[TSDE] TRPGシナリオ作成大全Vol.6 先行プチレビュー(5)

『TRPGシナリオ作成大全 Vol.6』のプチレビュー、個別の記事については一応これが最後になります。

それでは早速始めましょう。何しろ手強いのが待ち構えてます。

おしながき

今回は以下の三件。

  1. CoCサプリメントを活かした「史劇」の作成
  2. クトゥルフシナリオ作成Q&A
  3. ミ=ゴのススメ

一件めっちゃヘビーなのが待ち構えてます。むむむ……!

CoCサプリメントを活かした「史劇」の作成

執筆者はtrickenさん。えー、どう紹介したら良いのだ……ゲームに限らず教育、文化、創作などさまざまなジャンルの物事を分析、整理して語っておられる方です。Togetterにまとめられているツイート群を見ていると、何者なのかわからなくなります(笑)

今回これまた丁寧な記事を仕上げてくれています。手強い。

(概要)

歴史的な要素を含むシナリオを作成する際に “ラクをする” ための、様々な手法や資料を提供します。

ということで、まずはCoCのヒストリカルな要素についての解説。それから歴史的な要素を含むシナリオ――「史劇」――を遊ぶためには何が必要になるのか? どう整理すればよいのか? といったことを、以下のとおり章立てて解説しています。

  1. CoCのシナリオ作成と「史劇」の関係
  2. CoCで、できること:日本語圏
  3. CoCで、できること:英語圏
  4. (補) CoCで、できること:ファンタジー編
  5. おわりに

二章、三章の各種サプリメントのレビューが軸ですね。同人誌である『嵯峨崎地域新聞』2巻や、英語圏の『Achtung! Cthulhu』や『Delta Green』に触れるなど、資料使いのハートをチクチクつついてくれます。

脚注がえらいことになってて本文よりも脚注のほうが多いページが有ったりしますが、これもまた資料使いの性というもの。楽しみましょう(笑)

(こんな人にオススメ)

まずは「史劇」的――あるいは偽史的――なシナリオを遊んでみたい人、CoCのヒストリカルな面が大好きな人にオススメ。

それからどのサプリメントを買えばイイのか分からない人、買ったはイイけどどう使ってイイのか分からない人にも……普通はコッチの方が先か。

あとはCoCの広がりや可能性に懐疑的な人に。「色んなサプリが有るんだなー」と眺めるだけでも楽しいです。

(自分ならどう使うか)

使う、という意味では何より自分が遊びたい「史劇」に必要なサプリメントを探すのに有用でしょう。

また「史劇」的な――本来無意味な情報群に固有の意味を与えて物語化する――遊びのトレーニング教材として、偽史創作に興味のあるメンツを唆す際にも(笑)

クトゥルフシナリオ作成Q&A

いつものアンケート的なQ&Aコーナーです。

執筆者はベテランキーパーの面々。具体的には、えーと……

  • てぃあご
  • sim
  • 氷川霧霞
  • Anonymous
  • 隆見

以上の五名(登場順)ですね。

(概要)

Web上で募集されたアンケート「クトゥルフシナリオ作成で困っていることはどこですか」に寄せられた悩むポイントと、それに対する回答集です。

全部で19の質問に、一つまたは複数の回答がなされてます。安定感のある回答群で、いちいち納得できるものが多いです。

あと、ちょっとしたヒントや小技の類も混じっていたり。うん、やるよね。

(こんな人にオススメ)

まずは「シナリオ作りやキーパリングで悩んでいることがある」という方。悩みの特効薬が見つかるかは分かりませんが、「やっぱり悩むこと多いよねー」と仲間を見つけることができます(何)

個人的に注目したのは、てぃあごさんの回答が一貫して「免責アプローチ~」の実践になっているので、そちらの補記ですよねコレ? って。

それから「記事を寄稿するほどじゃないけど一家言あるぞ」という方。自分なりの考えをまとめるにも良いですし、当該ページで実際に答えてみるのもアリだと思います。(サイトがいつまであるのかは存じませんが)

(自分ならどう使うか)

自分の原稿で手一杯で、アンケートの方に回答できなかったんで、これからちょくちょく質問を眺めながら自分なりの回答を考えてみようかなーとか思ってます。

ミ=ゴのススメ

執筆者は宗方ただしさん。

Role&Roll公認GMオーディションの第一回合格者の方ですね。

紹介文を見ると、好みのシステムは洋ゲー寄りなのかな。ちょっとトリッキーなゲームがお好き?

(概要)

ミ=ゴ愛が溢れています(笑)

CoCのシナリオにミ=ゴを出そう! ミ=ゴはこんなにキーパーを助けてくれるぞ? といったところから、実際にミ=ゴを登場させる際の注意点について。特にクトゥルー小説におけるミ=ゴそのまんま使うとちょっとヤバいこともあるぞ!? なんて話まで。

1ページの記事なんですが、ユニークな神話生物ミ=ゴをどう扱ったら良いのか、いくつものイベントフックが埋め込まれています。

(こんな人にオススメ)

「クトゥルフといえばクリーチャー!」という貴方に。特に「グール出しすぎて使いたくない」「といってショゴスや夜のゴーントもなァ」「ただのパニックムービーでない戦闘をやってみたい」という方にオススメ。

なんせミ=ゴですから(何)

あとは「神話生物/クリーチャーをどう活かせばイイのか」に悩んでる人に、そのサンプルとして。データを額面通りに読むだけで終わらせちゃってると、神話生物らしさを活かす方法にまで思い至らないことって結構ありますんで。

(自分ならどう使うか)

ミ=ゴ使って一本シナリオ作ってみようかと思いました。個人的には中段の

ミ=ゴは死ぬと溶けてなくなるため、後片づけも簡単、とはいかないのがクトゥルフ神話RPGの良いところ。

ってあたりからが好きです。このあたりでPCが当事者として頭を悩ませるネタを上手く取り入れてみたい。

と、こんなところで

『TRPGシナリオ作成大全 Vol.6』は既刊に比べてなお刺激的な内容になってると思います。

プチレビューまとめながら徐々にエンジンが暖気されて来たので(お陰で紹介のノリがブレブレになったりもしましたが)、色々ガッツリ語ってみたいなと思ったりもしています。またそれが可能な内容だと思います。

なのでまたぞろ時間があったら、ちゃんとレビュー、というか感想文を書いてみたいですね。

そんな感じで、駆け足でしたが『TRPGシナリオ作成大全 Vol.6』先行プチレビュー、これにて終了であります。

ありがとうございました~

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