嘘です。
こういう手法で読書感想文を書いてはいけません。
……と、前置きをしておいて。
読書感想文。子供の頃にやった楽しい課題です。
あ、いや読書感想文の宿題そのものは好きだったので。
昔からあーでもねーこーでもねーと文章を書くのは好きだったのです。
まあ中には嫌いだったものもあるんですが。
それが「課題図書の読書感想文」という、アレ。
課題図書なんてな、子供心になーんも引き込まれる要素がなかったので、「まあ宿題だしなー」という気分で夏休みが終わってから手をつけていました。
それで充分、間に合ったし。
ちゃんと読まずに書いてたからなんですが。
書けるんですよ読書感想文なんて。
論文じゃないんですから、読んで思ったことを書く。ただそれだけです。
そしてどんな感想を持とうが、それは思想の自由と言うヤツで、教師だろうが何だろうが文句言われる筋合いはありません。
何書いたって良いはずです。
……という強論の元、好き勝手やってました。
具体的に言うと、課題図書の最初 1 ~ 2 ページだけ読んで書く。
課題図書と言うヤツは、まあ大体がご立派な起承転結で成り立ってます。
そのうちの起だけで書く。えらい暴力的ですが、これは充分可能です。
どっか適当に食いつけそうな一文だけ引用して、後は無理にでも膨らませる。
この手を使うときは、できるだけ難解なヤツがいいです。
教師も「どーせわかりゃしないだろう」とタカを括ってる場合が多いので、難しいモンを読んできた、というソレだけでそれなりに評価してくれる教師は多いようです。(どうせ大して成績に影響しないんだし、要領よく楽しめば良かろうという)
後はもう、本に関係あろうがなかろうがムチャクチャ書く。
例えば
「奇跡の少女を取材にいらしたんですか? ちょっとお待ちください、本人はまだ寝てるかもしれませんから」
――『奇跡の少女』新津きよみ
という一文を引っぱったら、キーワードである「奇跡の少女」から奇跡だと思った実体験の話でも、「まだ寝てるかも」から起こされると不機嫌になる家族の話でも、何でも書けばいい。
ネタが切れてしまったら、また次の文章を探してムチャクチャ書く。
この繰り返し。
あらすじをなぞって要約文を書いて、評価の低い子とかいましたけど、ぶっちゃけそれでも頑張ってるじゃねーか……とか思ってました。横目で。
なんせあらすじ書くには通読する必要がある。
ごくろうさんでござんす。
ソレに比べて自分はまともに読んでない。
適当にページめくって「じゃあこれ」と見修った一文からメチャクチャ書いただけです。
なのにこっちのが点数が高い。
背徳の卑劣漢です(笑)
でもまあ実際にコレやろうとすると、それはそれで面倒なモンだったりするし、たぶんある程度の文章をかけるようになったのも、それがトレーニングになったのかもしんないと思うと、あんまり悪い手段でもないのかもしれない。
それに今じゃ「名作の粗筋をまとめた本」だとか「過去の読書感想文受賞作」とか、そんなロクでもないアンチョコ本があるようなので、それらに比べりゃやってるだけマシ……なのかもしれません。
教職用の英語教科書を持ってる高校生みたいなモンですな。
あれは卑怯だ(笑)
ま、下を見ると限りない、という典型例みたいなモンですが。
課題図書なんかどーでもいいから、楽しめる本を読んで好き勝手に読書感想文を書けるように育てましょう。子供は。
【補録1】
ちなみに上記手段で小学生の頃に読書感想文コンクールとかで毎年なんかしら受賞だの出展だのしてました。読書感想文に対する偏見は、そのあたりで生まれたモンでしょう。
【補録2】
友人に『三国志』を読んで読書感想四コママンガという意味不明の自由研究をやったアホがいます。あれは自由研究でしたが、妙に高評価をもらってました。翌年『金瓶梅』で同じことをやったら再提出になってました。題材はちゃんと選びましょう。