[TSDE] TRPGシナリオ作成大全Vol.6 先行プチレビュー(4)

『TRPGシナリオ作成大全 Vol.6』プチレビュー第四回。

下書きのまま公開し忘れてましたゴメンナサイ。

というわけでサクサク行きましょう。

おしながき

今回は以下の三件。

  1. クトゥルフとほのぼの
  2. 1/10 クトゥルフシナリオ概略
  3. ほのぼのCoC シナリオの作り方

一風変わった記事三件ですね。

クトゥルフとほのぼの

なんとマンガです。なんかこう、学習マンガとか教育番組とか思い出すノリの。

執筆者は榊原遥子さん。ゼロ年代に「TRPGのある風景」というエッセイ風マンガ同人誌のシリーズを出されていた方で、前号『TRPGシナリオ作成大全 Vol.5』では同シリーズ「馬場講座でシナリオ作り」とサンプルシナリオを寄稿されてました。

今回は番外編ということで、描きおろしなのかな?

(概要)

CoCで「ほのぼの」テイストを扱うことの利点と注意点について、独特の [1]というかコテコテのノリで解説しています。

上手いなーと思ったのは、ほのぼの一本で勝負をしないところ。場の雰囲気を大事にすること、キーパーの独りよがりにならないようにするためには? という。

あと何気に外部(イベント運営者&常連さん等)からのプレッシャーの話とか、初参加な女性ゲーマーの傾向分析とか、「今でもそうなんだ」感すごかった。

この界隈、年がら年中ご新規さんに飢えてるからねェ(笑)

(こんな人にオススメ)

TRPGの初心者相手にCoCを遊ぶ時の「引き」の技術に興味がある方。めっちゃ王道なんですが、この辺は知っておいて損のない手札になりますんで。

それからCoCをハードでパンクな〈世界観〉だと思ってる方。いや多分もう現役ユーザにとってはレッドデータでしょうけど、それしか認めない [2]前世紀にはそういう認識のプレイヤーに出会うことも有ったので。という方にもちょっと読んでみてもらいたいところ。

(自分ならどう使うか)

癒されます。いやそうじゃないか(笑)

手法としてはオーソドックスなんですが、注意点についてはよくよく考えておきたいところ。自戒のためのツールですね。

相当コテコテなノリなんで、他者に見せても合う合わないがあるのがなー。嫌いじゃないんですが(笑)

1/10 クトゥルフシナリオ概略

はい、えーと次です。

執筆者は黒兎そよさん。二本目ですね。

こちらなんと記事内容は1ページ。いわゆるチートシート、いや、サマリーかな。

(概要)

『Role&Roll vol.134』掲載「1/10スケール・クトゥルフ神話TRPG」のサマリーシートです。

生憎と自分、同誌を入手しとりませんで詳細は分からんのですが、手順をまとめたものってコトでいいのかな?

ギュッと詰め込まれてますんで、ノートPC+PDFだと字が潰れて正直ちょっと読みづらいです。たぶん紙の状態だとぜんぜん違うと思うんですが。

(こんな人にオススメ)

サマリーですんで当然、元記事である「1/10スケール・クトゥルフ神話TRPG」を運用してみようという人がターゲットでしょう。

それから、ボドゲやサイコロ・フィクションなどのターン[3]手番制ゲームに慣れた環境でこれからCoCを遊んでみようかな、と興味を持った方にも。「フリーハンドでなくてもいいのよ?」という見本ですね。

あと、普通にコレ、シナリオの簡易なチートシートとしても使えると思います。セッション中に「現在どのステップか」を見るだけでも有用ですし。

(自分ならどう使うか)

チートシート、あるいはサマリー、どちらにせよ実用品ですんで普通に使います。

というかまず掲載誌を買ってこないことには……!

ほのぼのCoC シナリオの作り方

執筆者はsimさん。

以前からブログでゲームネタの話を展開したり、シナリオを公開したりされてる方です。ゼロ年代の一時期に立ち現われた、論壇めいた環境ではやり取りさせてもらいました。その節はお世話になりました。と今更書いてみたり。

それにしても毎度デカい記事をぼんぼんブチ込んでくるなァ(笑)

(概要)

これに留意すれば、ほのぼのした(あったかほのぼのろーるぷれいんぐ!)CoC シナリオを作ることができます。

とのこと。まずその「ほのぼのってなんだ……」というあたりから考えていかないと、たぶん「なんじゃこりゃァーッ!!」ってなると思います。ちゃんと解説されてるので一読しておきましょう。

コアになるのは「三角形の対人関係理論」と仮名されたキャラクター間の関係図 [4]これについては『TRPGシナリオ作成大全 Vol.1』の高見ヲサム「人間関係シナリオから」も一部参考になるかと。で、その遷移によってシナリオを作るロジックですね。

(こんな人にオススメ)

「戦闘(叩きのめす)ゲームを軸にしないシナリオが書きたいんですッ!!」という方に。こういう方法もあるよ、という。

また、「プレイヤーのロールプレイを活かしたい」とか「アドリブで回せるロジックが知りたい」という方にもオススメです。

あとは「シナリオ作らなきゃいけないんだけど何も思いつかねェーッ!!」と悲鳴をあげてる方に。記事の最後にある「ほのぼのCoC シナリオ生成チャート」でサイコロ振ってお題を決めてしまうと捗るかもしれません。ほのぼのテーマでよければ。

(自分ならどう使うか)

読んでみると実際に脳内処理に即した内容ですんで、使う、というか既に使ってるモノではあるんですよね。ただこのフォーカスからちゃんと整理していなかったんで、自分なりに再整理していけばなにか見えてくるかもしれません。

かなり歯応えのある内容で、正直まだ完全に読みきれてはいないと思います。

といったところで

今回もここまで。

次回、以下の三件に触れて、プチレビュー最終回になると思います。

  1. CoC サプリメントを活かした「史劇」の作成
  2. クトゥルフシナリオ作成Q&A
  3. ミ=ゴのススメ

最後に控えるこの大物に太刀打ち出来るのか自分。

References

References
1 というかコテコテの
2 前世紀にはそういう認識のプレイヤーに出会うことも有ったので。
3 手番
4 これについては『TRPGシナリオ作成大全 Vol.1』の高見ヲサム「人間関係シナリオから」も一部参考になるかと。