[trpg] 上手いゲーマーはどこにいる?

 上手いゲーマー。
 まあ「上手いゲームマスター」とか「上手いプレイヤー」とかだわな。
 それでまあ「上手い人(ゲーマー)と遊びたいわー」って話を聞くといつも思うのが――

「貴方、上手く遊ばされる人?」

――ってこと。
 そんじゃまグダグダ書きますよー(笑)

「遊ぶチカラ」と「遊ばされるチカラ」

 思うにコミュニケーションの遊びとしての TRPG には「遊ぶチカラ」と「遊ばされるチカラ」が必要だと思うのね。

  • 自分で物語を書き始める、まったく一人の力による創意のチカラ。
  • それに対して相手の物語(提案)に乗っかって一緒に楽しむチカラ。

 そういうモンが必要になると思うわけ。
 まあ分かりやすい認識レベルで言うと、これは前者が「ゲームマスター or シナリオ」で後者が「プレイヤー or ゲームプレイ」なんだろうけど、もっと小さいゲームプレイのスケールでもソレは発生するし、多くの場合、「楽しかったかどうか」の判定にはそういう小さいスケールでの快感が重視されてたりするのね。*1[もっと小さいゲームプレイのスケールでも] = いつもの調子でいけば、“それがセッション中にリアルタイムで行われる〈ゲームデザイン〉や〈シナリオデザイン〉”だ……となるんだけど、今回はこの話は分かんなくても無問題。
 そして良く言われる「上手いゲーマー」ってのは、スケールの大小問わずコレができる人を指すんだろうなと。

「上手いゲーマー」って実際どんな人よ?

 思うに「上手いゲーマーと遊びたい」って言ってる人が求めてるのって、たぶん――

「こんな遊び、どーよ? 楽しそうじゃね?」

――って提案してくれる人。
 あるいは自分がそれをやった時に――

「おー、じゃあそれにコレも付けたらもっといけんじゃね?」

――なんちゅー上手い返しをしてくれる人だと思うんよ。
 まあ表に出る言葉としては、そんな直球じゃないだろうけど。

 僕は前者を「遊ばせるチカラ」のある人、後者を「遊ばされるチカラ」のある人と分類する。
 そしてこれは――まあ言葉の通りなんだけど――二つ揃ってやっと機能する。
 「遊ばせるチカラ」のある人だけが集まっても、「遊ばされるチカラ」のある人だけが集まっても、どっちも上手く回らないのね。

 すごい面白くなりそうな提案をしても、上手く乗ってくれなきゃ始まらない。
 大して面白くならなさそうな提案でも、めっちゃ楽しそうに乗ってくれたら化けるかもしれない。
 お笑いでも、上手くボケたのにスパーンと気持ちいいツッコミを入れてもらえないとか、キレのあるツッコミが入れたいのにボケてくれないとか、そういうのは有って。
 だから古来「ゲームマスターに協力しよう」とか「ゲームが面白くなるように考えよう」とか、更には「ゲームにはノリが大事」なんてコピーが継承されてきたわけで。

不満はどうして生まれるの?

 ここでちょっと、「上手いゲーマーと遊びたいなぁ」って言ってる人の、不満はどこにあるかと考える。
 そうするとまあ「自分のフリに乗ってくれない」か「自分を上手く弄ってくれない」かって話で。
 前者は「遊ばせるチカラ」を使いたい人。
 後者は「遊ばされるチカラ」を使いたい人。
 要は「自分の考える”楽しいゲーム”」とのズレに悩んでるんじゃなかろうかと。

 これねー、実現させるには「すり合わせ」の時間がかかるんですよ。
 そこにコストを払う必要があって、そのコスト払わんで「俺の好きにできねーなー」って言われても、こりゃまあお笑い種だわ。

 そうすっとまあ、すり合わせのためのコミュニケーションってのが必要になる。
 「遊ばせるチカラ」も「遊ばされるチカラ」も、「何で」とか「どうやって」とかって部分で分化していくのね。
 どんどん細かくフォークしていく。
 こりゃもうどうしようもない。

結局のところ、「上手いゲーマー」ってどこにいる?

 だとするとさ、こりゃ赤の他人より親しい友達の方が「すり合わせ」るのは楽ってコトにならん?
 コスト安、というか。
 「どういうモノが好きなのか?」なんてことは、日頃から話していれば分かるでしょう。
 そういう「すり合わせ」のコストが相当下がるだろうことは、まあ想像に難くない。
 逆に、そういうことを話してなければ分析のための情報量が足りなくて、見当をつけるのが難しくなる。

 まあ確かにいるけどね、大して「すり合わせ」てないのにピンポイントで絶好球投げてくる人。
 そりゃ投げ込まれてる自分がもう、端々で無意識に情報ばら撒いてるのを読んでるか、さもなくば単純に「同好の士」ってやつだと思うんよね。

 あと、プロが上手く見えるのは、プロが仕事によって「コンシューマの好み」そのものをデザインしてる……なんてのも有ったりする。そりゃ自分が好きなモン見て「こーゆーのやってみてー」って思ってるところに、その人がその好きなモンを踏襲したプレイしてくれたら、こっちも「それを待っていた!」ってなモンですわ(笑)
 もちろん彼らがコンシューマの趣味嗜好について、常日頃から分析してるからってのも大きいんだけど。
 特に TRPG の関係者はメタ視点と分析グセの強い人間が多いから。

 えー……ちょっと脱線したね。
 話を戻そう。

 「上手いゲーマーと遊びたい」と思ったらどうすりゃいいのか?

 ひとつは「自分が好きなプレイしてる人のいるところに突撃する」だわな。
 商業、同人とわずリプレイ読んで「これだ」と思ったら突撃すりゃあいい。
 どうやって? そんなん自分で考えなさい(笑)

 それから別のひとつは「日頃遊んでるメンバーと仲良くする」だわ。
 自分が何が好きなのか。
 相手が何が好きなのか。
 どんなゲームが遊びたいのか。
 そういうことを日頃から話しておけば、いざ遊ぼうって時にも色々とスムーズにやれるようになる。

 最後のひとつは「仲の良い友人をゲームに引きずり込む(笑)」。
 個人的にはコレやって欲しいけどねー。
 なんせ「すり合わせ」のコストがかかる最大の原因は、ユーザが少ないからなんだし。
 ユーザが多ければ、自分に適した環境を探せるようになる。
 少ないからイチから作らにゃならんのだから。

 「上手いゲーマー」改め「自分にとって上手いゲーマー」ってのがどこにいるのかと問われれば、僕は――

「そりゃあ“ゲーム仲間の未来”の中にいるよ」

――って答えるようにしてる次第。

References

References
1 [もっと小さいゲームプレイのスケールでも] = いつもの調子でいけば、“それがセッション中にリアルタイムで行われる〈ゲームデザイン〉や〈シナリオデザイン〉”だ……となるんだけど、今回はこの話は分かんなくても無問題。