Twitter の方でもらったネタなんだけど、レス書いてたら長くなりすぎたんで、こっちに。
@*** GKHをテーブルトークにできない?
うーん。これ TRPG で「何を」遊ぶかが問題になるんですよ。
原作モノにつきまとう話なんですけどね。
原作の「どの」テイストを遊ぶのか、という。
まあぶっちゃけアレの分かりやすいセールスポイントは戦闘ですわな。
というか基本、戦闘しかありません(笑)
ということで、とりあえず「戦闘を」と考えるなら、まず『グランナイツヒストリー』(以降“GKH”)の戦闘の勘どころを考える必要があって……
ページの内容
たとえば GKH の「戦闘の面白さ」を遊ぶとして
GKH の戦闘において、プレイヤーがデザインする要素は「準備」と「実戦」で分かれています。
「準備」レベルでの要素は、大きく分けて「能力値」「資源」「陣形」「スキル」の 4つ。
「実戦」レベルでは色々ありますが、注視すべきは「AP」「陣形」の 2つです。
「準備」レベルでのデザインは、ぶっちゃけ他の TRPG と大差ありません。
なので問題は「実戦」レベルでの話になるんですが……
GKH の戦闘の要所は、なんといっても AP の管理ですわな。
騎士団の騎士たちは戦闘中、スキル毎に決められた AP を支払って行動します。
限られた AP をどう使って、敵や味方の「AP」「HP」「状態」「陣形」をどう操作するのか?
これは騎士団(パーティ)がひとつの AP を配分するからこその面白さですわな。
「1パーティ=1騎士団」の場合
もしプレイヤー 1人が騎士 1人を担当し、複数人のプレイヤーキャラクターが集まって 1つの騎士団となって「AP」を共有した場合、かならず苦慮することになろうと思います。
誰だって自分のチカラを最大限に発揮したいもの。
どうしたって不満は溜まりましょう。
そして「AP」制を廃止した場合、ぶっちゃけ GKH の戦闘の面白さは吹き飛んでしまいます。
まだ「陣形」による戦術の面白みなどは幾らか残るとは言え、独立したシステムを作って遊ぶほどかどうか。
たぶん「そんなら『アリアンロッドRPG』で遊べるんじゃね?」となるんじゃないかと。
そんなわけで、これはあまり上手い方法とは思えません。
「1プレイヤー=1騎士団」の場合
ではそのままプレイヤー 1人が騎士団 1つを担当した場合。
果たして TRPG の楽しみのひとつ、ロールプレイ/演技はどこで発揮されることになるのか?
プレイヤーキャラクターとして動かすのは誰か?
あまり意識されることはありませんが、実は GKH の PC は騎士団を構成する騎士の誰か……ではなく、騎士団を率いる「主人公」です。
謁見してるのは彼/彼女なんですね。騎士団としての履歴、そして「陣形」を覚えてるのも彼です。
この「主人公」を PC とするなら、ロールプレイの問題は解決されます。
しかしその場合、戦闘時に動かす騎士たちを TRPG の中でどう遇するのか、という話になります。
「主人公」の指示に絶対服従する、ロボット兵士なのか。
それとも一人ひとりが確固たる自我を持った、人間なのか。
後者であるとして、今度は「指示通りに動くかどうか?」をランダム要素にするのも面白いかもしれません。
ただしコンシューマゲーム『悪魔召喚師 デビルサマナー』の忠誠度システムのように、思い通りにならないジレンマが不満として延々蓄積されていく可能性もあります(笑)
どんなシナリオを遊ぶのか?
そして複数の騎士団が、いったいどんなシナリオ/セッションを遊ぶのか? という課題も生じます。
GKH では「戦争」というゲームが提示されています。
戦場ごとにある拠点の取り合いをするゲームです。
でもこれ、そのままやると TRPG というより戦争 SLG になっちゃうんですよね。
そこんところをどうするか?
果たして PvP にするのか? それとも協力ゲームにするのか?
あるいは『シノビガミ』のように、どちらも可能なゲームにするのか?
また戦争をやるとして、戦場マップを使わず『MARS 2nd』や『ハンターズ・ムーン』のようにコンバットフィールドを転々とするルールを搭載する等して、ボード SLG っぽさを隠すこともできるでしょう。
色々と考えるところはあります。
もしかするとそこから何か突破口が拓けて、面白いゲームが出来るかもしれません。
実際、書いててちょっと思いついたこともありました(笑)
まーでも「そのまま移植する」だけだと、逆に GKH らしさが出ないんじゃないかと思うんですよ。
……といったところで。