[diary] 恩師が怪物だった件(笑)

 教える、伝える、ということをディープに考えるようになってから、小学校時分の恩師のことが、やたらと気になるようになっていた。
 実は当時習った教師たちは、一人を除いてみな鬼籍に入っている。元々が「姥捨て山」と呼ばれるくらい、どういうわけだか年配の教師ばかりが詰め込まれていた小学校だったから、あれから20年も経てばまあ、そういうことにもなるだろう。

秘密のミッション

 ここ二年ばかり、どうにか時間を作っては、やっていたことがあって。
 カメさんの研究ノートを探すこと。
 TRPG に関してアレコレ研究していたことを、ノートにまとめていたのは知ってたんですが。それが亡くなった時にどうなったのか? というのが気になってたんですわ。なので亡くなった折、遺品整理をされた方たちを探しては一人一人に手紙を送って、何か持っていった人がいたら訪ねて見せてもらって……という地道で不毛な作業を、一人で延々とやってたんですな。

ハイエナどもめ!

 驚いたのは、遺品整理をされた方が、やたら多かったこと。
 で、まあ後で知ったんだけど、洋書のコレクターだったんですね、先生。ああいう人が亡くなると、雲霞の如く「親交が厚かった」とか「貸していた本がある」とか自称する人間が現れて、あれこれ根こそぎ持ってかれて、一気に所在が分からなくなっちゃう。ああした人間の情報ネットワークは侮れないものがあるのです。
 そうした、亡失を防ぐという名目のハイエナ行為を「おすくいする」と言います。「お救いする」ってことなんでしょうが、どう聞いても「お掬いする」だか「お巣食いする」だか、まあロクな聞こえ方はしません(笑)

死んでまでゲームさせるか(笑)

 遺品整理された方々、みんなそんな人間ばっかなので、わりと難儀してたわけです。こっちは大学ノートをメインに探してるわけだけど、もしかするとそこからレア物にツルがついちゃって、折角死蔵してるお宝が……なんてことを心配しているビブリオマニアどもも少なくないので。まあ気持ちは分かるけど(笑)
 仕方が無いんでその辺は、上手いこと相手の好みを探り当てて電凸したり、ネゴって見せてもらうとかいう作業が相当量、混じってました。ちょっとしたネゴシエーション・ゲームです。
 こんなところでまでゲーム感覚を強要されるんだからなァ(笑)

ゲットだぜ! で、えーと?

 で、ようやく古い大学ノートが一冊だけ見つかって。
「内容は良く分からなかったけど、文化史か何かの研究資料みたいだし、貴重なものかもしれないから取って置いた」って、グッジョブ!
 てーか以前から愛書狂関係で知り合いだったんですけどね。
 二年間知らなかったヨご主人。
 まさかアンタまでハイエナだったとは(笑)

 知り合いだけどシビアなもんで、ちゃんと金払って買い取りました。
 もちろん「こんなところで借りを作ったら後が怖い」からです(笑)
 金になると分かれば、誰かツルが付くかもしれんし。

 んでまあ、さっさと帰ってきて読んでみたんですが。
 分化研究のシンプルさに比べて原論がやたら難解だよ、先生(笑)
 ただまあやっぱりこの人はバケモノだったんだな、とは理解しました。
 むーずーかーしーいー!