[ownwork] いちならべロールプレイング

あげなおし。

上の記事を読んで、フと以前ちょっと作ってみた物語遊びを思い出すの巻。

チャートが無いと遊べないんですが、どっかいっちゃったので困りんぐ。

ウチで遊んだことある人、誰か持ってない?

いちならべロールプレイング

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『いちならべRP』。

そのまんま、カード(トランプ)ゲームの『七並べ』を、スタートナンバーを 1 からにして遊ぶロールプレイングです。

「ゲーム」ではなく「遊び」です。なので「RPG」ではなく「RP」。

特にゲーム要素に縛られず、楽しめばいいじゃないかという姿勢が大事です。

競技性を除いたため「早く手札が無くなった人が勝者」というルールはありません。ありませんが、手札が早く無くなった人はそれだけ活躍した人ではあります。

わりと色々改造があります。

ということで、ルールフレームの解説。

ルール

ルールは「コアルール」と「ロールプレイルール」、それに「オプションルール」の三つがあります。コアとロールプレイは標準的に使用するもので、オプションは選択的に使用するもの、となります。

コアルール

コアルールは、基本的には『七並べ』に準拠します。

まあ開始ナンバーが 1(A)だとか、出せるカードの制限がキツいとか、色々違いはありますが。

『いちならべRP』コアルール
  • 遊ぶ物語の「物語タイプ」を合議により決定します。
  • 参加者全員にカードを均等に配ります。
  • 手札に A がある人は、それを場に出して並べます。
  • スペードの A を出した人から時計回りに、手札から 1枚ずつカードを場に出します。
  • 出せる手札は、場に出ているカードと同じナンバー、またはそれ以上のナンバーのものに限ります。
  • 出せる手札が無いときは「パス」と宣言し、左隣のプレイヤーに手番(ディレクター役)が移動します。
  • K のカードが出たら終了です。(参加者が希望するなら継続してもよい)
『いちならべRP』用語定義
カード
ゲームで使用されるトランプのこと。
チップ
ゲームで使用されるトークン(コイン)のこと。開始時に一人あたり 3枚持つ。
プレー
カードを場に出すこと。
ディレクター
カードをプレーするプレイヤーのこと。
キャスト
ディレクター以外のプレイヤーのこと。
プレイヤー
参加者のこと。

こんだけ。

ちょっと分かりにくいのが 5番目のルールですが、図にするとこんな感じ。

いちならべRPの遊び方

これはカードナンバーが時間軸を表してるからなんだけども。

ロールプレイルール

ロールプレイルールは、コアルールを RPG 風にアレンジするためのルールです。

  • ハートの A を出したプレイヤーは、ゲーム開始前の各プレイヤーたちの置かれた状況について「状況説明」を行います。これは「物語タイプ」のチャートを読み上げるだけでも構いません。
  • ディレクターは自分が出すカードに応じて「状況説明/ロールプレイ」をする必要が有ります。
  • 状況説明は、必ず「物語タイプ」のチャートで指示された要素を入れる必要があります。
  • 状況説明は 1回につき最長10分で終了とします。

オプションルール

オプションルールは、様々な目的でこの遊びを拡張するために適用されます。

これらオプションルールは、ゲーム開始前に使うもの、使わないものを参加者一同に周知しておく必要が有ります。

  1. ディレクターは、出せる手札があっても出したくないときは「スルー」と宣言し、次のディレクターに 1枚のチップを支払います。(最初に出す A は「スルー」できない)
  2. キャストはディレクターの状況説明に対し、自分のキャラクターで参加することができます。この際、キャストの意志でキャラクターに何らかの活躍をさせるごとに、キャストは 1枚のチップをディレクターに支払わなければいけません。
  3. ディレクターは物語が思いつかなかった場合、2枚のチップを他のキャストに渡すことで、代わりに語ってもらうことができます。この取引はディレクターと指名されたキャスト、双方が合意したときのみ成立します。
  4. 3、7、10、Q の各札は、最低 2枚(できれば 3枚)場に出るまで次のナンバーに進めてはいけません。

デザイナーズ・ノート(笑)

 とまあ、こんな感じのシロモノでした。  色々と記述抜けしてるんですが、まあそこんところは各自適当に補填してくれればよろしかろうと思います。ヒントというか何と言うか、たとえばプレイヤーキャラクターとかも全部「物語タイプ」別に用意されたチャートで作成するルールだったりします。

発想の根っこ

 ……とはいえ最初の最初は別に「みんなでおはなしを作る遊び」ではなくて、「なんか面白い話をしなければいけない遊び」のルールでした。  上記のルールとは逆に、カードが出せなかった人(パスやスルーした人)が面白い話をしなければいけない、という「罰ゲーム付き七並べ」が原型になります。  「百物語の語り手の序列をランダムにするバージョン」というか、まあ今で言えば『すべらない話』にちょっと近い。違うのは「順番が回ってきた人は、話したければパスしてもいい」という「話したい人の邪魔を極力避ける」ためのルール整備で、ロールプレイルールとかはありませんでした。  ちなみに、経験上そっちで遊んだほうが普通に面白かったです。ギャフン。

コンセプト/デザイン

で、それをカスタマイズして上記のようなシステムになったわけですが。

そのコンセプトは“複数の条件下から想像力を働かせて「おはなし」を作る”という、教育用ツールと、それからリレーマスター制で「おまえら全員ゲームマスターやってみれ」という意思表示(笑)

それと「ストーリー型ロールプレイング」のモデリング。ここでルール化してみたことは「機会が巡ってきたときに、用意された手札の中から選択的に手札を切る」ということで、コアルールが抽象的、ロールプレイルールが具体的表現という線引きになります。

コアとロールプレイを分離して書いてあるのにはもう一つあって、それはインストラクションの手順を意識してのもの。実際にこれを遊ぶのが始めての人がいるときは、とりあえずコアの方だけで遊んでみて、流れを理解してからロールプレイの解説、とやってたので。コアの方は単体で試しても負荷が軽いけど、ロールプレイの方は重いんで。

まあ、なんだかんだ言って興味本位で組まれたもので、本来「遊び」として重要な要素が、あんまり追求されてなかったりもするんですが。

そいつがまあ、次の「課題」になります。

なんとも実も蓋もない話なんだけど(笑)

課題

……ということで、課題は山積みだったりします。

最大の課題は、ぶっちゃけ

「これだけじゃ面白くない」

という一事に尽きるわけで(爆死)

ロジックは間違ってないと思うんだ。

でも、ただ遊ぶだけだと大して面白くない。

何かしらネタを盛り込んだり、ロールプレイルールで使うための「物語タイプ/状況説明チャート」をしっかり作り込んでおかないと、面白さはまったくプレイヤー任せということになって、これが大変ハードルが高かったりします。

チャートが未熟だったときからまともに遊べたのは、「百物語」を地でやれるだけの話術(構成/編集力)のある面々だけでした。

ハードル超高い。

どうでもいい話

……でもまあそれ以前に、今となってはこれを遊ぶのに必要な「しっかり作りこんだチャート」が無くなってたので、どうしようもないんですが。遊ぼうと思ったって遊べないものなんか、面白かろうが詰まんなかろうが関係ないのです(笑)  友人に話したら「もうだめぽ」と言われました。懐かしすぎます。

チャートを作るための物語構造分解用フレームは有るんで、作り直そうと思えば可能なんでしょうけど、今更作り直しても、わざわざこれで遊ぶ人いないしなァ。

まあ、何かに使えそうなら使ってください。

ライセンス

冒頭にもアイコン張っておきましたが、一応あれです、これはクリエイティブ・コモンズの「BY-SA」ライセンスです。意味があるかは分かりませんが、後でゴチャゴチャ揉めないために。