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『ソード・ワールド2.0』について
- ケイ
- 「お前から見て、2.0はどうだ?」
- 玄兎
- 「いいシステムだと思いますよ。設計思想が内向的だなあ、とは思いますけど」
- ケイ
- 「内向的ってな、なんだよ」
- 玄兎
- 「キャラ一人一人の戦術レベルに、考えるリソース集中しすぎてるってんですかね。こう、戦術が単純な有利不利に還元されてる気がして」
- ケイ
- 「自分のことしか考えてないってことか? ああ、そりゃああるかもな。あれ、元ネタ『D&D』の3.5だろ?」
- 玄兎
- 「見た感じ、そんなですね」
- ケイ
- 「じゃあしょうがない。元ネタからしてそうなんだから。ありゃデュエリストのゲームだよ」
- 玄兎
- 「一騎打ちですか」
- ケイ
- 「4版になったら、急にアメフトに戻った感じだけどな。3.5版はメジャーリーグだった」
- 玄兎
- 「ホームランバッター揃い?」
- ケイ
- 「ブラジルサッカーでもいいけどな。個人技重視ってか。もちろんBuffもあるけど、最終的には重戦士が身体能力で戦ってる印象があるんだよ。コナンっつーか」
- 玄兎
- 「頭脳は子供、体は大人!」
- ケイ
- 「逆だ! ……いや、合ってるのか?」
- 玄兎
- 「じっちゃんが死にかけて!」
- ケイ
- 「どこのキンダニだ」
- 玄兎
- 「脱線しましたすみませんすみませんすみま……」
- ケイ
- 「ランチェスターで言うとな」
- 玄兎
- 「……せんすみ、はい? ああ、戦闘法則ですか?」
- ケイ
- 「印象論なんだが、3.5は第一法則で、4は第二法則っぽい」
- 玄兎
- 「あ、それ。前に3版は白兵戦で、4版は海戦とか空戦とかだと思ったんですが。わりと近かったのかな」
- ケイ
- 「そこまで極端でもないけどな。3が野戦築城なら4が運動戦とか、それくらいだろうよ」
- 玄兎
- 「それでも十分すぎるくらい違いますが」
- ケイ
- 「まあなあ」
- 玄兎
- 「2.0の方は、乱戦の使い方次第だろうなあと思ってます。概念として面白いんだけど、処理上ちょっと特殊なところがあるんで、そこんところが壁になってんですけど」
- ケイ
- 「乱戦ってな、なんだ?」
- 玄兎
- 「まんまですよ。限られた範囲内で敵味方が入り乱れて戦ってるのが乱戦状態で、それが発生してるエリアが乱戦エリア。乱戦エリアはエリア内で乱戦状態に入ってるキャラの数で規模が変わります」
- ケイ
- 「そこにゃ、どんな特性がある?」
- 玄兎
- 「乱戦状態のキャラは、行動範囲を乱戦エリア内に制限されます。乱戦エリア内に侵入して乱戦状態のキャラに妨害されると、乱戦に参加してなかったキャラも強制的に乱戦モードに移行します。主体的に乱戦に参加するには乱戦エリアの中心点まで移動する必要があります。乱戦状態から脱出するにはメインアクションで行わなければいけません。乱戦エリアに範囲魔法をぶち込むと、対象はランダムで決定されます。乱戦エリアは長射程武器の遮蔽物になります。乱戦エリア外から乱戦状態の相手に近接攻撃や接触条件の能力は使えません。乱戦状態の相手に弓矢や魔法で射撃する場合は、対象は常に中心点にいるものとして射程距離の処理を行います」
- ケイ
- 「おお。鯉の滝流れ」
- 玄兎
- 「滝流れってな何ですかい」
- ケイ
- 「言わすな。しかしまあスラスラ出てきやがったな」
- 玄兎
- 「基礎的な話なんで覚えちゃいました。まあ御存知の通り、僕の記憶力はあてにはならんのですが」
- ケイ
- 「基礎にしちゃ要件が多いよ」
- 玄兎
- 「そうなんですよね。かなり魔術的というかシンボリックなものなんですよ。えーと常態、常ある態としては、乱戦エリア内にキャラは拡散してるわけですが、全キャラのパワーシンボルはエリアの中心点にまとめて置かれている、と考えればいいかなあ。これはこれで混乱の種かも? まあとにかくそんなんです」
- ケイ
- 「でもあれだろ、ハンドガンで銃撃戦やってるようなもんだろ?」
- 玄兎
- 「近代戦ならまあ、そうですね。トロイとかスリーハンドレッドとか、古代の戦争を扱った最近の映画なんか見れば、そのまんま、これ、って言えるんですけど。乱戦状態になったら、足止めて戦うやつなんていないんだよと」
- ケイ
- 「なぜレッドクリフが出ない」
- 玄兎
- 「ちゃんと見てないんで」
- ケイ
- 「そか。じゃあしょうがねえな」
- 玄兎
- 「ええ」
- ケイ
- 「で、そいつの使い方次第だと」
- 玄兎
- 「というか、戦闘要件だけで考えると、単純にそれ以外のルールはこれといって個性的なものが無い、って方が大きいんですが。いやまあもちろん特技のお陰で、取りうるオプションは増えてるし、旧版よりシステマティックに戦えるんですが。今までに見た戦術で面白かったのは、射撃武器を邪魔するために乱戦エリアを作ったり、範囲魔法の被弾確率を減らすために敵をどんどん乱戦に巻き込んだり。あとはまあ、乱戦エリアを突破して救援要請に向かうイベントとか、乱戦エリアを消滅させるために魔法使いを乗り込ませたり」
- ケイ
- 「お、質問」
- 玄兎
- 「なんです?」
- ケイ
- 「範囲系魔法の大きさが、そのエリアより大きかったらエリア全滅?」
- 玄兎
- 「ああ、そこんとこがランダマイザでギャースカ騒ぐところでして。範囲魔法には効果範囲と最大対象数ってのがあるんですよ。んでまあ、その最大対象数より多い場合は、ランダムで誰に当たるかが決まるわけです。だから」
- ケイ
- 「だから乱戦エリア内に敵を増やして、味方の損害確率を下げるわけだ」
- 玄兎
- 「です」
- ケイ
- 「旧版とはまた違ったリスクマネジメントだな。シビアに1点を追求するより、単純に数量を大きくしていく感じか。なんか時代に逆行してる気もするが」
- 玄兎
- 「いやいや昨今の国産はまた、数量の膨張がメインストリームっぽいですよ。正面から別のアプローチをしてるのが、冒険企画局くらいしか思い当たりませんし」
- ケイ
- 「そこはコンシューマが強いんだろうな」
- 玄兎
- 「ですね。その辺でユニークなのは『ダブルクロス』くらいかな。リソースが多層化してます。あとはまあ、古き良き削り合いって印象が強いです。まあハイレベルになってくるとヒットポイント全削りする一発限りの大砲が出てきて、そいつをスペシャルパワーでブレイクスルーする、1か0かって駆け引きが先行するようですが」
- ケイ
- 「それが終わってから殴り合うわけか」
- 玄兎
- 「そんな感じです。なんにせよ、派手さの演出として数量の増大ってのがメインストリームになってます。ああ、そういう意味では2.0も、ヒットポイントなんかも旧版と違いますね。レベル上がると増えるし」
- ケイ
- 「は?」
- 玄兎
- 「冒険者レベルが上がるとヒットポイント増えるんですよ。1レベルごとに3点」
- ケイ
- 「なんじゃそりゃ」
- 玄兎
- 「そんでMPも、スペルキャスター系の技能レベル合計の3倍がボーナスになります」
- ケイ
- 「なんか、知らない世界に突入してるな。むしろ古くさくねえか?」
- 玄兎
- 「ですね。魔法も基本消費点をレベルで割るんじゃなくて、もうダイレクトに魔法ごとに決められた値だけ減ります。MP」
- ケイ
- 「なんかロードス化してねえか?」
- 玄兎
- 「かも。そう言われてみると、コンパニオンじゃない方と似てる気もしますね。ってことは、G文庫版の『ハイパーT&T』とも似てるってことですな」
- ケイ
- 「SNEの王道ファンタジーRPGの集大成?」
- 玄兎
- 「そう言ってもいいかも。『央華封神』の裏成功もあるし」
- ケイ
- 「ああ、あれ搭載したのか。あれは面白いよな」
- 玄兎
- 「ただし裏成功表はありません。人間が1日1回だけ使える特殊能力です」
- ケイ
- 「裏成功表のない裏成功なんてお前、そんなの裏成功じゃないじゃん」
- 玄兎
- 「だから名前も運命反転とか、転換、変化、いや、えーなんだっけな。ド忘れした。内輪じゃ『ちゃぶ台返し』っつってるもんで。とにかく名前が違います。あとは『六門世界RPG』のセンスも入ってるのかな。そういう意味では本当に集大成なのかも」
- ケイ
- 「なんだその複雑そうな顔は。心中穏やかならずって感じだな」
- 玄兎
- 「いやあ、六門わりと好きだったもんで、2.0に統合されてサポート終わったりするとなったら嫌だなあと」
- ケイ
- 「まあでも、同じような世界観のタイトルを複数抱えてても仕方ないだろう。この御時世だ。マンパワーは集中運用しないとやっていけんのじゃないか?」
- 玄兎
- 「そうなりますよねえ。まあ仕方ないか」
- ケイ
- 「でもお前、本格的には困ってないだろ」
- 玄兎
- 「なんでですか」
- ケイ
- 「さすがに『GURPS』までは取り込まれてねえだろ?」
- 玄兎
- 「いやもう、あれは2.0がどーのこーのって以前の問題なので。なんせサポート切れ」
- ケイ
- 「サポートねえの?」
- 玄兎
- 「ないです。呆れるくらい放置されてます。まあ、もう基本的な道具は揃ってるから、後は自分で全部作っちゃえばいいんですけど。せめて『GURPS Lite』を無料頒布できればなあ、同人サプリの単独展開もできるんですが。基本ルールが2冊で1万オーバーとか、どんだけ」
- ケイ
- 「なんでそんなに高いんだよ」
- 玄兎
- 「まあ、翻訳って大変な作業ですから、ね」
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