前の記事(GM を操る PL)で「PL から GM を誘導する」という話を書いたら、「PL の要求を受け入れられない GM がたくさんいる」っていうコメントを頂いて、ナルホドと。
今回はちょっとその辺りの話を。
プレイヤーの要求を受け入れられない GM。
いわゆる「一本道GM」
生憎と僕の(期間だけは)長い RPG 経験で、幸か不幸かそういう GM さんには 1 回しか遭遇したことがありません。
もう 10 年以上も前のコンベでの話。
プレロールド・キャラクターのデータが最初から変だったり(必要筋力21のブロードソード)なんだか不穏な空気は最初から流れてたんですが、ゲームが始まってからも、ダンジョンアタックの依頼を受けた時点で必要そうだと思った買い物(くさびとハンマー)を却下されたり、実際にダンジョンの通路にトラップを仕掛けたい(緊急時の時間稼ぎ狙い)と言ったら無理だと言われ、挙句にボスはミノタウルス。パーティレベル 3 なんスけど……
まあそんな経験は 1 回こっきりで充分なんですが、それ以降はこれといって酷い GM さんに当たったことも無く、それなりに応えてもらえてそれなりにダメを出される、まあ標準的なんだろうなーってプレイを堪能してきました。
だもんですから、あまり一本道 GM という生物を知らなくて、もしかすると「できる人」基準になっていたのかなと。
どうにも世間知らずでスミマセン。
で、まあそれはそうと、そういう GM が相当数いるのだということを念頭に考えてみると、そりゃあプレイヤースキルも伸びるわけが無いなァと。
なんせ自分がやりたいと思ったことを、ダメ出しされるわけで。
子育てと同じですよ、その辺は。
子供がやりたいと思ったことを、親がなんでもダメだという。
あるいは子供が自分でやろうとしたことを、親がさっさと片付けちゃう。
それじゃ子供の行動力は育たんというもので、それは RPG でも同じです。
あるいは箱入りノミでもいいや。
ノミってやつらは跳べる高さを学習するのです。(梯子状神経め!)
大きい箱と小さい箱に入れたとき、大きい箱に入れたノミは高く大きくジャンプするけど、小さい箱に入れたノミは低く細かくしかジャンプしなくなっています。
ソレと同じです。
といって、無法地帯で野放しにするワケにもいかんので、やっぱり箱に入れんとゲームが整理しなくなるわけですが、それでも入れるなら大きい箱に入れたいところ。
小さい箱にいれたらダメです。育ちません。
これは GM も同じこと。
プレイヤーの要求を可能な限り呑んでいかないと、GM も成長しません。
ゲーム入門(小学校高学年)当時は、厚紙に「チャイ」と書かれたカードを作ってプレイヤーに各 2 枚、GM はプレイヤー人数と同じ枚数だけ持っておいて、発言を訂正したり却下したりするとき、1 回ごとにソレを使う……というルールで遊んでました。(今考えてみると立派にトレーニングなんですが、当時はゲーム感覚で)
ちなみに GM の手札が無くなると全 PC の報酬を 2 倍にしなければいけません。
プレイヤーが手札を使うことになると、その PC の報酬は半額になります。
慣れてきたらカード枚数を減らしていって、最終的には GM もプレイヤーも 1 枚ずつ。
プレイヤーは報酬目当てでロクでもない行動宣言をし、GM もそれを阻止するためにロクでもない状況展開をさせ……というアホなゲームを何度もやったワケですが、プレイヤーも GM も、トライ&エラーで随分鍛えられたんじゃないかと。お陰でけっこう奇想天外な行動宣言にも、平常心で応えられるようになった自信はあります。設定に沿ってさえいれば。
まあこれは一例ですが、何が言いたいかといえば、
「GM は荒波に揉まれて来い」
と。まあそういう話です(笑)
プレイヤーは GM を育てて、GM はプレイヤーを育てる。
下手をするとワンマントークショーに連行されることになりますが、上手くいけばハッピーなゲームが遊べるようになります。
今楽しく。
次も楽しく。
そういうゲームがしたいですね。