[comic] 少女ファイト (8)

 これも買いました。
 『へうげもの 第13服』と一緒に。

 相変わらず、戦います。
 みんな戦ってます。

 戦友たちの物語。

広がり深まる物語

 この作品の背景にある、犬神家と三国家。
 そこに鎌倉家のエピソードが加わりました。

 マンガとしては恐ろしく作りこまれていて、連載の方でも相当苦労してることは、想像に難くないんだけど。
 一巻ごとに、きっちりまとめられてくるこの物語。
 連載ものの弱みである「途中から読むと分からない」という点に、最大限に気を払っているんだと思いますが、ここまで徹底されると頭が下がる。

 かつて『G戦場ヘヴンズドア』で、漫画家として漫画家の物語を描いたことについて、「未熟者の妄想でも無ければ、老いらくの懐古主義でもない、今でなければ描けなかった」なんて趣旨のコメントが有ったと思いますが。あの作品で、日本橋ヨヲコの方向性は固まったのかなーと。
 「何をしたらいいのか分からない女の子たちにも読んでもらいたい」ってのは、『少女ファイト』の作中キャラのコメントだったけど、アレほどメタな言葉もないだろう(笑)

 それは「奇跡のような必然」で、ゆっくりじっくり時間を掛けて醸成されている。
 『少女ファイト』として、戦友たちの物語として、決められたフォーマットで輪唱のように繰り返し語られながら、少しずつ物語は広がり深みを増していく。
 一見すると、一本調子に繰り返された 8冊はマンネリにも感じられる。
 でもそのマンネリは、表面的な話。
 物語は螺旋を描きながら、ゆっくりと敵の正体、その輪郭を彫り進めているように思います。

 過去に縛られる自分。妄執によって得た能力。
 それを次の段階へと昇華させていく。
 日本橋ヨヲコの作品を貫く「青春」のテーマってそんな感じがする。
 それが心地よくもくすぐったい。

 あ、ちなみに今巻は「告白」がテーマなんじゃねーかと思います。
 オンパレードっすよ。
 皆すっげ告白しまくってる(笑)

キャラ語り

 今回は『へうげもの』にエネルギー取られて、あんまり掘り下げて語れないのでござる。
 サラちゃん可愛いけどねー。
 まあでも今回、一番可愛かったのはミチルだよねー(笑)

今日のシゲル兄ちゃん

 やー、今回はシゲル兄ちゃんの出番が少ない。
 でもまあ相変わらずのキャラクターで、「由良木/出番」の二言がやたらと重い。
 由良木とどんだけ信頼関係を築いてんだろう?
 この二人の関係、とてもじゃないけど高校生じゃねーよなー(笑)

今日の由良木先輩

 いや別にシリーズじゃないんだけど。
 今回は由良木が頑張ったなー、という。
 ワガママの価値を知ってる男だけに、傲慢なまでの告白が心地よい。

 ……なんか事情を知ってる人が、ジト目でこっちを見てる気がする。
 由良木はいちいちモニョモニョさせてくれるよねー?
 ぷわー(゜Д、゜)