健康診断で肝機能の精密検査が必要だと言われ、食事の栄養素について考えるようになって改めて思ったことは、
「土井善晴『一汁一菜でよいという提案』を知らんかったら音を上げてたなー自分」
ということだ。
食事なんて補給作業だ、という人間にとって「一汁一菜でよい」という言葉は天啓である。料理に悩むくらいなら具材は全て味噌汁にぶっこめば良い。それはもう味噌汁じゃなくて味噌鍋じゃねーかと思うかもしれないが、鍋で何が悪いのか。
味噌鍋だけじゃ飽きるぞというならクリームシチューでもカレーでも良い。ご飯に飽きたらパンに変えても良い。
要は「主食+汁物で大半を済ませて良い」という赦しである。
母の愛だのなんだのいう建前はこの際どうでも良い。和食文化がなんとかいうのも興味が出てから読めば良い。
ちゃんと読んだら奥深いものを感じるかもしれないが、とりあえずは一汁一菜の食生活を肯定することから始めよう。
バランス良く彩り豊かな食卓を、とか言い出す面倒くさい人間に口を挟まれても「土井善晴が」と言えるのだ。
本書は正しく御免状となりうる。
(まあ最後まで読んだ人にアレコレと指摘される可能性もあるにはあるが)
手っ取り早く栄養が補給できて苦痛にならない程度の食事。
実にベネ。