中に入り、エレベーターで4Fまで上がる。
出た瞬間に、大きな声の挨拶。おお、スタッフの元気がいい。
開場まで30分以上あって、どうもキャラメランドの方では予約ガラガラみたいな話だったんで、もっと遅くてもいいかと思ったんだけど、入ってみたらけっこう既に人がいて驚いた。
これまでキャラメルボックスが名古屋で公演してきた舞台の写真、ポスター、チラシ、それからお客とスタッフを眺めながら、開場を待つ。
いい空間だ。
馬鹿話をしながら待っていると、チケット番号の若い順に入場とのこと。
私の手にあるチケットは N-1001。一番早かったりする。
入場。小劇場は350席とのことだったが、いいね。
で、入るとステージには二人の人影。
だっちこと篠田さんと、前説五郎こと加藤さんが、前々説とばかりにしゃべりまくっている。
いいユッタリ感。さすがにシャベクリが上手い。
と、中央は名古屋の人、両ウィングは東と西、と切り分けたらどうかと話が出たが、既にセンターに座っていたので移動せず。
だってウィングに他に人がいなかったし(笑)
その後ちょっとしたら、加藤さんが
「もう一人、来てます。上川隆也さんでーす」
と上手を示す。
大拍手。
出てきたのは西川さん。
「どうも。上川隆也です」
さすがである(笑)
ここで「隆也はメカだから」「人口減少に歯止めをかけるために増殖してる」等のネタ話が出る。当然「嘘ですから。信じないで下さい」と後でフォロー。彼の八面六臂の活躍を思えば、それから芝居の型を見ても、分かる比喩だけど。
「ああ、そうだ自己紹介してない」
といって、篠田さんと加藤さんが挨拶。
じゃあ、と前の話を続けようとするところに、西川さんが「僕にも自己紹介させてくださいよ」と割って入って会場が沸く。
話術というのはつまるところ、接ぎの上手さだなと思わせる。
西川さんは当日、神戸で『郵便配達夫の恋』の舞台があるので長居出来ないらしい。残念だが、むしろそんな切羽詰ったスケジュールで来てくれたことに大感謝。
「○○だったら『えー』とか言ってただろ」
とは加藤さんの弁。(○○はキャラメルボックスの某キャスト)
本人のいないところでムチャクチャ言うなァ、この人(笑)
開演、13時になったところで司会者のtsurumiさん登場。
なんで司会者が一番最後に出てくるんだと爆笑。
やけにステージ慣れした人だと思ったら、自身でも舞台を踏んでいる方らしい。納得。
トークは続くも、西川さんは新幹線の時間にあわせて退場。
いや、本当にオツカレサマ&アリガトウゴザイマシタ。
* * *
『銀河旋律2002(東京・Bパート)』の上映。
ホンは読んでいたものの、舞台はやっぱりいい。
記録映像、クォリティの問題で単品で売れないなら、パックにして売るとかダメですかね? とかちょっと思う(惑星ピスタチオみたいに)。これは他のファンにも見せたい。
あるシーンの、(岡田)達也さんの切ない声に、驚いて笑う。
あれはあの舞台の中でも珠玉の演技だった。
細見さんのサルマルも『四月になれば彼女は』を彷彿とさせる全力空転演技(何)で良かったんですが。
上映終了。トークに戻って。
次、順序はどちらが先だったか忘れてしまったが、キャラメルボックスの紹介ビデオ(PV?)、『トリツカレ男』の CM 映像、『トリツカレ男』出演者からのビデオメッセージを上映。
PV の名場面ダイジェストに、ちょっと泣きそうになる。
名舞台が多いです、ホント。ハズレはほとんど無い。
(明確にハズレと言えるのは、僕が見た限りでは『SKIP』だけ)
あと、ビデオメッセージはみんな名古屋の食べ物の話が多くて、なんというか名古屋ってそういう土地かと。いや、知らないんだけどさ(笑)
前半戦、スクリーンショーは終了。
後半、トークショーの舞台設営のために一旦休憩に。
ほけーっとしているももんげ氏を置いて、席を立つ。
もう一つの(というか本来の)目的のためである。
* * *
「あ、どうも。えーと……」
思い返すだに恥ずかしい 11秒間。
ホール入り口のドア横にいた、スタッフの方に声をかける。
今回、このお祭りに招待してくれた、12年来の友人である。
そして実は、これが初対面でもあったりする。
「すみません。どちらさまでしょうか?」
さて、どう名乗ればいいのかなと考えあぐねる。
考えあぐねるというか、頭の中がマッチロになってたダケなのだが。
本名? P.N.? ハンドル? それとも封筒を見せる?
あれこれ考える11秒。
「あ、もしかして」
先に口を開かれて、慌てて出たのが、
「あ、○○です。あるいは玄兎」
どんだけ間抜けな挨拶なのかと。
しかも緊張しまくってて、えらい無愛想だったんじゃないかと。
余裕のない男はダメですね。もっと精進せねば。
その後の 7分弱(記憶の中では 380秒くらい)はヒミツ(笑)
すぐに砕けた喋りができたのは、その人の人徳のお陰。
ちょっとビックリしたけどね。嬉しかったです。
* * *
再び客席に戻って、イベント後半はトークショー。
ここはでも、あまり書くことが無い。
篠田さんのかぶりもの(というかヅラ)ネタであったり、料理好きの話であったり、加藤さんがめちゃくちゃ良いことを言っていて、お陰で次の仕事の方針をどうするか悩んだりもしたのだが。
あと、tsurumiさんのアニメクイズ、全然分からなかった。
難しすぎるよ!(笑)
* * *
最後はプレゼントコーナー。
入場したときにもらったパンフに書かれた「お楽しみ番号」は 7。
ラッキーセブンである。
当然、当たらない。
こういうのは、昔から当たったためしが無い人間である。
最初から期待していなかったが、案の定といったところ。
だが、今日は一味違った。
ムリクリお忙しい中を来てくださった西川さんのサプライズ。
外れた人全員に行き渡るよう、トリツカレ男のチラシにサインを入れてくれていたのである。
さすが西川さん。やってくれる。
で、これがその写真。
うはは。宝物が一つ増えた。
* * *
最後は〆職人、だっちの三本締めで閉幕。
いろいろ楽しかった。
ももんげ氏も堪能したようである。
「岡田達也に似てるって言われない?」と、加藤さんに声かけられてたし。
確かに、ちょっと面立ちは似ている。頬の張り具合なんか特に。
それもまた嬉しかったらしい。えらいテンションであった。
なにしろ私に感謝するというのだから異常事態である。
あるいはそれこそ正常と言うべきかも知れないが。
ホールを出て、エントランスへ。
友人がスタッフ列に並んでいたので、もう一度挨拶に。
ももんげ氏も紹介(と言えるほどのことは言ってないが)する。
アレも感謝の言葉がうまく出てこなかったようだが、感激していたのは確かなようなので。
エレベータ前へ。
篠田さんがエレベータの前で、ガイドをしていた。
「はい、エレベーター参りましたよー」
元気だなァ。さすがだと思う。
先に出ていた人たちで一杯だったので、エレベータは一本遅らせる。
お陰で 3分ばかり、篠田さんと話ができて感激。
東京と神奈川からの遠征だったというと、驚かれた。
驚くよね、普通。
エレベータが来たので乗り込む。
元気のいいスタッフのお見送りが、閉じるドアの向こうにあった。
本当にいいお祭りだった。
中部コミュの皆さん――特にスタッフの企画立案から実施までの尽力に感謝。