ろから声がするよ。
 だぁーれだ

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いろいろ書いてしまおう

 備忘録的に書いてしまおう。

 録画しておいてもらった「キャラメルボックスTV」を見る。知り合いは軒並みスカパーに入っていないので、東京MXの月イチ放送しか見ることが出来ない。今月末には『ジャングルジャンクション』が放送されるらしく、あれはもうどうにかしてDVDが欲しいのだが、今からスカパーに入ってどーこーしても間に合わないっぽいので断念。とりあえず録画しておいてもらった「我が名は虹」を見た。
 第一印象は「芝居が粗くないか?」だった。とはいっても実際にカメラのファインダー越しで見るのと、客席から生で見るのとはすさまじく印象が違う。それは当然で、役者は声を張り上げなければ劇場すべてに声を飛ばすことは出来ない。客席から見ていれば、それは普通に聞こえる声なんだけど、ファインダー越しにありえないポジションから見ると、やたらとガナっているように見えてしまうのは、だから仕方の無いことだと思う。でもその点を理解の上で見ても、どこか粗い気がする。気のせいならいいんだけど。
 今月は「リクエスト大会第1位作品」ということで、過剰な期待をしていただけかもしれない。心を静めて来月を楽しみにすることにしよう。

 DVDといえば、コンボドライブと512MBメモリが家に届いたらしい。入院前に発注していたブツだが、生憎と家の人間はだれもPCのストレージを開けて換装することができない。退院したら作業しなくては。

 話は変わって、登録はしたもののほとんどmixiを使っていない。ログインするのは数名のミクシィブログを読みに行くときばかりで、その人たちが外にブログを持っていたら、たぶんログインすらしなくなりそうだ。結局のところ、コミュニティにもロクに書き込んでいないのがイカンのだろうが。うーむ。

 メールで笑えるFlashのページを教えてもらった。しかし、正直なところ今は笑いたくない。僕は声を出して笑うのが好きだが、それをやると胸が痛いのだ。物理的に。イバールルルルアキィー!

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[掌篇] 07 : もう一度会いたい (暫定版)

「聞いた? 片桐さんの旦那さん」
「交通事故でしょ。新婚なのに、災難よねぇ」
「本当に。あら、噂をすれば」
「残念だったわねぇ、旦那さん」
「これから大変でしょうけど」
「ご心配なく。あの人は帰ってきますわ」
「え?」
「じきですの」
 大きくなったお腹を抱え、
 にこり。

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[0-0] イントロ仮稿(恥ずかしいなァ)

華やかなりし 薄暗がりの都
栄光と 礼讃と 知恵と 友愛と
そして狂気に満ち満ちた 糜爛した夢

貴族どもは 鶏鳴に眠る
尽きることを忘れた命に飽いて
上品な姿を自慢し 屈託もなく鷹揚で
死よりも苦悩を 虚無よりも煉獄を選んだ魔王ども

宵闇の中 お前は思い出す
かつて貴族に訪いを 接吻を受けたあの夜を
彼は言った “命をやろう
汝これより陽光を敵とし 猶 忘れえぬ絆を守るべう
灼かな煉獄の炎を 獣の業を 畏れぬならば”

狼の遠吼え聞く夜に お前は墓場から起き出して
彼方より 深遠の底よりの祈りが聞こえても
往かねばならない 絆を守るべく
吾身に眠った 獣の業より

― 或る己惚れ詩人の墓碑より

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