[TSDE] 『TRPGシナリオ作成大全 Vol.4』も読んでみよう.2

ねむーい!! 仕事上がりに書いてます。

で、えーと。

昨日紹介した最初の 3 本は「がっちり強靭な構造でシナリオを作りたい人」向けでした。

では今日紹介する 3 本は? というと、これは「セッション中の盛り上がりを楽しみたい人」向けって感じになるでしょうか。

とまあそんなわけで『TRPGシナリオ作成大全 Vol.4』のレビュー第二回を始めるとしましょう。

ショートシナリオのススメ

黒兎そよ氏による、短いシナリオに関する解説。

TRPG のシナリオを一本書き上げるのは、意外と大変な作業ですね。 (中略) 大変と思う時はあるはずです。

……ええ。そりゃもう大変です。面倒くさいったらない!

そんな時は、ショートシナリオを作って見ませんか? ――そんな時はイベントを絞り込んで、ストーリーの中のある一場面にフォーカスして遊ぶってのはどうでしょう?

ということで、ストーリーのある一場面にフォーカスしたシナリオを作ってみるのはどうでしょうか? って話です。実際、こうしたショートスケールのセッションに対するアプローチって既にいくつかあって、公式タイトル側からどんな提案がなされているのか、なんてことも紹介されてたりします。

こうしたアプローチについては、以前 Vol.2 でも「シーン独立型シナリオ」って形で紹介されていますが、そちらは第二幕 [1]いわゆるミドルフェイズ相当のシーンを切り出してクライマックスにつなげる手法の紹介でした。

ではこちらはというと、切り出してるシーン例がこれ、クライマックス相当なんですね。で、そこから情報密度をあげて(あるいは掘り下げて)ゲームの要素を拡張し、一本のシナリオまで伸張する。そういうアプローチかなと。

あと、簡単といってもちゃんとゲームとして成立するように、抑えておくべき要素について解説されてますんで、「ちょっとこういうシーン遊んでみたいなー」ってところから、パッとシナリオを立ち上げていく。そういう流れを作るうえでも読んでおいて損はないんじゃないかと。

予定管理型シナリオのすすめ

筆者は Canl 氏。 Twitter のプロフィールを拝見すると、思わずニヤリとしちゃうタイトル群が並んでおりましてもう(笑)

……閑話休題。

さて、ここで紹介されている「予定管理型シナリオ」ですが。

例としてバッドエンド回避型とでも言うのかな、シナリオで先々の予定が設定されていて、 PC がそれを阻止しない限りバッドエンドになっちゃうよ(あるいはエンディングランクが下がるなど)……という形式のシナリオに関する解説です。

そうしたシナリオを作るうえでのチェックポイントと、この種のシナリオ形式がどんなストーリーに使用できるかをまとめて紹介してます。

特に「やってはならぬこと」としてまとめられたバッドノウハウについては、ほんと気をつけにゃならんコトばかりなので大変です。「何故」がハッキリしてるのがとても良い。

さすがに「適量」というのがどの程度か? ってところまでは分からないんですが、それはほんと参加者個々人や状況(主に体力/集中力における)なんかに絡んでくることなので。 [2]マスタリング論としては、情報の解像度を段階的に上下させるラダーリングのテクニックがある。

戦闘によらないシナリオ作成

こちら筆者は黒兎そよ氏。前述の「ショートシナリオのススメ」に続き 2 本目です。

「テーブルトーク RPG って、結局は戦闘で解決するんだよね?」って偏見に対して、「いやいやいや別にそうと決まった話じゃないですから!」って話ですね。

ゲームシステムを【戦闘型】【混在型】【非戦闘型】の三種類に分けて、まずは【非戦闘型】ゲームシステムの『ゆうやけこやけ』から、また【混在型】として『りゅうたま』と『駅前魔法学園!!』から、それぞれ戦闘を解決手段としないシナリオモデルを検証しながら「戦闘をせずにゲームを成立させる方法は?」ってところを探っています。

これはもう、とにかく読んでもらっちゃったほうが色々と手っ取り早いかなァ。

これも実は「ショートシナリオのススメ」の変法だと思うんですが、それぞれ短い(といっても『ゆうやけこやけ』で 2p と『りゅうたま』+『駅前魔法学園!!』で 2p はある)ながらにゲームシステムの解説になってたりして個人的にちょっと得した感もあったり。

もちろん、なんでもかんでも非戦闘系シナリオにすりゃー良いってものでもなく。その辺にもちゃんと触れられているあたり、ポイント高いです。

でもそれはそれとして、僕は昔っから「TRPG = 戦闘」みたいな認識がどーも好かんというか、「戦闘なんて所詮は手段のひとつに過ぎないのに何で毎度そればっかなん?」ってスタンスなもんで、こういう話が他の人から出てくると嬉しくなっちゃうのです(笑)

ってなところで

今日はこれまで。

明日は戦闘バランスの取りかたに悩む人、昔々のマスタリング論に興味のある人、『艦これRPG』で安定したシナリオを作りたい人向けの 3 記事についてレビューしていきますねー。

References

References
1 いわゆるミドルフェイズ
2 マスタリング論としては、情報の解像度を段階的に上下させるラダーリングのテクニックがある。

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