PAGE というイベントがありまして。
内容は、印刷技術および出版関連事業のカンファレンス、セミナー、展示会が一緒くたになったもの。まあ業界人しか知らんような(業界人でも知らん人がいるような)イベントなんだけども、今年はどーにか行けそうなので行きたいなぁと。
宣伝してどーの、というモノでは全くないんですが。
なんというか、そう、活字表現者(?)は、文章だけでなく見せ方も考えた方がいいんじゃなかろーかと思うわけで、こういうイベントは企画や編集よりもむしろ作家の方が来るべきじゃないかというのが持論。
あー、「また始まったよ……」とか思った人。言ってることは数年前からなんも変わってないので、以降は読まなくてもいいよ(笑)
たとえば小説家は小説を書くだけが仕事だということになると、書いた小説をどうやって見せるかということにはタッチできなくなる。これは過剰表現だけど、たとえば縦書きのつもりで漢数字を使ったら、編集の過程で横書きにされて、文章のイメージが妙に古めかしくなってしまった(しかも読みにくい!)……なんてことだって起こりうるわけだ。
文字書きってのは伝えたい事象を、日本語のもつ膨大な仮名漢字リストの中から一つを選び出すんだけど、同じ文字だって横書きと縦書きでは伝えられる印象が違う。縦書きのつもりで書いたものを、ちゃんと縦書きにしてもらえたとしても、段組や一行の文字数、文字の大きさ、ルビだの圏点だのの有無、縦横中の用法、そして当然のことながらフォント等によって、与える印象は随分と違ってくる。
DTP技術がある程度のレベルまで進化して、さすがにまだ電算写植ほどではないにしろ、ふた昔くらい前みたいな「出版元によって書体が決まってる」なんてことは(あまり)ないわけで、作家の表現できる範囲も広がった。
どのレベルまでの表現が許されるかを仕事単位で知っておいて、それに合わせた作品を作ることも、やりようによっては可能な話だ。もちろん、どこでも可能ってワケじゃないけども。
フォント一つで与える印象は大きく変わる。もちろんそれらをすべて作家一人でやってしまったとき、そこには自ずと限界と弊害がある(例:パターン化)ので、他人の意見を要れるためにも編集者やデザイナーは必須なんだけど、作家が触れちゃいけない領域というわけじゃあない。むしろ率先して触れていっていい領域だと思う。
そういうことを知る上で、興味深いイベントだと思うんだけどね。
ただまあ、業界そのものの展望なんかのコンファレンスもあるんで、参加するトコ間違えると、目がぐるぐるになるだけで単に時間の無駄遣いになる可能性も充分にありうる。
そこで刺激を受けて、業界ネタの作品を書くならソレもいいけど(笑)