「情景描写」の部分に苦手意識があるプレイヤーさんは、けっこう多いようです。
特に初心者さんからは、そういう話をよく聞きます。
「リプレイみたいに話せない」とか。
……まあそりゃリプレイは整形された文章なんだから、そのまんまで話せる人っていうのはそれなりのスキルのある人だけだと思います。
僕もあんな風には喋れません。
喋れませんが、なんだかんだで 20年以上 TRPG 遊んでます。
だからまあ、ああいうレベルの情景描写は出来なくてもいいと思います。
「大丈夫。難しくない」
とは言ったものの、そんな言葉だけで安心できれば世話ないわけで、そこで尻込みしちゃう人っていうのは、いくらでもいるように思います。
で、そういう人たちをどうすればフォロー出来るのか?
対処-1. リプレイの希釈
ひとつの方法として、リプレイに対する過剰な評価を薄めるって方法があります。
これはゲームプレイからは乖離した方法で、ぶっちゃけて言えば「実際にプレイしたものを商業リプレイのように整形して見せる」ってやり方です。そうすることで、商業リプレイを「もしかして自分たちのプレイ風景とそんなに変わらないんじゃ?」って思わせる。自分たちのプレイも読み物としてそれなりのものに編集出来れば、まあ過剰にリプレイとの格差を意識することは無くなるようです。*1[自プレイのリプレイ化による商業リプレイの適正化] = リプレイ化の効能については、また違ったニュアンスで「実感を与える直接的な手段」でも触れました。
これでクリア出来る場合は、この先に進める必要はありません。
でもまあこれは「とりあえず一回遊んでみないとダメ」っていうハードルがあります。*2[一回遊んでみないとダメ] = もちろんこれも「観戦してもらったセッションのリプレイを丁寧に編集する」って方法で、ある程度はクリア可能なんですが。
そこで次に、実際のプレイ中に「情景描写」をフォローする手段はないか? と考えるわけです。
……ってことで前振り終了。
次回は『聖珠伝説パールシード』の話だったり。
閑話)自由最後の砦としての「情景描写」
ちょっと興味深いと思ってるのが、この「情景描写」について支援してるシステムって、ほとんど無いんですね。「状況説明」についての支援っていうのは、たとえば『トーキョーN◎VA』のコネクションとか、『ダブルクロス』のロイス・タイタスとかいったルールがあるんだけど、じゃあ実際に「どのように描写すればいいのか」っていうことを支援してるルールっていうのは、ほぼ皆無。
まあ TRPG って遊びは、ルールにせよワールドにせよ、整備を進めることで自由度を失っていく部分が必ずあるわけですが、「情景描写」はその最後の砦のようなところがあるので、ここに手を出そうという人は、ほとんどいないっていうのも分かります。ある種それは、ゲームデザイナーの良心でもあると思うし。
でもその結果として、「情景描写」の難しさは TRPG 実プレイに入門するときのハードルとして、存在している。「好きな物語の中から引用すればいい」とかよく言うわけですが、「どこまで語っていいのか」とか「イメージはできるんだけど言葉にするのが難しい」とか、そういうハードルは全く解消出来なくて。
「お地蔵さん」と言われる人たちに話を聞くと、何割かは「どう話していいのかが分からない」って言ってましたし。ここをクリアする方法って、なんか無いもんですかね?