[chat] 20090506-3

2009/05/06 [3]

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シノフサさん(仮)
「忘れてた(笑)」
玄兎
「(笑)駄目すぎる」
シノフサさん(仮)
「じゃあ話戻して、落語をシナリオにするのは難しい?」
玄兎
「落語っても色々あるからねえ。人情話なんかはキャラが関わる余裕が無いものもあるし、まあそれぞれかなあ。しかしなんで落語?」
シノフサさん(仮)
「落語好きな人がTRPGに興味持ってる(笑)」
玄兎
「(笑)ああ、そういう話か。それは素晴らしい」
シノフサさん(仮)
「それで、落語とゲームの話とかしようかと思ったの」
玄兎
「なるほどねえ。そういうことなら、えー、でもお笑いってゲーム化するの難しいんだよなあ。実際、コンシューマでもほとんどお笑いそのものを扱うゲームって無いでしょう。PSPの『メガミの笑壺』くらいじゃない?」
シノフサさん(仮)
「そんなゲームあるんだ。どんなの?」
玄兎
「まだ持ってたかな。ちょっとそこの棚・・・なさそうだね。んじゃ兄貴に返しちゃったか。えーとあれだ、プレイヤーはひたすらツッコミを入れて相方のボケを生かして、ナンバーワンのコンビ芸人になろうとするゲーム」
シノフサさん(仮)
「なにそれ(笑)」
玄兎
「(笑)うん。まあそういう反応だよねえ」
シノフサさん(仮)
「面白いの?」
玄兎
「ツッコミがミニゲームになってたりするんで、まあ楽しめるといえば楽しめるのかもしれないけど、どうなんだろ。面白いのかなあ」
シノフサさん(仮)
「やったことあるんでしょ?」
玄兎
「あるよ。あるんだけど、なんつか、隔靴掻痒つか、そんな感じでいまいち」
シノフサさん(仮)
「なんとなくだけど、お笑いが分かってない人が作っちゃった感じ?」
玄兎
「お笑いが分かってない?」
シノフサさん(仮)
「ボケツッコミなら漫才でしょ?」
玄兎
「だねえ」
シノフサさん(仮)
「漫才の面白さとか、自分で漫才をやりたいと思う人の感覚ってさ、正しいことをやりたいわけじゃないじゃん?」
玄兎
「ほう?」
シノフサさん(仮)
「漫才って正解とか不正解とかだけじゃないじゃん」
玄兎
「ああ、えーと、正解は一つじゃないってこと?」
シノフサさん(仮)
「そんな感じ。その日のお客さんのノリとか、好みとか、温まってるかとかでアレンジしないといけないわけでしょ?」
玄兎
「ああ、おお、うん」
シノフサさん(仮)
「そういうところとか、作りこめない気がする」
玄兎
「作りこめないだろうねえ。作りこめたとしても、覚えゲーなのは一緒だし。パターンが多いだけで」
シノフサさん(仮)
「それって別にお笑いじゃないじゃん」
玄兎
「なるほど。確かにそれはあるなあ。自分の笑いとゲームの笑いがずれてるところは逆にものすごいフラストレーションになったし(笑)」
シノフサさん(仮)
「旦那の笑いは時々わかんない(笑)」
玄兎
「(笑)うっさい。それよか落語だ」
シノフサさん(仮)
「そうだ落語(笑)」
玄兎
「落語とTRPGなあ。まあ大岡越前あたりかなあ」
シノフサさん(仮)
「うん?」
玄兎
「いやテレビの大岡越前ね。加藤剛のやつ」
シノフサさん(仮)
「将軍がバカ殿のやつ?(笑)」
玄兎
「(笑)そう、それ」
シノフサさん(仮)
「落語なんてあったっけ?」
玄兎
「いや大岡裁きといったら三方一両損とか、そのまま落語になってる話もあるから。あれ元は大岡政談だっけ?」
シノフサさん(仮)
「三人が一両ずつ損して一件落着とかっていう?」
玄兎
「そうそう」
シノフサさん(仮)
「あれでも鬼平とか見てると、一両とか簡単に投げ出せるほど奉行所ってお金あったの? とか思わない?」
玄兎
「思う思う(笑)。いやでも鬼平は金遣いが荒そうだからなあ。緊縮財政っぽい大岡越前守なら問題ないのかも」
シノフサさん(仮)
「あれがシナリオになる?」
玄兎
「まあ、落語のままだと使いづらいからひねる必要はあるんだけど。大岡越前は落語のネタをシナリオに使ってるものが結構あるんよ。もっと使いやすいところでは目黒の秋刀魚」
シノフサさん(仮)
「どんな話だっけ」
玄兎
「殿様って毎食毒見されて、冷たいご飯しか食べられないでしょ。で、あるとき目黒で焼きたての秋刀魚を食べたらそりゃあもううまかったと。で、城に戻って秋刀魚が食べたいというと、冷めた秋刀魚が出てきてこれが美味しくない。この秋刀魚はどこのものかと聞いて、家臣が日本橋魚河岸でと答えると、殿様がそれはいかん。やっぱり秋刀魚は目黒に限る。とこう、落ちる話」
シノフサさん(仮)
「世間知らず?」
玄兎
「いや、実際秋刀魚は目黒のあたりで食べられてたのが一番美味しかったって説があるんよ。江戸時代には目黒ったら内陸でね、あそこは芋の産地だった。それでまあ芋の行商人が、売り掛けで秋刀魚を買って帰るわけだ。秋刀魚ってな塩を利かせて2、3時間置いたもんが良いって言ってね。ちょうど目黒の芋売りが芝浜あたりで芋売って、秋刀魚仕入れて目黒に帰るとそれくらいの時間なわけ」
シノフサさん(仮)
「じゃあ殿様はものを良く分かってる。それに比べて家臣の馬鹿侍はっ、て話?」
玄兎
「ひとつにはそういう読み方があるね」
シノフサさん(仮)
「他にもある?」
玄兎
「口役、毒見役の話が入るんだけど、秋刀魚ってのは脂の乗ってるのをごろりと塩焼きにするが美味しいわけでしょう。秋刀魚なんてな江戸では下魚、大衆魚だから、まあそういう大雑把な調理が当たり前だったわけ。ところが毒見役は、やれ脂は体に悪い、わたは苦い、小骨が喉に刺さったら大変だ、とかやって脂の抜けた秋刀魚にしちゃうわけね。あれこれ手を入れて台無しにしちゃうと」
シノフサさん(仮)
「もしかして風刺?」
玄兎
「お、いいね。どういう?」
シノフサさん(仮)
「あれこれ手を入れてバラバラにしちゃうと、味も素っ気もなくなっちゃうとか」
玄兎
「なにを」
シノフサさん(仮)
「政治とか。法律とか」
玄兎
「なるほど。そういう読み方もあるだろうね」
シノフサさん(仮)
「話が回ってない?」
玄兎
「っていうと?」
シノフサさん(仮)
「世間知らずなのが殿様なのか毒見役なのかとか」
玄兎
「ああ、うん。どっちもなんだろうね」
シノフサさん(仮)
「どっちも? どっちに見てもいいってこと?」
玄兎
「そゆこと。たぶん不敬で裁かれたりしないように、解釈次第でどうにでも読めるのが深みでしょ」
シノフサさん(仮)
「やっぱり笑いは説明しちゃ駄目だ(笑)」
玄兎
「古典落語は当時の情勢とか分からんと意味が分からなかったりするのが困る。あらかじめ理解してないと分からないのに、説明されると興醒めになるという」
シノフサさん(仮)
「勉強しないと分からない笑いって」
玄兎
「そういう笑いもでもあるんだけどね。レトリックとか」
シノフサさん(仮)
「だから古典は若い人に嫌われるんだ(笑)」

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