分かる人にしか分からないように書くのも意外と大変だったりして。
手抜きじゃないんです……ほんとだ、ヨ?(笑)
「正しさ」なんて知らん
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こないだ久しぶりに書いた妖魔夜行「Time」の SS ですが。
元ネタが十年以上前の PBeM なので、キャラはともかく文体とか忘れかけてたりして(笑)
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“[gtds] 南の空を望む -side.S-” の続きを読む
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新年ということで。
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“[gtds] 南の空を望む” の続きを読む
久しぶりだったんで、どんな文体で書いてたか忘れてる。いかんいかん。
“[read] 七夕特別編” の続きを読む
「きれいな“ゆうばえどき”には、海を見てはいけないよ」
「ゆーばえどきって、なあに?」
「きれいな“ゆうばえどき”には、山を見てはいけないよ」
「ゆーばえどきって、なあに?」
「あちらとこちらが地続きになる、おそろしい時間さ」
「じつじゅき?」
「ああ、可愛い子。おまえはどこにもやらないよ……」
一
人間にとっての時の流れは、私たちのそれと、大きな隔たりがある。
育ちゆく者。変化する者。老いゆく者。
彼らは時間の積み重なりを、その身に刻んでいる。
けれど私たちの体には、そうしたものは刻まれない。
ただ在るようにして在るだけだ。
羨ましい。
そう、思う。
人々の中に在って、その暮らしを見つめ続ける私も、姿を少しずつ変えることはある。
そうしなければ、疑われてしまうから。
だがそれは流行の服に着替えるようなもので、降り積もる時間ではない。
足元を往来する人々が、ひどく羨ましくなった。
「お待たせ」
「遅いよ」
私の足元で、恋人たちの短い会話。
そこに込められている、たくさんの時間。
寒空の下、男は女を待っていた。
信号を見、横断歩道を見、駅の入口を見、腕時計を見、私を見、革鞄の中を見、また信号を見。
ほとんど同じ動作を、男はただ繰り返していた。
寒さにふるえる体を温めるため、小さく足踏みをしながら。
そうして一時間二九分三九秒を過ごし、仝四〇秒目に駅から出てくる彼女を見つけた。
信号は十二秒間、彼らの間に立ちふさがり、十三秒目に頬笑んだ。
焦りの色をおし隠し、けれど喜びの色は満面に、一時間三〇分ちょうどに彼らは抱き合う。
「お待たせ」
「遅いよ」
そちらだけはポケットに入れていた左手で、彼女の右手を握った。
どちらともなく歩き出す、楽しげな後ろ姿。