5分で書くシリーズ。
たまに 5分より長くかかってることもあるんだけど(笑)
「ゲームのリアリティ#3」の延長で、実際のプレーについてちょっと考えると。
あくまで自分が新人さん相手にマスタリングするときの話を書くと、まあ「白兎亭の一夜」の話でちょっと書いたように、基本的にはフェードイン型の手法を取っていて。
現実にあるものに、その人が「それっぽい」と思う単語/表現(テクスチャ)を重ねるように誘導していく。たとえばカラオケボックスが酒場になったり、鶏の唐揚げが兎のフライになったり、栄養カプセルになったり、ソフトドリンクがお酒になったり、なんて具合で。
あとは灰皿を隠して「灰皿は頼まないと持って来てくれない」とやって、「自分は煙草を吸うから灰皿を頼むロールプレイ」を誘導するとか、理由を聞かれたら「ここらじゃ煙草(パイプ)吸う人が少ないんだろうね」なんて感じで「愛煙家の言い分」を引き出したり、そこで愛煙家の NPC が出てきて「世知辛い世の中になったもんさ」と相槌を打ってみたり……
そんな感じで身近なところから没入していく手法ですね。
だから「旅先の小さな宿屋で起こる、ある夜の出来事」なんていうミニマムなシナリオを、TRPG のガイダンスに使うんですが。
リアリティ、特に世界設定なんかについては、一気に「これはこうだから」と決め打ちしていくと、プレーするときに現実との差分を修正しながら考えなくちゃならなくなるので、初心者さんには負荷が大きすぎるわけで。
そうした情報は、一つ一つをトリビアのように「知ってると物知り」くらいのニュアンスで伝えておいて、初心者さん自身に使うか使わないかの取捨選択をしていってもらった方が、時間はかかるけど定着するんじゃないかな、と。
世界設定に合わせたロールプレイって、友だちと旅行なんか行った時に、旅先で「この国ではこうするのがマナーなんだぜ」とか、軽くトリビアを披露する感覚に近いんじゃないかと思うんですよ。そうしたトリビアがコミュニティで共有されるようになっていくと、今度はあるあるネタの応酬になっていって、どんどん「それらしさ」が磨かれていく……ってな具合で。
そういうのって最初は偏見とか、間違ってることが多いんだけど、修正したりアレンジしながら繰り返すことで、少しずつ馴染んでいって本物っぽくなっていく。
イメージが膨らんでいって、どんどん豊潤な世界が出来上がっていく。
ちゃんとした定義に沿った話じゃないけど、以前に nayuta77 氏が書かれていた、口承文芸としての TRPG が「伝えるもの」の、少なくとも一つにはコレがあるんじゃないかな?
とか思ったり。
まあそうした難しいことは置いといたとしても、こうして豊潤な世界が広がっていくのは、TRPG の面白さの一つだと思います。ハイ。
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