[memo] STxTKやって考えた

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お正月、ちとヒマだったんで Vita の『STREET FIGHTER X 鉄拳』封開けたんだけどさ。
チュートリアルでもう面倒くささ爆発なのね。
「これ終われば楽しいよ」なんだろうけど、終わらせるまで我慢しろっちゅーのかってのがもう面倒なわけ。

こういうの体験すると、ほんと〈チュートリアル・デザイン〉の重要性というかね……ああ〈チュートリアル・デザイン〉ってのは「チュートリアルモードのデザイン」ってことではなくて「段階的学習のデザイン」全般のことを指すわけだけど、そういうモノの大事さをヒシヒシと感じちゃうわけですよ。
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**〈チュートリアル・デザイン〉

もしかしたら違うのかもしんないんだけど、自分は「格ゲー」って遊んでナンボ、遊びながらトライ&エラーで戦術をビルドしていってナンボだと思ってて。そして格ゲーの楽しさって、一つに「戦術理論と実践テクニックの合致による快感」があると思うのです。で、それって最初から全部「こんなんできまっせ」って並べられて「はいじゃーやってみて」って言われても、そりゃ格ゲー慣れした人間ならいいかもしんないけど、そうでない人にとっては個々別々のコンバットマニューバの意味なんか分かんないのね。

たとえば「投げ抜け」というマニューバがあるんだけど、それは「投げ」というマニューバを前提としていて、「投げ」というマニューバは「通常攻撃はガードすればノーダメ」というルールに対するカウンターで、「ガード」カウンターには他にも「必殺技による削り」があって、しかし必殺技には隙(硬直など)があるので万能ではなく、また「タイムリミット」というルールもあって常に有用というわけではなく、「削り」よりは「投げ」の方がダメージが大きい、ということは「投げ」というマニューバは有用な選択肢で……ってロジックが背景にあると思うんだけど。

でもこんなのプレイしないと身につかない。それ身についてないと覚えるの大変なのね。「必要に迫られて」覚えるのと、「ただ丸暗記しなければならない」ものの違いって、それこそみんな学校の勉強とかでイヤってほど理解してると思うんだけども。

だから、ただ延々と「こういう操作をするとこういうことができます」って並べられても、それを身につけるのってちょっとした苦行なのね。なんというかな、せめてこう、幾つかのマニューバを覚える都度「じゃあ実践してみよう」ってんで、フリーバトルを入れこんでくれればいいなーと思うわけ。相手の戦術を制限して、それまでに覚えたマニューバを、個々別々の状況で使いこなすことで勝利できるような。

**〈ファシリテーション〉と〈ファシリテーター〉

これ実際にやったら開発費が余計に(しかもそれなりの金額)かかるのは間違いなくて、だから今の台所事情では「そんなことやってる余裕は無い」ってことなのかもしんない。ぶっちゃけ今言ったようなチュートリアルモードって、対人で付き合ってくれる人(ファシリテーター)がいれば、あとはゲームプログラムが有ればできるモンだからね。だから現行ユーザに「みんなでファシリテーションして格ゲー界を盛り上げてよ!」って期待をすることも、まあ不可能じゃあない。コストをユーザにも担ってもらうわけだ。

でも今そこまでの熱気って期待できるもんなのか? というと相当怪しい。新規のお客さんが「やってみたい」と思えるほどの魅力が提示できてるのかっていうと、そこまでのセールスポイントを持たないと思うのですよ。確かに遊んでみたら面白いモンなんだけど。そうするとまあ、ファシリテーターやってやろうって気概のある、好意的なユーザも困っちゃうのね。「こういう面白さがあるよ」って呼び込むだけで一苦労だから。そこに「ふーん」って冷たい返事が返ってくることが何度か続くと、そのユーザもファシリテーションを諦めて、内に篭っちゃう。「自分が楽しく遊べればいいや」って。

そこでもう新規ユーザの増える可能性が一つ消えちゃう。それが日本全国津々浦々で発生すると、それってつまりユーザの新規開拓を捨てることになるわけで。しかもネットワーク対戦機能があるタイトルなんかは、対戦できるユーザはいるから「無理に頑張って増やさなくてもイイ」って現状があるから、この縮小傾向って歯止めがかからない。

「モンハン」の普及に一役買った「アドホック通信によるパーティプレイ」って、あれ元は格ゲーが地元のゲーセンを根城に、学生がどんどん仲間を引きずり込んでいった構造があって。そういう意味では格ゲーってジャンルは確実に先駆だったんだけどね。どこで道を誤ったのか……まあソレっぽいことを言ったら「ネットワーク社会への対応をミスった」ってことなんだろうけど、なんかもう過去の遺産を食い潰すだけのジャンルになってんだろーなーと思わざるをえない。

**余談

そういえば STG (シューティング)って今どうなってんだろう? 旧弊的な STG フリークである友人は「FPS に持っていかれた」って言ってたけど、アレは純粋にテクノロジーの進化によるモノで、だから STG ユーザは胸を張って「STG は健在!」って言っていいと思う。だけどやっぱり UI が全然違う分だけ UX も違って、そういうのは一般には理解されないのかも知んない。

我々 RPG ユーザが『風来のシレン』と『オブリビヨン』を平然と「どっちも RPG だし!」って言ってもいまいち理解されないように(苦笑)
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