勧められて、読んだのが今月頭。
「とりあえず1巻だけで……」とケチぶりを発揮し、1巻だけ買って本屋からスタジオまで歩き読み。
そのままUターンして2巻購入。
おかげさんで遅刻しましたけどねー(笑)
で、今日は3巻を買って来ました。
「逃げない」
聞こえは悪いけど、本作の主人公の八軒勇吾。脱走兵です。
いや別に軍事モノでもなければ兵隊でもないんだけど、学生たちの競争社会から逃げ出しちゃった子です。
その逃げ方も姑息で、「農業高校ならトップ楽勝」で「寮生活だから家に帰らなくていい」という、中途半端に考えられた理由。
競争社会の「トップでなければならない」という価値観を持ち続け、しかしそうした環境のベースとなる「家庭」からは逃げている。
で。
まあでもね、農業高校って目の前に生命と生活が転がってんのよ。
そうするとまあ、生命や生活っていうのは学生たちの競争社会とはまた別の価値観があって、価値基準がある。
しかも同級生の多くが農家の跡継ぎで、目標とか当たり前に持ってる。
そこに立ってみて八軒くん、少しずつ色んなコトを考えて、体験して、理解したり納得したりしていく。
このひとつひとつがね、もう堪んないわけ!(笑)
個々のイベントも生活に直結した、子供の小理屈なんかじゃ太刀打ち出来ないような、アッケラカンとした絶壁で。
説教じゃないのね。
ただ厳然とした事実がドン、と目の前に置かれてる。
ここからは、コレ読んでちょっと思ったこと。
そういう話は出てないんだけども。
この厳然たる事実。
どうしようもない絶壁。
つまるところの「思い通りにならないこと」ってのは、たぶん八軒の中学時代と変わんないのね。
それは変わらないんだろうけど、それが受け入れられるかどうかっていうのが、どっかにある。
それがどこなんだろうね? というのは、人それぞれ色々と答えがありそうで。
「“誰の言葉なら” “どんな言葉なら”素直に聞けますか?」