[掌篇] 話の夢の話の

 望んだ夢を見る方法は分かっている。
 夢はいつも、眠る前に話していたことの続きなのだ。
 ある日それに気付いてからというもの、眠る前には話をするようにしていた。
 妻も子もある、あたたかな日々。

 ある夜のこと、妻は私に同窓会の話をしてくれた。
 眠りにつくと案の定、その話の続きになる。
 妻はその昔に片想いをしていた男と、わりない仲になっていた。
 そうして私が目を覚ますと、まだ夢は続いていた。