[chat] 20100104#5-言葉を増やすために

言葉を増やすために

ケイ
「で、実際どう思うよ。荒らしにならねえかな?」
玄兎
「何がですか?」
ケイ
「ネット見てねえか?」
玄兎
「年末年始、見られる環境にいませんでしたが。今だってこんなだし」
ケイ
「それじゃしょうがねえか。最近な、はてブ使ってみようと思って、んでまあTRPGのネタに絞ってんだけど。たまに別のネタもブクマするんでTRPGタグ付けて分けてんだけど」
玄兎
「それが荒らしにならないかって話ですか」
ケイ
「タグ付けっと一気にズラッと並ぶだろ。荒らしくさくねえ?」
玄兎
「なるほど。そう思うなら、むしろ増やしてはどうかと(笑)」
ケイ
「なんでお前はいつも逆をいけと(笑)。こっちは真面目に」
玄兎
「待った待った、待って下さい。ちゃんと条件と理由が」
ケイ
「なんだ条件って」
玄兎
「ちゃんとTRPGに関係する話にタグ付けること」
ケイ
「そらまあそうだわな」
玄兎
「荒らしって関係ないエロサイトとかにタグ付けて過疎らせることでしょう? ちゃんと関係あるとこに付けてりゃ問題ありませんよ」
ケイ
「まあ、そりゃそうかもしれんが」
玄兎
「んで理由の方は、ケイさんでもそう考えるってことは、他にも同じように考えて、控えてる人がいるかもしれんわけです」
ケイ
「でもってなんだ、でもって(笑)」
玄兎
「あいや失礼。まあそれはいいとして、他にも同じようなことを考えて、手控えてる人もいるかもしれないわけです。そういう人たちを掘り起こすことを考えると、突撃してくれる人がいた方が嬉しいわけで」
ケイ
「俺に開拓しろってか?」
玄兎
「平たく言えば、そうですね。生活レベルのリスクを負わない範囲でいいんで、言葉を増やして欲しいなあと。また開発始まれば忙しくなるんでしょうし、それまでの間で構いませんから」
ケイ
「まあ問題がなけりゃあ止める気もないんだが」
玄兎
「ならお願いします。あと、はてなったらはてなスターってのがありますが、あの辺もニュアンスが分かったら使うようにしていってくれると」
ケイ
「スターな」
玄兎
「Firefoxのアドオンではてブのツールバーが確か有ったと思うんで、その辺使えばかなり楽にやれると思います。楽しんでもらえるのが一番ですが、その辺は適当に。うん、予想外のところから穴が埋まりそうだ。あとはTwitterの方かな」
ケイ
「なんだ?」
玄兎
「言葉の増やし方とか、ちょっと考えてて。ギャラ代わりにこのインタビューというか、対談形式でエントリ上げてもらってるのも、その一貫なんですが」
ケイ
「ネタバレか?」
玄兎
「まあ、そうなんですけど。対談記事のちょっと特殊な効果とか、どこでTweetが生まれるのかとか。つまり焦点の移動なんですけど、話題の生み方というか」
ケイ
「詳しく」
玄兎
「ひとつはさっきも言った、焦点の移動。自分の考えを話すとき、論文形式で書くと読者とマンツーマンで対話をすることになるわけですが、対談形式だったら考えは対談相手やインタビュアーに向けて話されるわけで、つまり言葉の焦点がずれるわけです」
ケイ
「直接対話にならねえから、話が伝わらねえのも仕方ねえとか?」
玄兎
「それもあります。今回のも、エントリにアップされたとしても、対象はケイさんだったり開発室のスタッフだったりに向けて話しているわけで、必ずしもそれ以外の読者に向けているわけじゃない。あとはインタビュアーがバッファというか、フィルターとして機能するってのもあります。対象者以外と距離を取るわけです。今回ならケイさんっていう距離の近い人とキャッチボールしてるわけですから、たとえばまあ言葉は15.24メートルくらいしか飛ばしてない。その距離で色んな球種を投げてるわけだけど、その違いはまあ、目の悪い人には分からなくても仕方がないってことになります。使ってる言葉もあれですし」
ケイ
「なんでそんなこと。お前、前にコメントが大事だとか言ってなかったか?」
玄兎
「その考えは変わってないんですけどね。僕の現在の条件には合わなくなってきてるんで、ちょっとやり方を変えていこうかってことで。この辺の話は11月のオリハタとの話でも出してるんですけど、起こしました?」
ケイ
「いや、まだだ。ちょうどいいからここで話しとけ(笑)」
玄兎
「なにが丁度いいんですか(笑)。まあいいか。心理的なハードルの話なんですけど、ひとつはブログってメディアに妙な責任感というか、義務感があること。ウェブサイトもそうなんだけど、更新義務ってのかな、始めるとなんかそういうのが気になっちゃうようなところがあって。それにさっきのフォーカスの問題というか、ハンドルを使って匿名化していたとしても、継続して自分の考えを発信し続けることで連続性が発生して、疑似人格というか模擬人格というか、とにかく新しいペルソナが発生することで、連続性の維持とか自己防衛とか、まあその辺の反応からストレスが高くなる」
ケイ
「たまに聞くな、そういう話」
玄兎
「それに対して匿名掲示板って言われるやつは、コテハンなりトリップなり付けない限り、発言に連続性が発生しないので独自にペルソナを発生させにくい。いやまあIDは継続するみたいだけど、あれもでも毎日スイッチされるみたいなんで、日単位以上のスパンになると連続しない。結果としてストレスも低い。新しいペルソナでなければ維持コストを払う必要も有りませんから。ストレスが低い環境の方が発言しやすいのも当然で、なのでまあブログってメディアは習慣化しないことには継続は難しいし、習慣化することでその他の環境が変わったときも、ブログに関する環境は維持しなきゃならんのでストレスになりやすいわけです。就職したら忙しくなってブログ更新する時間が取りづらくなるんだけど、義務感があるせいで更新出来ないことがストレスになる、とか」
ケイ
「気楽にやりゃあいいだろう」
玄兎
「そうなんですけどね。メディア、情報発信者ってのは受信者に対して一定の義務がある、と感じやすいもんですよ。直接記事を書かなくなると、その辺の感覚が薄れて商売っ気が強くなるんですが」
ケイ
「それでマスゴミとか言われるわけだ(笑)」
玄兎
「町外れの井戸ですから(笑)」
ケイ
「王様の耳はロバの耳ってか(笑)」
玄兎
「そうそう。で、ブログにはもう一つハードルがあって、それは入ってくる人たちをフィルタリングしてくれないということ。同じく連続性のある環境としてたとえばSNSがありますが、SNSのコミュ内での発言なんかはまずSNSでフィルタリングされて、更にコミュでフィルタリングされて、使う言葉なんかもコミュの俗語が使えるわけで、書くときのハードルが低くなります。Mixiなんかは登録自体は広いけど、TRPG SNSなんかはもう、最初からTRPGに興味が無い人は入らないし、そこでTRPGの俗語フリーになって、更にタイトル毎のコミュに分かれてディープな話がしやすい、とかまあそんな環境ってことに」
ケイ
「でもそりゃ排他的になりやすいんじゃねえの?」
玄兎
「そうですね。まあ排他性が強くなると別のハードルが発生するんですが、そういう環境は島宇宙化して対外的な影響力を失うのがオチだし、入れなかった人が自然発生的に新しいコミュを作るパターンがほとんどなので、スルーしとけばいいかと」
ケイ
「まあな。コメントが重要ってのはそこだな。ブログの開放的な環境で、記事を書くのはストレスが高い。けどコメントなら記事によってフィルタリングされてる分、開放的な環境でも発言がしやすい」
玄兎
「ザッツライト。そこでコミュニケーションが発生すれば、言葉も自然と増えることになるわけで。ついでにコメント書いてる人たちが、言い足りなくなって自分でもブログを立ち上げてくれたりすると、二度美味しいことに」
ケイ
「その戦略が、お前の条件に合わなくなってきたか」
玄兎
「そうなんですよ。これだとまあコメントとレスポンスの速度ってのが大事なんですが、今の僕のこんな状況ではその辺に責任が持てなくなってきてて。こんなですんで」
ケイ
「ふん。で、なんでブログにこだわる? SNS内でもいいんじゃねえか?」
玄兎
「そこはだって、内側でしょう。自分が楽しむだけならもちろん、それで構わないと思います。その方が労なく楽しめると思いますし。ただそれって、外側との接点が作りにくいところが有って。外の人が興味を持って、SNSに来てくれないと始まらないから。だから出来ればそういう場所じゃなく、もうちょっとオープンな環境で言葉を増やしてもらいたい、てのがあるんですよ」
ケイ
「そうは言ってもよ、内容が偏ってりゃ結局は同じことじゃねえの?」
玄兎
「GoogleとかYahooとか、まあなんでもいいんですけど検索エンジンにかかるってのが大事でして。SNSの中の話って、その辺にひっかからないでしょう。雑多なゲームとかコミュニケーションとかの話題の中に、TRPGの話題が混じってるのがベストかなと思ってるんですが。ただ政治の色が付いちゃうと、そこで色分けされやすいってのがあるんで、その辺で話題を選択する必要はあるかとも思います。ポリ・ミリ側からのアプローチは歓迎だし、まあそっちでの実用性については何度か、話したり実演したり、そっち側の人んとこに行ったりもしたんですが、ホビーとしてのTRPGがそっちに接近するのは難しいんですよね」
ケイ
「そら趣味と政治は相性悪いだろ。政治は生活に密着してっし、お国柄も有るしなあ」
玄兎
「趣味の話が生活に食い込んだら、そら生活のがウェイト大きいのが普通ですから、反発もされるってわけで。それはともかく、ブログのコメント欄からアプローチするのは戦略的に不都合が生じたんで、言葉を増やしてもらう位置をずらすことにしたわけです」
ケイ
「コメントじゃなく?」
玄兎
「コメントじゃなく。対談ってのはさっきも言ったとおり、フォーカスがインタビュアーに向いていて、直接読者に向けられてるわけではないわけです。そこにコメントをするのって、直接読者に向けられたエントリに比べると書きづらい。対談の中で話が決着してますし、どんどん流れてますから。すると別の場所で間接的にコメントするとか、自分の考えを語ろうとする反応が呼びやすいんじゃないかと」
ケイ
「ブログの記事に直接コメントしないでってことか」
玄兎
「そう。まあエントリに直接コメントしてくれても構わないというか、そうなったらそうなったで可能な範囲で対応するんですが。で、まあその辺の反応が出やすいのが、はてブのコメントだったりTwitterだったりかなあ、とか考えてまして。テレビ見ながらTweet発信なんて、まさに呟きじゃないですか。あれってインタビューとかトークショーに対する反応とそっくりなわけで」
ケイ
「そらそうだろ。一通(一方通行)の相手にゃそれくらいしか手がねえし」
玄兎
「だから対談って形式を持ってきてくれたのは、都合が良かったんです。言葉を別の場所で発生させられるから。Twitterなんか、ちょっと検索してみるとTRPGやりたいってTweetはものすごく多い。それが何をきっかけに発生するのかは分かりませんが、どこかで琴線にふれるものを目にして呟いてるんだと思います。そういう目に触れて刺激するものを、ばら撒いたら面白いんじゃないかってのがあって」
ケイ
「すでに多いんじゃねえの?」
玄兎
「いや、そりゃ単にTRPGやりたいって漠然とした呟きだけなんで。もうちょっと色んなものが生まれるといいと思うんですが。いや、生まれてるのかな? ちゃんとリサーチした方がいいかな、やっぱこのへんは。一ヶ月ごとに今月のTRPGやりたい人の呟き、何件、とかアホな集計はとってみたら面白そうだと思ってたんですが。あの辺を吸い上げるアプローチは無いもんかと考えたりもしてます。Twitterの特性としては検索性の悪さなんかもあって、その辺は逆にTweetを押し流す、淘汰するとか紙の本としての辞書の機能なんかと同じで、別の話題のキーを打ち込んでおく時に有効に機能するわけですが、言葉を蓄積する場としてはいまいち都合が悪いんですよね。だからまあ、Tweetをまとめてブログに載せるとか、そんなアプローチも有効でしょう。まあTogetterでもいいんですが、それならそれでTogetterをチェックして紹介してくれるようなメディアがあると楽なわけで。Twitterの強みで言うと、あれは文字数制限の関係で情報が端的になる分、余地が大きくなるんで話題にしやすい強みもありますね。あとはcronで動かすbotが、たとえばうちのコアサーバーだと1時間に1回しか動かせないんですが、それを見越してダイスbot組んで、1ターン1時間とか長いスパンで遊ぶようにすればTwitterでも遊べんじゃねーかとか。もっと長いスパンでbot動かしたり、うまいこと統計が取れれば読者参加誌上ゲームみたいな規模でゲーム展開したり、ストラテジーっぽく遊べるんじゃないかとか。まあ既に誰かやってそうですけど」
ケイ
「はあー、面倒くせえこと考えてやがんなあ。しかも金にならねえ(笑)」
玄兎
「商売っ気抜きで、可能性を考えるのって楽しいもんですよ(笑)。商売になるモデルにするなら、またちょっといじる必要はあるでしょうけど、その辺はまあ余所から金が取れるようなゲームを考えれば出来るんじゃないかな。何がしかの宣材にするとか、宣材をゲームに取り込むとか、無料を金にする方法ってな昔から有りますんで、やりたい人がやってくれりゃあいいです。これ以上手を広げるのも面倒くさいんで。まあそれはいいんですけど、そんなわけであれだ、話を戻しますと、はてブのTRPGタグの利用者が増えると、そういうアプローチもしやすくなるんじゃないかとか思ってるわけです」
ケイ
「なるほど」
玄兎
「コメントとか、まあコメントが付かなくてもTRPGタグが付けば、それだけで目に付きますし。はてブコメントの方でスターのやりとりがあると、ブックマーカーの人たちもやる気が出るんじゃないかってのもあります。ぶっちゃけ僕はその辺で刺激を受けてエントリ書いたのも少なくないし。この辺については氷川さんのTRPG Searchの方に協力したい気もあるんだけど、現状でただSearchの方にブクマを集約するだけだと、SNSと同じことになるんで難しいなあという。ただブログのFeedはあそこに相当な量が集まってるし、ブクマ自体もRSS配信されてるところとか、機能的にはものすごく重宝するところなんですよね。その辺の機能的な知名度がどれくらい有るのかは知らんのですが、すごいですよ、あそこ」
ケイ
「えらい高評価だな」
玄兎
「実際すごいですよ。あそことTRPG SNSと、気まぐれTRPGニュースと、のあたりは外せない。TRPGニュースの方は、最近ちょっと滞ってるみたいなんだけど、実はあのサイトをはてなダイアリーの書籍化サービスで本にしたら、そのままTRPGカタログになるんじゃねーかとかね、思ってます。いくらくらいかかるか試算してないんで分からんのですが、それで貢献できればっていう考え方も有りますね。まあなんですか、どれもこれも希望的観測ではあるし、言葉を増やすってことは場合によっては荒れるケースも考えられますんで、公然と焚き付けられるものじゃないんですが」
ケイ
「だからここで喋ったわけだな(笑)」
玄兎
「(笑)そういうことです」
ケイ
「ペテン野郎(笑)」
玄兎
「(笑)ペテン野郎は酷い」
ケイ
「狙いは分かった。どっちにしろ仕事にゃ必要な作業だ。セルクマ付けてリアクション見てみようかとも思ってんだが」
玄兎
「ああ、まだやってませんか。じゃあそもそも懸案自体が目に付いてない可能性の方が高いですね。たぶん、もっとやれって言われると思いますよ」
ケイ
「正直、出すのが怖い部分もあるけどな。知らん世界だし」
玄兎
「まあ適当にお願いします」

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