前に「昔は PBM のマナーガイドを参考にしていた」と紹介したと思うんだけど、実際どんなテキストだったのかを、ちょっと紹介してみようかと思って。
いったいどんなことが書かれてたのか?
情報としては、より「コンベンション向け」ってことになるのかな?
まあでもアレだよ。「親しき仲にも礼儀あり」ってことで。
ページの内容
ホビーデータの『七界の剣』プレイングマニュアルより(p.97~100)
五 マナーを守ろう
ネットワークRPGをしていると、たくさんの人と知りあい、つきあっていくことになります。それはとても楽しいことなのですが、人間どうしですから、誤解したり、ハメをはずしてしまうこともあります。そうした誤解やちょっとしたマナー違反が、トラブルに発展してしまうこともあるでしょう。ところが、マナーを守らずにトラブルを起こしてばかりいる人は、みんなに嫌われてしまいます。反対に、マナーや礼儀を守る人は、信頼され、どんどん友達が増えるでしょう。結局、マナーを守ることは、ゲームを楽しむ条件のひとつなのです。せっかく参加したゲームなんですから、みんなで楽しみましょう。
PBM(ネットワークRPG)は「手紙だけの交流」ってのも少なくないし、相手の顔が見えないってのは「相手を知るための情報」が少ないってことなので、やっぱりトラブルは多かったんだろうなァ……とか思ったり。
自分も、なんかえらく不躾な手紙をもらって「丁重に」お断りした事もありましたが。
この頃は相互の住所を知らせずに済むように、運営会社が仲介サービスなんかやってたんですよね。
当然ながら、(電子)メールとかまだ無かったんじゃよ(笑)
礼儀を守る
手紙を書いたりイベントに参加するときには、礼儀正しくするようにしましょう。とはいっても、なにもガチガチに堅くなることはありません。ようは、相手やまわりの人を不愉快にさせなければいいのです。どうすればいいか困ったときは、常識で考えてください。たとえば、初対面の人にいきなり友達と話すように話しては失礼です。きちんと敬語を使いましょう。また、いくら仲良くなったとしても、年上の人に敬意を払うことや、異性に対して下ネタを連発しないことなどは、忘れないようにしましょう。そういったことを気にしない人もいますが、だからといってなんの気配りもしないのは考えものです。とにかく、どんな場合にも、相手の立場を考えることが大事です。
あなたが誰かを、自分の参加しているイベントや同人誌に誘ったり、一緒にアクションをかけようと頼んだとしましょう。快く受けてくれる人もいますが、ときには断られることもあります。だからといって、相手の人を悪く言ってはいけません。どんな人にも都合がありますし、他にやりたいことがあるのかもしれません。断られたからと、その人を避難したり、しつこく理由を追求するのはマナー違反です。なるべくおおらかな気持ちで受け止めるようにしましょう。あなただって「どうして○○しなかったんだよ」なんてせまられるのはいやでしょう?
実は「常識で考える」っていうのも難しいんですよね。
PBM の参加者の年齢層は、上から下までけっこう広いんだけど、やっぱり学生さんもそれなりの数がいるわけで。
そうすると「社会人の常識」ってのを知る機会が少なくて、その辺がトラブルの原因になりやすい。
それでもちゃんと、丁寧な文面の手紙だったら「まあ子供だし」ってことで、やんわりアレコレ教えてくれようとする親切なプレイヤーにも出会える可能性はあるんで、常識が分からないとしても、せめて丁寧な言葉を使うようにしましょう。
……このへんは体験談です。
●電話のマナー
情報を素早くやりとりするには電話がとても役に立ちます。ですが、同時にトラブルのもとにもなりがちです。特に家族と同居している人や異性にかける場合には注意が必要でしょう。見知らぬ人から電話がかかってくると、家族はけっこう不安になるものです。ですから、いきなり電話したりせずに、あらかじめ手紙で、電話できる日時を確かめてからの方がよいでしょう。なかには、電話での連絡はしないで欲しいという人がいることも覚えておいてください。それから、深夜の電話は、たとえ本人どうしが平気であっても、家族や隣近所の人には迷惑かもしれません。
また、あなたが誰かに電話番号を教えるときにも、本当に仲良くなった人だけにするなどの注意が必要です。
今では携帯電話で一人に一台、直通電話があるような状態なんで、ここで書かれた内容は時代遅れになっていて、多少なりとアレンジをする必要があると思うんだけど。
逆に、固定電話で自分と異なる世代の人間とのコミュニケーションが減ったことで、その手の礼儀の尽くし方ってのを身につけられてない子も少なくない……なんて話も聞くし、実際そういう子にもよく出くわした。
あとまあ、そういうこととは関係なしに、「深夜の長電話」はやめといた方がいい。
ゲームの話となると、盛り上がって楽しくなることは少なくないけど、そうすっとまあ、どうしても声が大きくなりがちだし。
僕はよくボリュームつまみがブッ壊れる人なので、よく叱られたり怒鳴られたりしておりました。
ゴメンナサイ。
●イベントのマナー
イベントに参加したときに、むやみに騒いだり会場を汚すことは、当然マナー違反です。会場や待ち合わせ場所はたいてい公共の場ですから、ネットワークRPG参加者以外の人も近くにいます。参加者どうしだけではなく、その人たちにも迷惑をかけないようにしましょう。ネットワークRPGの仲間には礼儀正しくても、社会のルールが守れないようでは、どうしようもありません。また、イベントはとても楽しいものですから、話がはずんで思わずハメをはずしてしまいがちです。そんな時にはお互いに注意しあうようにしましょう。注意するときも、よほど悪質なことをしているのでもない限り、やんわりとしてあげた方がよいでしょう。その人も別に悪意があってハメをはずしたわけではなく、ただちょっと興奮しすぎてしまっただけなんでしょうから。もしも、あなたが頭ごなしに注意されたら、素直に反省しにくいでしょう?
それから、これはベテランの人がやりやすいマナー違反ですが、イベントで昔のゲームの話ばかりするのは考えものです。そのゲームに参加していなかった人は、なんのことか分からず、疎外感を感じてしまいます。せっかく『七界の剣』の参加者として集まったのですから、みんなと共通の話題を選びましょう。昔のゲームの話は、イベント後のお茶会でも出来ます。
イベントもネットワークRPG全体と同じで、みんなで協力することで楽しくなりものです。参加する人は「お客さん」ではなく、イベントを作る一員なのだと思ってください。
この辺はもう、コンベンションのマナーガイドとして普通に使えるんじゃないかしらん?
まあ書いてあるとおりだと思います。
●手紙と同人誌のマナー
手紙は、ネットワークRPGをしていれば、何通も書くことになるでしょう。手紙では、電話やイベントとは違って、言い直しができませんから、文面には特に注意しましょう。悪口や脅しは絶対にやめてください。皮肉や文句も、できるかぎり避けた方がいいでしょう。書いた本人にその気がなくても、相手にとってはそう感じられるかもしれません。ちょっとした皮肉がもとで交流が途絶えてしまったとしたら、悲しいでしょう? 手紙を書く前によく考えて、そういう文章は別の表現に変えるようにしましょう。どうしても書き直せないならば、そんな人を傷つけるかもしれない文章は、すっぱりと削ってしまいましょう。
これらのことは、同人誌に記事を書くときにもいえることです。同人誌はたくさんの人が読むものですから、さらに気配りが必要です。特に、特定の個人の悪口を乗せると、取り返しのつかないことになってしまいますので、やめてください。なかには毒のある文章が売り、という人や同人誌もあるでしょう。そんな場合にも、その記事が人を傷つける危険を冒してまで書く価値があるものかどうか、よく考えてください。
電子メールや掲示板なんかは、一度に大量のテキストが送れる分だけ推敲のチャンスも多いんだけど、チャットや IM(インスタントメッセンジャー)、今だとさらに Twitter なんかになると、即時性の高いやりとりが行われやすいんで、どうしても推敲を忘れがち。
でもやっぱ気にした方がよかろうな、と思いますですよ。
ただなァ……
テキストチャットだと手が止まるよりは、テキトーに探りながらバンバン発言した方が良いケースもある。
この辺ちょっと難しい。お互いの距離感だよねぇ。
まあ日常的に推敲するクセをつけとけば、慣れで速度もアップするだろうし、オススメ。
悪口は言わない
ネットワークRPGには何千人もの人が参加していて、その一人一人が違う考え方を持っています。だから、たくさんの人とつきあっていると、どうしても自分とは馬のあわない人とも会うことになるでしょう。そんな時は思わず、その人と対立してしまったり、悪口を言ってしまいがちです。また、他の人に「あの人のここが嫌いだ」などと話してしまうこともあります。しかし、これは当然マナー違反です。あなたが話した相手は、悪口を言われたその人に好意を持っているかもしれません。自分の好きな人をけなされて楽しい人はいないでしょう。それに悪口を言う人が好きという人もいません。
さらに、悪口を言ったお陰である人たちの仲が悪くなると、まわりも気まずい雰囲気になってしまい、その友達もつまらない思いをします。自分のことだけを考えないで、まわりの人達がどう思うかを考えるようにしましょう。
コレ大事。超大事。
「苦手」と「嫌い」は違うと思うんだけど、なんとなくの苦手意識を「嫌い」と誤認しちゃうケースがあるんで要注意。
その種のガス抜きは、ゲームとは無関係なところでやれるのが一番だと思う。
あと「悪口」と「諫言」ってのも別物……なんだけど、これは「諫言の形をした悪口」ってのが少なくないんで、ちょっと扱いが難しい。
本人も義憤と思い込んでる私憤とかね。
PCとプレイヤーを区別する
ネットワークRPGでは、リアクション上であなたのPCが他のPCに殺されたり、暴言を吐かれることがあります。思わずカッとするでしょうが、ここはこらえてください。PCとそのプレイヤーは別の人間です。たとえPCがとんでもない大悪人であっても、そのプレイヤーはあなたと同じようにゲームを楽しもうとしているのです。
リアクション上でPCが対立しても、相手のプレイヤーがあなたに悪意を持ってやっていることではありません。たとえばスポーツの試合では、相手が憎くて戦っているのではないでしょう? ネットワークRPGでも、そうです。シナリオが進んでいくと、どうしても対立するPCが出てきて、うっとうしく思うかもしれません。けれど、なんの障害もないシナリオが面白いでしょうか? ライバルと争い、かけひきすることが、よりゲームを面白くするものです。
それから、PC同士の関係はプレイヤーの関係とは別物です。あなたのPCの部下だからといって、そのプレイヤーがあなたの部下なわけではありません。あくまでプレイヤーどうしは同じ立場にあります。あなたが他の人のPCの行動を決定することはできないのです。
我が子(PC)が可愛いのは、みんな一緒なんよね。
だから自分の PC が酷い目に合わされたり、割を食ったりしたら、良い気がしないのも仕方ないと思う。
他人の出番食っちゃう人とか……まあ今のシーンプレイヤー制とか使えばだいぶ解消されると思うけど、やっぱそういうのは有るんじゃないかと思ったり。
PBM は普通に PvP が起こりうるから、この辺の注意は TRPG よりキツくなるし、ちゃんと明記する必要はあるんじゃろな。
PCの行動に責任を持つ
PCとそのプレイヤーは別の人間です。しかし、だからといってPCに何をさせても、その責任をとらなくていいわけではありません。よく「PCが勝手に行動したんだ」とか「あれはPCの意見であって、僕の意見とは違う」という人がいます。それが人に迷惑をかけない行動や意見なら、問題はありません。けれど、なかには迷惑をかけたあげく、そう言ってごまかしてしまう人もいます。しかし、いくらPCが勝手にやったことだと言い訳しても、まわりの人はそうは思いません。そのPCを作り、行動させ、意見を言わせているのは、やはりそのプレイヤーです。ですから、その行動の責任はプレイヤーにあるのです。PCの行動に責任を持てない人は、もはやそのPCのプレイヤーとは言えません。
前述の「PC とプレイヤーを区別する」とは逆の話になっちゃうけど、これも大事。
というか「他者に寛容なれ」と「自らを厳しく律せよ」ってのはマナーの基本なんじゃろね。
そこんとこで「自らに寛容なれ」と「他者を厳しく律せよ」になっちゃう人が……少なくなかったりする。
モンスタークレーマーとかって、そんな感じですわな。
まとめるんだかまとめないんだか
……と、こうして読んでみると(内容は古いけど)良い事書いてあるじゃないか! って気がする。
この辺の蓄積が、コンベンション志向の TRPG に反映されていったんじゃないかなーとか思ったりもして。
まあ口を酸っぱくして「礼儀を守れ」とか「マナーを守れ」とか言われるのも、堅苦しくなって嫌気がさす人もいると思う。
だけども基本「ゲームを楽しむため」の心配りだからね。
結局は「自分のため」なんよ。
まあアレだ。
「情けは人のためならず」とか、なんかそんな感じで。
……ただの全文引用ってのは気が引けると言うか、それこそ「マナー違反だろう」ってなモンなんで、だらだら書いちゃいました。
まあ僕のグダグダ話は放っておいて、引用部分を読んでくださいな。