[Epitaph] 長寿と繁栄を

2月27日の朝(現地時間)、名優レナード・ニモイ (Leonard Nimoy) がこの世を去った。

23世紀の再会を祈って。

美事…

思い出すと泣きます

僕にとって、彼は『宇宙大作戦 (Star Trek)』の Mr.Spock だ。といっても幼い頃からのファンというわけではない。子供の頃は、どうやらあの宇宙人ルックが怖かったらしく、『Star Trek』自体を長いこと苦手として避けていた。

見直すチャンスに至ったのは、成人してからだった。

だからそれまで自分の中で、 Leonard Nimoy と言えば『SF/ボディ・スナッチャー (Invasion of the Body Snatchers)』の“博士”や、『スパイ大作戦 (Mission: Impossible)』の奇術師パリスだった。

二十歳を過ぎてから創作のキャラクターに憧れる、というのも些か気恥ずかしいものはあるが、ミスター・スポックの在り方には憧れたものだった。(必ずしも人間的に優れてるとは言えないが)

“Live Long And Prosper” ――「長寿と繁栄を」という素敵な挨拶とともに。

セッションを

27日。帰国してすぐに麻雀に引っ張られ、疲れやら何やらでナチュラルハイのまま日をまたいで28日の午前3時少し前。 Twitter を眺めていたら、この報に触れることになった。

すぐに日曜ゲーム会の強行を決め、「Twitter を見て事情を察した奴だけ来い」と呼びかけ、30分もしないうちに想定メンバー全員から連絡があった。*1Twitter では「眠い」と言って落ちたが、結局眠れず起きていた。翌朝、カミさんに目を腫らした顔を見られて呆れられることになる。

全員一致で「『MegaTraveller』でセッションしよう」ということになり、『MegaTraveller』の Star Trek モジュール(ずっと昔にトレッキストの先輩が自作した秘蔵の品)を引っ張り出してきた。

セッションという言葉は、もちろん“ゲームセッション”を指すのだけど、こっそりもう一つ、「交霊会」という意味があったりなかったりする。いやセッションそのものに交霊会という意味は無いのだけど、交霊会はセッション(会合)の形態を取るので……ええいややこしい!

かつて米国で (T)RPG がオカルティズム、悪魔崇拝者のミサと見なされちゃったりしたのも、案外そういう文化背景が有ったのかなー? と思ったりしないでもないが、まあそれは置いておこう。

まあ実際にやることは、19世紀に流行したというオカルトチックな交霊会のイメージとは違い、超常現象めいたものは何も起こらない。やったことと言えば、通夜のようなものだ。故人の思い出を語ることで、故人があたかもそこに居るような場を作り上げる。

シナリオ「カトラ(魂)を探せ」

ベースは劇場版3作目『スタートレックIII ミスター・スポックを探せ! (Star Trek III: The Search for Spock)』。

ただしストーリーについては必ずしも一致せず、またMr.スポックのカトラ(魂)についても「数名のクルー(PC)たちの間を不規則に往来していて、彼らの間で時折Mr.スポックの人格との入れ替わりが起こり、振る舞いが変化する」……というルールを採用。(遊びとしては「キャラクターに振り回されるプレイヤー」の構造)

かくして参加者らがMr.スポックらしい振る舞いや原作の思い出を語りながら、カトラが誰かに定着してしまう前に奪われたMr.スポックの肉体を奪還し、儀式を行って復活させる……というストーリーが展開された。

クリンゴン人との戦いはきわどい展開になったものの、クルーたちはゲームに見事勝利し、Mr.スポックは無事その魂と肉体を再び融合させることに成功。彼はリハビリのため、ヴァルカン星で船を降りた。

再び“海”で出会う日まで。

Godspeed.

References

References
1 Twitter では「眠い」と言って落ちたが、結局眠れず起きていた。翌朝、カミさんに目を腫らした顔を見られて呆れられることになる。